520話 夢の中
バンパイアと中二病者との戦は、バンパイアの完全勝利で決着となったが、戦後の交渉は小人に丸投げとなっていた。
バンパイア族は、他の種族から嫌われている事もあるが、あまり交渉ごとに向いていないのである。
その為に交渉事は全て小人の行商が請け負う事に決まっていた。
小人の行商は、嬉しそうに中人の村へと行き、各中二病者たちの関係者と交渉を始めている。
小人の行商の交渉は、絶妙で中二病者の失態を隠すことを条件にかなりの物資を出させることに成功している。
小人「これで以上ですか。」
中人「ま、待ってくれ息子は、専用従業員として勤めれば10年で帰ってくるんだろうな。」
小人「はい、家の専用従業員として雇い。必ず親御様の元へと送り届けます。その頃には知識と少しの金も貯まっているでしょう。其れよりも中二病が完治している事もあるでしょう。」
中人「ほ、本当に中二病が完治しているのか・・・中二病の完治には5年から20年。・・10年ならば許容範囲か・・・」
小人は、200人もの中二病患者を雇う事になった。
そして200人の中二病患者に対して小人の行商は
小人「皆さん、皆さんにとても良い話を持ってきました。皆さんは戦争に負けてこれから奴隷のように働かなければなりません。とても悲しい事です。
ですがそのような環境でも少しだけ娯楽や楽しい事があればきっと耐えれるはずです。
じゃぁぁぁぁん、これを見てください。」
小人がじゃぁぁぁぁんと言って広げたものは、中二病患者たちに食事を支給しているケモミミたちのイラストであった。
「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおお」」」」」」」」」
中二病患者たちは、各々が夢の中に入っていった。ある者は、それがハーレムに映っていた。又ある者は、愛のある家庭に映り、又は一瞬だけ見つめ合う恋人となっている者もいる。
小人はまぁ個人の想像力までは関知しませんと言い切っているが、小人の計算通りに話が進んでいる事は間違いなかった。
アル「流石だな。これほどうまく交渉事を纏められる者はいないだろう。で一つ聞きたいのだが、これは何だ。」
小人「それは、高額バイトの技能給の一覧です。」
アル「手を握る銀貨1枚、にっこりと笑う銅貨3枚、ウインクをする銅貨3枚・・・・・・なんだこれ。」
小人「中二病患者たちに希望を持たせるために高額バイトを雇い。夢を見させるのです。・・・」
小人の説明では、労働者となる中二病者たちに高額で雇ったケモミミたち(食事支給係のバイト)で中二病者たちに偶にウインクや笑顔を振り撒くとお金がもらえるシステムだとアルに説明する。
アル「これ詐欺だろう。」
小人「いえいえ違います。これは中二病にとっての夢です。過酷な労働に対する一種の娯楽なのですよ。」
中二病者たちの労働は過酷である。借金と賠償金の為に街道整備他を10年も行わなければならない。その為に食事と労働、睡眠しかない生活となる。その中で食事は娯楽であり一番楽しい時間となるだろう。
その中で一瞬の恋が芽生える事は良くあることで、中二病患者の発想力であれば大恋愛や10年間の恋にも発展していくだろう。
小人の読み通りに、食堂で働く高額バイト達は、にっこりと笑いながら食事の支給を行っている。
中二病「うおおおお、今アケミちゃんが俺に向っ手を振ってくれたぞ。俺に惚れているな。うひょひょ。」
中二病2「サチちゃんなんか俺にウインクしてくるんだ。完全に俺に恋しているな。」
中二病3「俺なんか今日の支給の時、手を握ってくれたぞ。あっ間違ったといって手をぎゅっとしてくれたんだ。完全に俺のホの字だな。」
食事の支給係とは、中二病者たちがトレイを持ち支給者たちに盛り付けをしてもらう。ライス大盛、肉多め、野菜要いらないなど色々と注文が出来る。だが流れ作業の為に支給係とは一瞬しか目を合わすことが出来ないのだ。そのもどかしさと中二病患者たちの想像力が絶妙に絡み合い夢を広げている。
中二病4「俺は決めたぞ。ここで働いてマリちゃんと結婚する。」
中二病5「俺も結婚するぞ。あのケイトちゃんの毛並みは俺以外に触らせない。」
ググっと拳に力を入れる者、にやけてボーッとする者も200人の中二病患者たちは、病気が悪化っしているようであった。
支給係たち
アケミ「今日のバイト代は、何と銀貨2枚になりましたぁ。」
サト「いいなー、私なんか銀貨1枚よ。」
メリー「フフフ、私は今日は銀貨3枚と銅貨2枚よ。」
ジュン「私なんか今日は0よ、0。明日頑張るわ。」
マリー「そうよね。ジュンは今日調理担当だもんね。」
ジュン「そうなのよ、ローテーションで仕方ないけど、毎日支給係やりたいわ。」
ワイワイガヤガヤと女性たちは大喜びで仕事を行っている。高額バイトという事もあるが一番は歩合だろう。
目を合わせにっこりと笑うだけで銅貨3枚なのだ。もし200人全てに目を合わせニッコリと笑えば銅貨600枚となるのである。実際は忙しいしい事もあり10人程度しかできないが、頑張れば金が増える事は間違いないのである。高額バイト達と中二病患者たちはお互いを必要としていた。
アル「これは完治しないだろう。」
小人「完治しなくともいいんです。夢を持った者達は、その夢を追っている姿は美しいものです。この中二病患者を他の中二病患者がみればこうはなりたくないと現実を直視する事でしょう。一人でも中二病患者を出さない為にもこの200人は必要なのです。」
アル「よくもまぁそれだけ舌が回るなー。感心するぞ。」
小人「へへへへ、アル様、また一つ情報があるんですけど。あの中二病患者たちの他にカバな中二病者たちが200人を救おうと考えているようです。」
アル「そんな計画があるのか。」
小人「本当は、ケモミミたちを攫う計画の様です。中二病患者たちは仲間を助けるという名目でケモミミたちを攫ってハーレムを造る計画の様です。」
アル「ホント中二病は、ろくでもないな。流石に女性たちは守らなければならないな。小人その計画を詳しく調べろ。」
小人「了解しました。」ビシッと敬礼をしている。




