516話 異常な盛り上がり
シューは、ボロボロになっていた。
自分は、最強ではないがある程度戦えると思っていたし自身もあった。だが今、ボコボコにされて寝転がっているのが信じられなかった。
いや、戦っている間に気付いたが、力の差があり過ぎたのだ。
この練習城内には多くのバンパイアがいる。シューの試合を見ていたバンパイア達も、アル達との試合に参加して見事に皆がボコボコにされていた。
その事が始祖に伝令で伝えられると始祖は急ぎ練習場へと向かった。
始祖「シュー。」
シュー「師匠ー、負けちゃいましたー。」
始祖は、慌てふためき駆け付けたがシューがしらっと答えている事で伝令が間違って報告してきたことを確信した。
伝令はシューたちがボコボコにされてしまったと報告してきたのだ。
始祖「・・・・・・」
シューたちは、アル達に治療されていた。その為に衣服はボロボロになっているが誰一人血を流している者は居ない。
シュー「この人たち凄いんですよ。全然敵いませんでした。」
始祖は、アル達を見る。
始祖はなる程と納得してしまう程のオーラを感じていた。
始祖「強者だな。シューがボコボコになる筈だ。いい訓練になったようだな。」
アル「貴方が始祖ですか、初めまして俺は、アルフォード大陸中央から来た。宜しく。」
始祖「私は、トーレスト・グレン・ドラキュラだ。始祖と呼ばれている。」
アル「やりますか。」
始祖「やろう。」
アルと始祖は、ニヤリと笑いながら殴り合いを始めていた。だが殴り合いと言っても普通ではなかった。
素早い動きの為、皆は動きについていけなかった。二人は消えたり姿を表したりとこの練習場全体を使って戦っている。偶にカキンとかボコッとか音はするが二人の姿は見えていない。
「グェッ。」
練習場中央付近の空間で二人は姿を現していた。始祖は投げられて吹っ飛ばされて転がっている。
始祖はスッと立つと埃を払うと「イヤー強いねービックリだ。」
アル「まだ本気出していないだろう。俺もいい訓練になったよ。」
始祖「飲みに行かないか。」
アル「じゃぁみんなで行こうか。」
シュー「あれで本気じゃないのかよー、化物だな。」
アルと始祖は、楽しそうに話しながら町へと向かっていた。街中で大衆食堂へ入ると皆が好きな物を注文していく。
アルは持ち込んだ酒を始祖たちに配り、周りにいる客にも配っていく。
店主「勝手に持ち込まないでください。」
アル「あっ、ごめんごめん、そうだこれ店で使ってくれ。代金の変わりにしてくれよ。」
アルは、勝手に持ち込みしてしまった事で店主に大量の酒を渡した。(持ち込み代金として)
驚いた店主であったが、頭の中で素早く計算をしたのだろう、ニコニコしながら料理を出しますといって厨房へと戻っていった。
始祖は、苦笑いを浮かべながら酒をグイッと飲んでいた。
アルが酒を配っていると周り者達が集ってきていた。店の中だけでは収まらなかった。
アンネ「アル、これはお祭りしかないわね。」
アル「そうなるんだよなー、アハハハハ。」
そこへ、スッと小人が近づいてきた。
小人「アル様、御用のようですね。」
アル「流石、小人の行商だな。俺の酒と小人の酒を配ってやれよ。この祭りは代金は俺もちだ。」
小人「了解しましたぁ。」
アル「今日は全て俺のおごりだー。町の者達全ておごりだー好きに飲んで食えーーー。」
「「「「「うおおおおおおおおおおお」」」」」」」
アルの一言で町全体が盛り上がっていく。
だがまだよくわかっていない者たちがいる。飲食店のもの達であった。小人が素早く説明していく。
すると各飲食店のもの達からも歓声が上がっていた。
「「「「おーーーーーー」」」」
バンパイアは物が食べれない訳ではない。普通に酒も飲めるし肉野菜も食べる事が出来る。だがそれが全く栄養補給にならないだけである。バンパイアは血以外での栄養補給が出来ないだけであった。
その為に血を飲まなければ餓死する事になってしまうのだ。
アル「何だ普通に酒も飲めるんだな。」
始祖「酒が飲めなければ、悲しいだろう。」
アル「まぁそうだな。」
この日、バンパイアの町は異常な盛り上がりであった。今まで祭りのような催しは、一切なかった事もありこの催しは町の住人たちに良い刺激を与えた。
町人「スゲーうめー、ただ酒ってこんなに美味いのかー。」
町人2「馬鹿か、ただ酒が美味いんじゃなくて酒が美味いんだよ。」
町人3「そうだそうだ。楽しく飲む酒が美味いんだー。」
「「「おおおおおーーー」」」
至る所で笑い声と歓声が聞こえてくる。町全体が喜びの中にいた。
アンネ「お汁粉お替りー。」
アンネもお汁粉を肴に酒を飲んでいる。周りの一応護衛達は信じられない表情をしているが、誰も何も言えなかった。
この祭りは、町の外へも伝わり、気の利く小人たちが、町の外の者達にも食料と酒を配っていく。
門前広場(外)
小人「今日は、お祭りです。酒と肉、野菜、パンが全てタダとなっています。これはこの町を訪れているアルフォード様の全ておごりだからです。」
「「「「「「うおおおおおおおおおお」」」」」」」」
町の入り口にある広場で歓声が上がる。それは腹を空かせたもの達が大勢いたからだ。小人たちは、持ってきていた酒と食料を片っ端から出していく。代金が確実に回収できるこの祭りで出し惜しみなどする必要なが無かった。それに小さな子供などに好きなだけ食べさせることが出来るのだ。
本当は小人たちも酒は飲みたいが祭りが終わってからゆっくり飲む事にしている。
子供「おいしー。」
子供2「この汁、あまーーーい。」
子供3「おいしーーーー。」
子供4「お肉美味し。」
大人「うめー、こんな酒飲んだことないぞ。」
大人2「パンが柔らかい。美味しー。」
大人3「に肉だー、」
この日の町全体の肉消費量は3トンに達していた。異常な食欲が満腹感を感じさせなかったのだろう。人々は酒を飲み食べ続けていた。
それは街中、外でも皆同じであった。
夜になりかかがり火がたかれると又町人たちは刺激されいく。




