表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
521/535

521話 二人の中二病患者

中二病「我らは今立たねばならない。アケミちゃんを救うために立つぞー。」


しらー。


中二病「おいお前らどうした。やるぞーとか俺も行くーとかないのか。」

中二病2「あるかー、何がアケミちゃんだ。お前が惚れているだけだろう。それにどうしてお前が此処にいるんだ。先日捕まった奴らといないんだ。」



そう今アケミちゃんと言っていた者は、先日奴隷落ちとなった集団の仲間であった。だが諸事情によりこの男だけ襲撃に参加していなかったのだ。



中二病「うっ、それは仕方が無かったんだ。俺はあの時、殴られて気を失っていたんだ。」


この中二病は、親に殴られ気を失っていたことで捕まらずに済んでいた。通常の中二病者たちは親元を離れて暮らしているがこの男だけは、まだ親に見捨てられずにいたのである。必死に更生させようとする親御さんは、毎日息子に対して説教をしている。



そこに案の定、男の親が乗り込んできた。この光景は毎日の事であり、この部屋の住人たちももう慣れたものとなっている。


親「こらー、又くだらない事をほざいているなー。」

中二病「うっ、ぱ、親父ー。何しに来たんだ。」

親「見りゃわかるだろう。お前を連れ戻しに来たんだよ。おら行くぞー。」


父親は、息子である中二病を引きずっていく。


この親も元は中二病を患っていた為に気持ちは分かるようだ。だからこそ辞めさせたいという持ちが強くなっている。

父親は、中二病に対してアケミちゃんが好きという事に関しては何も言わない。好き嫌いはどうにもならない事であることを十分に理解しているからだ。だがその他の事に関しては干渉していた。


毎日家に帰る。

毎日仕事をする。

一日一度は家族で食事をとる。


この3点を息子に約束させている。だが度々息子は約束を忘れて今回のように連れ戻されているのであった。


中二病2「嵐が去ったな。」

中二病3「俺の家なんだけどな・・・・」

中二病4「でもあいつの親は、毎回凄いなー。俺の親なんか知らん顔だぞ。」

中二病2「あの親は特別だ。何しろ中人の中では伝説になっているからな。」

中二病4「だよなー。あの親父さんが信じられないよなー。」




そう中人の中で伝説となっているある事件が昔起こっていた。それは20年ほど昔に中二病患者であった男(親父)が一人の女性に惚れてしまった。それは中人にとって実らぬ恋であり、中二病患者にとって何時もの事であった。

だが男は、病気という事もあり真剣に悩み女性を口説く事に命を懸けていた。


女性は、そんな男に対して恐怖、拒絶感と言った負の感情しかなかった。

そんな女性に事件が起こる。女性が誘拐されたのだ。


毎日愛を囁く為に女性宅へと足を運んでいた中二病は、女性宅の異変に気付く。そしてなんと誘拐犯をばったり出会ってしまった。

誘拐犯は、一人ではなく4人いた事で中二病一人などどうにでもなると襲い掛かる。だがそこは夢人である中二病者だ、白馬の騎士にでもなったのだろうか何かを叫びながら誘拐犯4人を殴り続けてる。1対4人であるために1人を殴っている間に他3人からも殴られている。だが中二病にとって殴られることは勲章のような物であった。姫を悪から救うために必要な儀式であった。


何とか女性を4人から取り戻すが、1対4である事で逃げる事も出来なかった。必死に守りながら反撃していくが、一人でなくなったことで殴られるだけとなってしまった。

そんな必死な男を女性は初めて意識したのだろう。

女性「逃げて、私は多分殺されないわ。お金目的だから。」恐怖で引きつりながら男に対してニッコリと笑っている。


初めて声をかけられた事もあるが、女性が自分の為に笑ってくれたことが嬉しく、殴られている事も忘れてしまっていた。

殴られた痛みもなく、嬉しい、幸せな感情に支配された者のパワーはもの凄かった。

火事場の馬鹿力というスキルがその瞬間に生えてきたのだ。


幸せ感情に支配されて中二病は、リミッターが外れてしまった。人は普段能力の30%ほどしか使っていないと言われている。だが火事場の馬鹿力はそんなリミッターを外してしまっていた。


人は思い込みという武器を持っている。俺の拳は鉄よりも硬いと思い込めばそれは現実となる。

俺の蹴りは、人も切り裂くほど鋭いと思えば、其れに近づいていく。


中二病にとってまさに至福の時間となっていた。

殴られ続けて顔は腫れあがり腕も折れていた。だがそんな事は何の問題とならなかった。折れた腕は関節がもう一つ出来たように新たな武器として活躍し、蹴りは刃のように鋭く入るが切り裂く事はできなかった。

だが中二病にとっての一番は並外れたパワーであった。一人で4人以上のパワーがあった。


中二病「かかってこいやー。」

誘拐犯「こいついかれてやがる。殺せー。」


誘拐犯は、最初から殺すつもりであったが改めてリーダーからの支持が出ていた。

剣で斬り付けるが中二病者には効いていない。振られた剣は中二病の肩やわき腹を数センチしか切る事が出来なかった。スキル火事場の馬鹿力は、皮膚も強化していた。


誘拐犯2「何だ此奴は、化物か。」


道の真ん中での事件であり、これだけの騒ぎとなれば人も気づいていく。


中二病「うおおおおおーーー。」


中二病の雄叫びと共に勝利が確定した。


半分死んでる4人は体が痙攣している。そこに警備の兵が駆けつける。

4人の誘拐犯は捕まり、中二病も事情聴取されることになる。だが重症という事でまずは入院することなった。


そして二人の恋が始まった。



この事件で中人達の間では、恋の物語として定着されていく。

劇などにもたびたび取り上げられていくその度に招待される夫婦が嬉しそうにしている。内容は盛に盛られているが、そんな事は気にしていないのがこの夫婦であった。


偶然が重なり相思相愛の夫婦となったが実はこの男は中二病患者であった。いまだに完治していないのである。夫婦となり普通に生活が出来ている事で周りも恋が実り完治したと思い込んでいる。

だが今だ夢の中にいる中二病であった。


それは今問題の子供が生まれても変わらなかった。中二病の夢は、夫婦となり子供を作り

色々な問題を夫婦二人で一緒に解決していくという夢なのだ。現実と夢が上手く交差し絡めあった結果今の現状となっていた。


一家に二人の中二病がいる事を誰も気づいていない。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ