523話 大精霊
超巨大亀の今までの方向所が山済みとなっている。
アルを中心に騎士たちが調査報告書を隅々まで確認をしている。
調査報告書を元に超巨大亀の行動目的と今後の進路を調べているのである。
騎士「アル様、ある程度の調査は完了しました。」
アル「で、どうだった。」
騎士「はい・・・・・・」
騎士の報告では、超巨大亀は西へ向かい現在アル達の新拠点の北に向ってい行くだろうと予想されていた。
その北は、かつては緑に溢れ草原が広がっていた地域である。だが数年前から砂漠化しているという。
アル「砂漠化しているのか、今も人は住んでいるのか。」
騎士「調査ではもう人は殆んど住んでいません。」
アル「そうか、其れからの亀の行動予想はまだなのだな。」
騎士「はい、ですが不作の地域とするならば、この拠点の脇を通る可能性が高いと思われます。」
アル「この近くに不作の地区があるのか初耳だな。」
そうアルの今いる地域で不作とは無縁の場所と思えたからだ。緑豊かなこの地域で不作などありえないと思っていた。
所が新拠点から10キロほど南下した場所では森が枯れているという。この森は嘗ては動植物も豊かでかなり貴重な薬草などもあった。
アル「一度、その森を見に行くか。」
アルは、アンネローゼと共にその枯れてしまった森へと向かった。
上空
アル「あれが枯れた森か本当に枯れているんだな。」
上空を旋回しながら森を見ていると一か所だけまだ枯れていない場所があった。アルはその場所に降りていく。
アンネ「アル、ここはまだ普通ね。」
アル「あー、何でここだけ枯れていないんだ。」
その場所の中心には、小さな池があった。
アル「この池の水で周りがまだい生きているようだな。」
騎士「そのようです。池は直径30Mほどです。生きている森は池を中心に半径150Mです。」
アル「そうか、川が無い所を見ると地下水なのだろう。この水が枯れを抑えているのならば、解決するかな。」
「解決しないわ。」
突然、池の中から声が聞こえてくる。驚いたアル達はいけの方を向く。
池の中心に浮かぶ、人が居た。いいや人ではない妖精だろうか背中に羽があり、かなり小さい。
妖精?「この水ではないわ。私の力よ。」
妖精は、無い胸を精一杯反らしていた。
アル「君は、妖精かい。」
妖精?違うわよ。私は大精霊よ。」
アルは妖精と大精霊の違いが判らなかった。
大精霊の説明では妖精はまだ、希薄なものであり、漂っているだけだという。妖精が長い年月をかけて精霊となり、その中の一握りだけが中精霊となり、又その中の一つが大精霊となるとじっくりと説明されてしまった。
大精霊「分かったかしら、私がいかに偉大か。」
アル「あー、良ーくわかった。ねちっこい性格だという事がな。」
アンネ「アル、それは失礼よ。折角説明してくれたのにー。」
大精霊「流石よく分かっているわね。あなた気に入ったわ。フフフフ、私の祝福を与えるわ。」
大精霊が腕をあげるとアンネローゼの頭上から光が降りそそいだ。
アンネ「綺麗。」
唖然とするアルと騎士達。
アル「ゴホン、大精霊殿。超巨大亀の事は知っているか。」
大精霊「あーその亀の事ね。知っているわ。あの馬鹿亀は、何度も私の池を潰しているわ。」
アル「今この場所へ向かっているようだ。」
大精霊「キーーーー、あの馬鹿亀ぇぇぇぇ。」
アル「亀の目的を知っているか。」
大精霊「亀はこの星の調整をしているのよ。ホント無駄な事して。」
アル「調整をしている。何故無駄なんだ。」
大精霊「この星は氷河期に入っているのよ。あと数年、十年ぐらいかしらその頃にはもう氷で覆われるわ。」
アル「えっ。」
「「「「「えっえーーーー」」」」」」
アル「それホントか、氷で覆われるのか。」
大精霊「そうよ。森が枯れてきているでしょう。星の中心の熱が下がっているのよ。それを馬鹿亀は必至で温めているのよ。あんなノロマじゃ無理ね。」
アルは根気よく大精霊から聞き出していく。大精霊は少しお高くとまっている為にアルは下手に出て上手く聞き出していく。
アル「大精霊殿、今の話を纏めると・・・・」
アルの聞き出した事は、星が氷河期に入る(もう入っている)
超巨大亀は、その氷河期を防ごうと奮闘しているが、間に合う事は絶対ない。
氷河期は止める事はできない。完全に氷河期となれば星全体が氷で覆われてしまう。そしてほとんどの生物は死に絶えるという。
だが一部の者達は生き残る事が出来る。超巨大亀の上で生活する事が出来るという。数十キロのも及ぶ超巨大亀の上は凍らないという。そして大精霊は無い胸を反らしながらここも凍らないわと言っている。
だがよく聞けば、超巨大亀に踏みつぶされる可能性がある事が分かった。
何度も何度も大精霊の住処を踏み潰しているという。
大精霊「あの馬鹿亀はワザとやっているわ。そうでなければ私の住処だけ何度も踏み潰されるのはおかしいもの。」ブツブツ・・・
アルは今必死で考えている。氷河期となれば移住どころではない。折角築いたものが全て無駄になってしまうのだ。
アル「地下も全て凍ってしまうか。」
大精霊「それは無いわ。星の中心は熱いモノ、星はね古い物を新しくするために氷河期を一定期間で作り出すのよ。今回は200年ぐらいかしらね。200年たてば元通りよ。」
アル「普通は死ぬな・・・・」
「「「「「・・・・・・・」」」」」」
アル「数年って2年か3年かどのくらいか分かるか。」
大精霊「んーーー、そうね。5年で星はほぼに凍るわね。3年ぐらいまでは各地で異変が起こるだけよ。4年目からは土地が凍っていくわね。でもここは大丈夫よ、フフフフそれはねー私がいるからよーー、オーホホホホ・・・・・・」
大精霊の高笑いが続くがアル達は無視している。
アル「大精霊殿のような場所は各地にあるのか。」
大精霊「あるわよ。そうしなければ地上で生きている者達はみんな死んじゃうでしょう。」
アルはこの言葉で活路が見えた。
あと5年、いいや4年で何とかしなければ影星の住人たちは皆死んでしまう。




