525話 拉致
アルの計画は、順調とは言えなかった。
アルや小人たちは、星の意志を信じたが他の種族の多くはそんバカな話があるかとなっていた。
星自体で異変が多くみられているが、信じる者はかなり少ない。
そんな状況でも地下都市造りは、多くの労働者をつぎ込み進んでいる。
小人「アル様、報告書を持ってきました。」
アル「これは・・・・」
小人の報告書には、各地で戦が頻繁に起こっているというものであった。元々戦闘民族の集まりであり、戦大好きな者達であるから、戦が起こる事事態はいつもの事であった。だが今回の戦は少しだけ様子が違っていた。
アル「縄張り争いではなく、食料の強奪が目的となっているな。」
小人「はい、普通であれば我ら小人の行商を狙うのでしょうが、ワイバーンで移動していますから出来ないのでしょう。その代わりに豊富な食料を持つ種族が頻繁に狙われています。」
アル「構っている暇はないな。」
小人「それは分かりますが、何とかなりませんか。」
アル「この種族に何かあるのか。」
小人「実は、この種族は農作物を作り出すことに関しては右に出る者はいません。」
アルは小人の言葉に驚いた。その種族は木人である。
アル「木人が、作物を作り出すのか。普通に食べれるのか?」
小人「えっ、普通に食べますよ。木人ですから。」
アル「そうだな、人だな。俺は植物を想像してしまった。」
小人「トロールのような者達ではありません。まぁ多少は似ているといえば似ていますが全く別物です。木人は、作物を作り出すことに長けています。どんな作物でも作り出すことが出来ます。この星ではかなり珍しい種族と言えますね。それにかなり丈夫なんですよ。」
アル「丈夫ならば他の種族より強いだろう。何が問題なんだ。」
小人「それはですね。動作が普通より遅いんですよ。例えるなら。子供と老人でしょうか。子供は動きが活発ですが、老人は普通より動作がゆっくりでしょう。そのくらい種族と開きがあります。」
アル「ようはトロイから作物が強奪されているという事なのか。」
小人「正解です。木人は、最悪は水と光合成で生きる事はできますが、食すことで動きが良くなり活発な行動が出来るようになります。食料が強奪されてしまうと木人たちは動く事を辞めてしまう恐れがあります。」
アル「・・・取りあえず、木人たちをここに移動させろ交渉は任せる。木人がいなくなれば襲った種族も諦めるだろう。」
だがアルの考えは甘かった。小人の説得によって拠点脇に移動してきた木人たちはそこで作物を作り出していた。町の外という事もあるが、他種族のいい的となってしまった。
動きの遅い木人は、丈夫であるが動きがかなり緩やかであり、作物を盗むには便利種族となっていた。
小人たちやアル達が、かなりの量の作物や酒を各地に運んでいた為に各種族の争いも少なくなっていた。それがこの氷河期到来とともに各種族への食料が行き渡らなくなってしまった事が各地で頻発する争いの原因とも言えた。
ようは元の状態に戻っただけとも言える。
そんな状況の中でも地下都市工事は進んでる。アルの計画としては、星の種族分の都市を造り各種が園に避難する。だがそれだけでは生き残る事はできないだろう。そこでダンジョンを造り出し、作物と魔物肉で生き延びようとするものであった。
小人「地上の亀とオアシスは使わないのですか。」
アル「亀の上は整備する。人が住めば畑なんか作る余裕はないからな。それに信じない者達は、地上が寒くなれば移動するだろう。亀とオアシスはその者達の生きる場所になる。」
小人「オアシスにもダンジョンは造るのでしょうか。」
アル「大精霊の了解は必要だが造る予定だ。」
その後も各種族への説明を行っていくが、信じる者は少ない。
小人「アル様、このままでは9割の種族は滅んでしまいます。」
アル「・・・・・・仕方ない。」
アルは小人の情報を元に各種族のお偉いさんたちを拉致する事を指示する。騎士や戦士たちは黙って従っていた。
虎人「き、貴様ーーー、儂を誰だと思っているのだー。長老だぞー。儂の・・・・」
騎士「黙っとけ。」ボコッ。
戦士「あんたは、獅子族の族長だな。」
獅子人「あ”あ”-、てめえ誰だぁ。」
ボコボコ。
戦士「おう連れてけー。」
戦士2「いいんですか、説明しないで。」
戦士「いいんだよ、拉致しろって指示だしな。説明はアル様がやるだろう。」
戦士3「行け。」
ボコボコボコ「うっ。」(鹿人)
戦士4「簡単なお仕事だな。」
戦士5「拉致って楽しいな。」
アルは何を言っても信じない種族を中心に各地の種族を一時的に拉致して回った。各種族一人ではなく、点在する種族を片っ端から拉致していった。
獅子人「お前も攫われたのか。」
獅子人2「あー、一発でのされてしまった。クソー。」
虎人「お前も捕まったのか。」
虎人2「フン、いつも大口叩いたお前ものされていたか。」
虎人「・・・くっ。」
虎人2「まぁ今は協力しなければなるまい。逃げれるか。」
虎人「今は無理だろうな。警戒が厳しい。」
虎人2「何が目的か分からんな。」
虎人「知らないのか、氷河期が来るという事だろうが。」
虎人2「フン、そんな馬鹿な話があるか。」
突然後ろから声が聞こえる。
小人「あるんですよ。」
虎人トロら人2派突然の声にビクッとしてしまう。相手が小人と分かるとびくついた事が恥ずかしいのか威嚇していく。
小人「話を聞いてください。今大精霊の元へと移動しています。」
虎人「はぁ?」
虎人2「部屋にいるんだぞ。移動なんかしていないだろう。」
小人「あーーー、窓が無いから分からないですよね。今ドラゴンに部屋ごと運ばれているんですよ。」
虎人たちは部屋だと思っていた物はだラゴンが運んでいる。アルが移動の為に使っていた物である。
小人「この建物は、移動用の家です。」
虎人「はぁ?」
小人は虎人に説明しても無駄と判断した。もう少しで着きますからと言って去っていく。
虎人「今空飛んでいるのか。」
虎人2「知らん。」




