508話 試合
闘技場に集まった観客は、異常に興奮している。狐人最下層と狐人の武闘派たち?による決闘が開催されるからだ。
狐人にとってここ最近の騒動で鬱憤がかなり溜まっている。憂さ晴らしの催しと思っている者が多くいる。
観客「俺も参加したかったー。クソー、金があれば。」
観客2「まぁそういうな、闘技場で見られるだけでもありがたいさ。」
観客3「そうだぞ、闘技場に入れない者が外で騒いでいるんだぞ。」
そうこのイベントは狐人にとって一大イベントなっていた。闘技場には観客席があるが、狐人全体を収容できるほど広くはない。その為に会場内に入れる者達は、狐人の中でも裕福な者であった。
闘技場に入れない者達は、外で騒いでいる。少しでも雰囲気を味わおうとしている者や何とか中を見れないかと試みる者や広場内の酒目当ての者達も多い。
城外広場
小人「さぁー皆さん。今日は酒が格安で提供します。何とビールジョッキ1杯、1ギニーですよー。」
「「「「おーーーーーーーー」」」」
小人の伝えた。1ギニーととは、小人族の使っている通貨であった.物々交換が主流であるこの星でもさすがにもう物々交換では限界に達していた。そこでアル達に頼み込み通過を作成してもらっていたのである。
まだ自分達で通過を作成する事はできないがいずれは小人たちの手で作成したいと思っている。その為にギニーとという通貨は、この星で採掘できる素材を使い、技術的に可能なやり方での作成であった。
通常は、ビールジョッキ1杯=3ギニーはする。
1ギニーで直径20センチの丸パンが一つ買える。
狐人「おい、ビールを3杯だ。」
小人「まいどーありー、3ギニーですよ。」
狐人「ほれ3ギニーだ。」チャリン。
小人「お客さん、これ偽金ですよ。これでは売れませんね。」
狐人「何を言っているんだ。本物だろうーがー。」
狐人と小人が言い争っていると護衛であるゴーレムが間に入る。狐人もゴーレムには敵わないと思っているようで不貞腐れながらその場を後にしていく。そんな騒動も広場では賑わいに隠れてしまっている。
外の賑わいとは別に闘技場内は今異常事態となっていた。
族長「負けただと信じられん。最下層の者が何故勝つのだ。」
重鎮「・・・・」
狐人最強戦士と言われた者が負けた。狐人にとって信じられない出来事であり信じられない事実であった。
最強と言われた戦士は、対戦相手である最下層の狐人に対して余裕の笑顔で近づいていった。
緊張で顔が強張っている狐人に対して剣を抜く。
戦士「そう怖がるな、殺しはしないから安心していいぞ。ガハハハだがその代わりに両手両足ははへし折るがな。」
もう試合が始まっているのだが、戦士は余裕で相手に話しかけている。緊張しているように見えた狐人は、戦士の話など聞いていなかった。
ただ戸惑っていただけであり、試合自体初めてであったために試合開始しているのかもう攻撃をしていいのかと迷っていただけであった。
敵が剣を抜いたことでようやく理解したのであった。
そして元最下層の狐人は、アルから貰った体術と身体強化で戦士を簡単に倒してしまった。
倒すといってもただ転ばせただけであり、戦士も唖然としているが負傷してはいない。
戦士は、自分が転ばされた事で怒り、興奮していく。剣を振り回している。
狐人は、素早く動いて戦士の剣をかわしていく。
戦士「動くなー、」
怒りで相手に動くなーと怒鳴っているが、そんな命令を聞く奴はいない。今は試合中なのだ。
観客は、最初の試合とあってまずは余興なのかと思っていた。だが戦士はかなり有名であり暴力的な人柄であった事を観客が思い出す。
観客「マジか、戦士の剣が当たらない。」
観客2「これ余興だろー。」
観客3「・・・・・」
そして最強戦士と元最下層の試合は、あっけなく終わりを告げる。
狐人は両手をあげると頭上に大きな火の玉が現れる。「ファイヤーボールいけーーーーー。」
戦士に向ってバスケットボールほどの火の玉が向かっていく。戦士は向かってくる火の玉を真面に受けてしまった。戦死は火だるまとなり転げ回っている。すかさず審判が狐人に勝利宣言をすると戦士に水をかけていく。(審判は魔法で消化)
戦士は自分が負けた事が信じられなかった。
闘技場の観客も押し黙っている。まさか戦士が負けるとは誰も思っていなかったからだ。
狐人は勝利宣言されるとペコリと頭を下げ待っている。
審判も何も言わずに黙っていたが「負けた戦士よ早くしてくれ。」
戦士は何を言っているのかを理解できなかった。そうギャフンギャフンと言いながら狐人の周りを3周しなければならないのだ。
戦士はその事を思い出すと審判に対して抗議をする。
戦士「俺はまだ負けていないぞ。まだ戦える。」
騒ぎ出す戦士であったが試合での審判は絶対である。
3周する事を拒否しているのか負けた事を拒絶しているのかは分からないが、このままという訳には行かず、アルが出てくる。
アル「この試合の勝者は狐人だ。負けた戦士は速やかにギャフンと言いながら3周するように。」
アルの言葉は会場内に響き渡る。
そして屈辱に満ちた表情で小さな声でギャフンギャフン、ギャフンと言いながら3周していく。終わるとすぐに会場から出て行ってしまった。
アル「審判次の試合をしてくれ、大分時間を使ってしまったからな。」
審判は、次の試合の選手の名を呼ぶ。元最下層の者は直ぐに出てきたが、対戦相手が中々出てこない。
そう対戦相手は族長であった。族長は必ず勝てると確信していた。その為に3試合も自分が出る事にしていたのであった。その第一試合が本日の2戦目であり会場を沸かせようと自分の試合を入れたのであった。だが戦士の試合を見てしまった事で尻込みしてしまっていた。
族長「いてえええええ腹が急に痛くなった。今日は仕方ないが試合は取りやめだ。いててて。」
審判員「無理です。試合会場で負けてを認めればいいだけです。」
族長は、腹を痛がり蹲ってしまっている。引きずって試合会場へ連れて行く訳にも行かず、審判員は説得を行っていく。
だが時間の無い事で審判員たちが族長を担ぎ会場へと連れて行く。
族長の登場に観客は声援を送ったが、なんだか様子が違う事に気付いていく。
観客「族長は何で担がれているんだ。」
観客2「まさか試合拒否したんじゃないだろうな。」
観客3「・・・・」




