509話 その後の試合
本日の第2試合、族長と元最下層の狐人は試合開始の礼をしてから始まった。
だが双方ともに睨み合いを続けている。族長は警戒して動かない、相手も戦闘狂でない事でどう動いていいのか分からず族長からの攻撃を待っている。
ジリジリと時間が経っていくと観客から罵声が飛んでくる。
観客「族長ーー、攻めろー、何やってんだー。」
観客2「お見合いしてんじゃねー、殴り合えー。」
観客の方がヒートアップしていくが両者はまだにらみ合いを続けている。
元最下層の狐人はともかくとして、族長は前の試合を見ていた為にしり込みしている。何とか族長の威厳を保ったまま試合を終わらせようと必死に考え中であった。
その為に対戦相手の事を一瞬だが忘れてしまった。
元最下層の狐人は、野次の声で攻撃をしなければと思い。練習で何度も行ってきたサンダーボルトを族長に放った。
ピカ、ドン。という光と衝撃が族長の脳天から大地に貫通した。
族長はそのまま気絶してしまう。
立ったまま気絶したことで、まだ誰も気づいていない。
観客「お見合いしてんじゃねぞー、殴り合えー。」
観客「狐ー、殴れー、殴れー。」
観客がヒートアップしていく、そして殴れコールが観客全体から聞こえてくる。
「「「「「なぐれー、なぐれー、なぐれー、なぐれー、なぐれー」」」」」
元最下層は、観客の声で身体強化を使い体当たりをかます。
するとどうだろう、体当たりされた族長は、そのまま吹っ飛んでしまった。そしてその衝撃で意識が戻っていた。
族長は、最初の攻撃サンダーボルトで体が少し焦げ臭くっていた。自由に動かす事の出来ない右手右足を動かそうと(立とうと)していたが、立とうとしても転び、又立とうとしても転んでしまっている。観客も少しおかしい事に気付きいていく。
観客「族長ー何やってんだー、早くたてー。ギャグじゃねーぞー。」
観客2「族長ー、笑い取ってんじゃねーぞー。」
「「「「ギャハハハハ」」」」
審判「勝者、狐人。」
審判の宣言で観客は唖然としている。族長が負けた事が不思議なのだ。只の体当たり一発で族長が負けるなどありえなかったのである。
審判が、族長の手当てを指示していく。そして審判から説明が入る。
審判「族長は、最初の攻撃であるサンダーを脳天から受けたために右半身が効かなくなっていた。その為に立とうとしても転んでしまった。もう試合続行が不可能と判断した。」
審判の説明で、観客はシーーーンと静まり返っていた。
族長が運び出されると次ぎの試合が始まる。だが勝つことが保証されていると思っていた者達であり、ハッキリ言って初戦以外は大して力のある者たちではなかったのだ。
その為に皆尻込みをしてしまっている。
第3試合選手「嫌だーやりたくない。俺は嫌だー。」
審判「担いでいけー。」
もうそれからの試合は、悲惨なものとなってしまった。
逃げまどう選手を追いかける元最下層の狐人。観客も盛り上がる事もなく。野次と飛ばしているだけとなっていた。観客は最下層の者達がやられる姿を見に来ていたのである。
今日の試合は、80試合もあり、翌日も80試合を予定していた。だが40試合を終えたところで選手たちが逃げ出してしまっていた。
審判は元最下層の者達不戦勝を告げる。
この不戦勝に怒ったのは観客たちである。憂さ晴らしが出来ると思っていた所鬱憤が溜まってしまったからである。
選手が逃げ出したことで試合は終了したが、狐人たちの立場がこの時から変わっていく。
最下層としていびられ虐められていた者達が実は実力者であった事が分かると狐人たちの立場が逆転していく。
アル「いやー、本当にギャフンと言いながら3周するところを見る事が出来たな。」
小人「面白かったですねー。」
審判「アル様、あれは試合ではないです。」
アル「まぁそういうな。あれでも狐人たちはよくやった方だ。油断していたとはいえスキルを持った者たちに一応挑んだのだからな。」
審判「我らも鍛え直さなければいけません。」
アル「お前らはほどほどにしとけよ。」
この審判たちはアルの部下たちであり、皆が棄権したために余興で審判たちが試合を行っていた。
観客たちも審判たちの試合で何とか盛り上がり、暴動に発展する事は無かった。
翌日の試合も皆が逃げ出したことで、審判たちの試合と元最下層たちの技の披露を行った。
観客「スゲー魔法だ。」
観客2「スゲー、スゲー。」
族長宅
族長「儂は、病気だ。誰にも会わんぞー。」
重鎮「まぁそういうな。仮病だと分かっているんだ。」
族長「フン、お前も無様に負けたであろう。」
重鎮「ああ負けた。素顔では表も歩けない状態だ。」
族長「・・・・・」
族長を始め重鎮達、そして将軍なども急速に力を落としていた。何しろ最下層の者達に全員が負けてしまったのだ。信用信頼が無くなってしまった事が仕方が無いとしても村の運営まで影響が出てきていた。
族長たちは皆仮病を使い表にも出なければ仕事も休んでしまっていた。
特に問題なのが戦士や兵士たちだ。負けた戦士や兵士たちが恥ずかしい事と村衆たちからの罵声をさけている為に仕事を休んでしまっている為に治安が悪化してしまっている事であった。
その治安悪化に対処しているが、審判たちでありその補助は元最下層の者たちとなっている。元最下層の者達は事務仕事も得意であり、事務仕事が本職であった。
族長や重鎮達が休んでいる事で代わりに仕事を行っていく。そして元最下層の者達は、アルや小人たちの指導の元族長と重鎮の解任を決定してしまった。
族長たちは、人の噂も75日という様に80日間も職場放棄していた。そしてやっと役場に顔を出すが誰も挨拶もしてこない。
族長と重鎮達は激怒する。
族長「何故挨拶が無いのだ。儂がやっと病から復帰したのだぞ。」
重鎮「おいそこの下っ端、会議室に皆を集めろ。すぐに集めろいいな。」
下っ端は、物凄く困った表情をしている。元族長であり、元重鎮である者達である。下っ端として逆らう事が出来なかった。上司にこの事を告げると、上司は大きなため息を吐くと職員たちを一番大きな会議つに集めていく。
待ち構える族長たちであったが、皆の異変にまだ気づいていなかった。




