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手の平の『欠落者』たち  作者: 今木照
ソコントコ夜露死苦!多摩川決戦!
35/40

第二十二話 ガチンコ勝負

前回のあらすじ!


コンビニで成人向け雑誌を購入しようとした源!

しかし、同じ雑誌に手を伸ばした人物がもう一人!それは関西最強暴走族、『愛暗無狂』の総長、西尾であった!

逃げ帰ろうとする源の事を呼び止めた西尾は、雑誌を賭けて勝負をしようと吹っ掛けてきた...!

どうなる、山根源!!

2018年 5月 近所の公園にて...



 俺は今、かつてない修羅場に居る。そこには俺と、いかつ過ぎるヤンキー、そしてその子分のような男達が数名、相まみえていた。


「ってこであんちゃん、ここで勝負すっか!!」

「ヒャッハー!兄貴の決闘を拝めるぜェ~!」


 そして更に、俺はコイツ等に勝負を吹っ掛けられている。理由は至極単純、同じエロ本に手を付けてしまったから。ただそれだけだ。

 それだけでもこの男たちの掟とやらでは、何かの問題が生じたとき、勝負で決着をつけるのが決まりになっているらしい。向こうはとっくに俺と勝負をする気らしく、さも当たり前かの様に盛り上がってしまっている。当然、こんな人間と勝負したら、俺に待っている未来は死だけだ。


「いや、いやいや...!え、えーとごめんなさい。その、勝負?とか掟?とか、よく分からないんすけど...」


 俺はなんとか生きながらえようと、この西尾と呼ばれている男に食いついてみせる。しかし、こんな輩に正論が通じるわけもなく、西尾は逆上して肉食獣のような大きな口を開いた。


「あぁん?今説明したやろうが!ワシらは関西最強暴走族、『愛暗無狂あいあんなっくる』!そして族の掟でなぁ、漢と漢の決め事は勝負でって決まってんねんッ!」


 やはり、この男の話している言葉の意味が分からない。


「えーっと、俺はその族には入ってないんですけど...」

「...ヒャハ?だからなんやっちゅうねん?兄貴が勝負って言ったら勝負すんのが礼儀やろうがァ!!ヒャッハー!」


(は、話通じねぇー!!!っていうかこの子分、ヒャッハーの使い方ウザ!ちょーウザ!...俺は向こうに雑誌を譲ったのに...)


 なんでこの男はここまで勝負に拘るのか?お目当ての品からは手を引いたし、ただ欲しいだけなら俺のことなんか放っておいて、あのエロ本を持っていけばいいじゃないか!俺からしたら掟もどうでもいいし、完全にとばっちりだ!

 と、完全にブルーになった顔を俯かせながら佇んでいたら、西尾が口を開いた。


「って言うても、ワシとあんちゃんが喧嘩しても殺してまうだけやろうしなぁ」


(こ、殺...?)


「せや!!ワシがここに立ってっから、あんちゃんはワシを動かしてみい!!」


 西尾はそう言うと、股を開いてどんと構えた。それはもう、立っているだけでこちらが怯んでしまうような、そんな圧迫感を滲み出しながら。

 そして俺は、西尾が言い放った『動かす』の意味を上手く理解できないまま、彼に聞き返した。


「う、動かす?」


「せや!!どんな手ェ使うてもいいから、このワシを動かしてみい!1ミリでもワシがこの場から動いたら、あんちゃんの勝ちや!」

「流石兄貴や!男らしいヒャッハね!」


 暴走族のわりに、随分と良心的な勝負にしてくれたなと、俺は思った。てっきり、勝負とか言っていたから純粋な殴り合いの決闘だと思い込んでいた。

 この勝負なら、きっと俺にも勝機はある!..........ハズ!


「本当にどんな手を使ってもいいんすね...?」

「おう!ええで!!」


 西尾は笑顔のまま返事をし、自信満々に仁王立ちを続けている。この男には、余程の自信があるのだろう。

 まぁ確かに、こんな気迫があったら動かすことなんて不可能に感じてしまう。


 ...しかし!オトコという生物には、絶対に鍛えられない『急所』が存在するッ!

 それはオトコにしか存在しえない、そして同じ男にしか、その苦痛を理解できない部位ッ!!

 俺は、プライドなんて邪魔なものを早々に捨て去り、潔く狙いを定めた。そして適度の助走を取り、最後に西尾に覚悟を問いかける。


「じゃあ、行くっすからね...!!」

「はっは!どんとこい!」


 西尾は、まさか自身の()()が狙われているとも気づかず、未だ余裕そうに笑っていやがる。

 そんな西尾に向かい、俺は着実に一歩一歩進んでいき、徐々に速度を上げる。そしてその距離が残り50cmになろうかという時、勢いよく左足を踏み込んだっ!

 そんな俺の姿勢に、なにか感づいたのか、西尾が驚いたように声を上げた。


「__って!そこはっ!俺のタマタマ!?」


 その通り!俺が狙ったのは男の最たる象徴にして、最大の弱点!

 その名も...『きん〇まッ!!!』

 どんな屈強な男でも、ココを蹴り上げられて微動だにしないことなど、不可能ッ!!


 今思えば、俺はこの日の為にサッカーをしていたのかもしれない。サッカーで鍛えた持ち前の足筋を駆使し、目の前のゴールデンボール×2を、シューートッ!


(さぁ喚け!もがき苦しめ!そして俺にエロ本を譲渡しろォ!!)


「どぉぉおりゃぁああ!!!」

「や、やめるんやァ~~!!!」


 この閑静な公園に、俺のいきんだ声と、西尾の青ざめた声が響き渡った...!




 続くッ!

最後まで読んで頂きありがとうございます!

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