505話 死
ネッツ「ま、待ってくれ。俺は追い詰められていたんだ。狐人に殴られ蹴られ追い詰められていたんだ.キラの事は大事に思っていたんだ。あの時だけ少し頭が狂っていたんだ。謝るよ、許してくれよ、頼むよ。」
必死に謝るネッツであったが、ショウ(キラ)にとって薄っぺらな謝罪などで許すことは無い。
ショウ「お前を殺す。だがな普通には殺さない。餓死させる。」
ネッツ「まままま待ってくれ。それだけはやめてくれ。何でもする、これからはショウに従うから許してくれ。」
ネッツは、前世で培われた得意な謝罪で何とか切り抜けようと必死だ。だがショウにしてみれば見え透いた謝罪であり、何の効果も無かった。
ネッツは両手両足を縛られ身動きが取れなくなったが口は塞がれなかった。
必死に謝罪を繰り返すネッツだが、もう誰も聞いていない。人の気配がすると必死に謝罪しいるが気配が遠のく喋る事を辞めていた。
ネッツは、この地獄を抜け出す事だけを考えている。手足の縄を解いてくれるものがいないか必死で探している。
だがこの家には、ネッツを含めて3人しかいないのであった。唯一可能性のあるアリを何とか懐柔しようと無い頭をフル回転させている。
ショウとアリの食事はネッツを監禁している部屋で取られる。ネッツに見せつけるためである。
二人が黙って食事をしているとネッツが必死になって謝罪してくる。無視をしているがネッツは喋り倒してくる。
涙を流しながら過去を謝罪している。それは本当に謝り反省しているように見えてくる。
ショウは、ネッツを長く苦しめるために水だけは与えている。ネッツは平皿に灌がれた水を犬のようになめている。
もうネッツにはプライドも見栄も何もなかった。ただ生きたいそれだけになっていた。
アリは、ネッツとショウのやり取りを黙ってみている。何をする訳でもなくただ観察をしている。
そして等々ネッツの最後の時が来る。
もう喋る事も出来なくなったネッツはタダ見つめているだけであり、その眼差しも力が無かった。
ショウ「もうすぐ死ぬな、もし来世があらば、又お前を見つけて殺してやる。」
ネッツ「・・・・・・」
ネッツは、何を思ったのかは分からない。その夜ネッツは死んだ。
翌朝ショウは、ネッツが死んでいることを確認するとネッツを用意していた墓に埋葬していく。
アリ「終わったな。」
ショウ「あー。」
アリ「生きるつもりは無いのか。」
ショウ「・・・・・」
次の日、ショウは一人狐人の村へやってきたいた。そして狂ったように狐人たちを殺していく。準備していた武器を使い狐人を殺しまわる。だが一人対多数である事でショウは傷付き殺されてしまった。
狐人族は、たまにこういう事態が起きていた。霊人の狐人は狐人特有のランク支配によって恨みを買っていたからだ。
狐人「けっ、又か弱虫どもが湧いてきやがる。」
狐人2「今回は20人も殺されたな。何時頃死んだ奴だったんだろうな。」
狐人「そんなこと知るかー。俺達に虐められて殺されて、生き返っても恨んで又死んでいく。そんな奴らの事なんて知るかよー。」
狐人3「この死体さらしとくか。」
狐人2「霊人に見せつけないとな、他の狐に分からせないといけないからな。」
この騒ぎの中、狐人族の最下層で喘ぎ苦しんでいた者達の姿が消えた。
ショウが派手に暴れたために狐人たちはショウの元へと皆が集めっていた。そのすきにアリが狐人の最下層たちを連れ出していたのだ。
最下層の最下位に近い者達20人を助け出し。霊人族の村へと連れてきていた。
アリは、その者達に優しく語り掛ける。ショウというものが囮となり君たちを助け出した事、これからは虐められることなく生きていけるという事を優しく説明していく。
霊人の村のはずれに暮らす事となった狐人20人には笑顔はなかった。笑う事を忘れてしまっていた。
それでもアリは根気よく笑顔で20人の狐人たちに話しかけていく。
一週間もする頃、狐人たちはもう自分達をいじめる者がいない事にやっと気づく。ポツポツと喋る事も出来るようになっていく。
そこにアルが訪れた。狐人たちは緊張して体が膠着していく。
アル「あっ、すまん。驚かせるつもりは無かったんだ。アリに用事があったんだがいるか。」
アリは、にこやかな笑顔でアルを向かい入れる。
アリ「アルさん、突然ですね。」
アル「聞きたいことがあってな。」
アルは、水辺の者たちと狐人族の事をアリから話を聞いていく。ネッツの事、ショウの事もアリは隠すことなくアルに語っていく。
アル「そうか。」
アリ「俺が処分されるのは構わない。それだけの事をやったんだからな。だけど少し待っていてほしい狐人20人が立ち直る迄待ってほしい。その後は好きにしていいい。族長にそう伝えてくれ。」
アル「族長は、何もしないぞ。只見守るだけと言っているよ。」
アリ「そうなのか・・・・・」
アルは、この霊人族は何の為に蘇ってきているのかを真剣に考えていた。復讐の為、やり直すため、楽しく暮らすため、強くなるためと色々あるが、本人にしか答えは出ないだろう。
定期的に起こる復讐劇は、霊人族にとって悲しい事である。生まれ変わっても怨みが消化されることが無い事の証明であり、復讐の機会を得るという事でもある。
復讐に走る者が多くなることは仕方がない事と霊人たちは割り切っているようだ。
そん中で今回のアリの行動は、不可解であった。最下層の狐人20人を連れ出し、助けた事が理解できなかったのだ。
アリはアルに対して狐人の霊人が少しでも少なくなってほしいかと答えていた。
アル「この場所で暮らして行くのか。」
アリ「皆が笑えるようになれば一人一人居場所を見つけて生きていけるよにしていく。」
アル「そうか、小人族や俺たちの町に行けば暮らして行けると思うぞ、だけどそこでも色々とあるだろう。少し鍛えてからの方がいいだろう。」
アリ「それは無理だろうな、あの20人は戦闘能力がほとんどない。」
アル「狐人族にはそういう者がいるのか。」
アリ「一定数出てくるんだ。狐人にとって屈辱なんだろうな。だから最下層に落とされ虐められていく。」
アル「よし、俺がそいつらを強くしてやる。」
アリ「はぁ????」




