504話 過去
水辺の種族と言っても多種多様であり、好戦的な者、孤独に生きている者、友好的な者といるが、一番多いのは、好戦的な者たちである。水辺一帯に勢力を持ち水辺種族の頂点と言える者たちが鰐人族である。
大きな口が特徴であるが、その攻撃力は多種を圧倒している。
そんな鰐人族は、水辺の種族の防衛の要であり、今日も狐j人の嫌がらせ攻撃を撃退している。
鰐人「あいつら今日も来たな、何をやりたいんだか分からない。」
鰐人2「フン、我達がいる限り何も出来んさ。」
鰐人「ああそうだな。」
水辺の種族と狐人族は争っているが、霊人族の狐種も独自で動いている。霊人族の族長の息子である。
ネッツは、同じ霊人族狐種と共に行動をしている。
ネッツ「どうだ、狐人と水辺の者達は。」
霊狐「はい予定通りの動きです。」
霊狐2「これからどうするのですか。」
ネッツ「狐人は皆殺しだ。」
霊狐2「そ、そうですか。」
ネッツ「不満か。」
霊狐2「・・・・俺は元狐人ですからね。」
ネッツ「・・・・・・・」
霊狐「まぁまぁ少し落ち着きましょうよ、元は同じ狐人なんですから。」
ネッツ「・・・・」
霊狐2「・・・・」
ネッツは、仲間でる霊人狐種たちともあまりよい関係とは言えなかった。霊人族の族長の息子でるために着いてきている者も多く、個人的には好きになれない者がいる。それでも霊人族の者達は一人になる事を恐れる者が多く、嫌々でも仲間と一緒である事を望んでいる。
霊狐2「ネッツは、本当に狐人を滅ぼすつもりなのかな。」
霊狐3「さっきの話しか、多分だけど失敗するな。」
霊狐2「えっ。」
霊狐3「失敗すると言ったんだよ。」
霊狐2「失敗何で?」
霊狐3「いいか、ネッツの計画では狐人は水辺の種族へ攻撃して水辺の者達は大打撃を当たる予定だったが、実際は打撃は与えたがそれ程人は減ってもいないし、町全体は無傷に近いだろ。狐人も撤退したことでまだ勢力を保っているんだ。ネッツの計画はもう破綻しているんだ。」
霊狐2「あーそうなんだ。良かった。」
霊狐3「そうも言っていられないぞ。俺達に動けといって来るからな。これからが正念場だな。」
霊狐2「俺さー前はこき使われていて、それがもとで死んだんだ。霊人になって人並みに暮らしていたけどネッツにあってから元に戻っている様な感じしていているんだ。」
霊狐3「それなら元へ戻った方がいいな。言い伝えだが、2度目の霊人生で不満を抱いて死ぬと二度と生まれ変わる事が無いと言われているからな。」
霊狐2「それは噂だろう。死んでしまったら分からないじゃないか。」
霊狐3「言い伝えだ。その事を伝えるために生き返った者がいたようだぞ。」
霊狐2「・・・・・・俺、・・抜ける。」
一人の霊人狐種がネッツの元から去っていった。この者の過去は、本人しか知らないがかなり過酷な前世であったと予想されていた。元狐人であった事でも分かるが怯え方や喋り方でも狐人の最下層であった事が分かっている。狐人族は、他種族相手では集団としても動くが基本は個人で動く者が多い。それは狐人同士でも信用・信頼が無いからであった。
狐人は、同じ狐人でも騙し陥れる事に何の躊躇を感じない。騙される方が馬鹿であり、能力不足であると思っている。
その為に狐人の霊人は多い。
霊狐が去った事でネッツの仲間たち内で動揺が広がっていた。今までは何とか保っていた形であるが水辺の種族と狐人の争いが上手く行っていない事で綻びが出てきていた。
一人抜ければまた一人と広がっていく。
そしてネッツと霊狐と霊狐3(アリ)しか残らなかった。
ネッツ「どういう事だ。」
ジョウ「ネッツ、よく聞いてくれよ。人は利益が無ければ動かない。」
ネッツ「・・・・・」
ジョウ「今まで霊人族の狐人という仲間意識で集まっていたんだ。ネッツが雇っていた訳じゃないし、金を払っていた訳でないだろう。」
ネッツ「うっ、だけど同じ狐人だ。」
ジョウ「それだよそれ、同じ狐人だというだけで彼らを君が縛り付けていたんだよ。」
ネッツ「け、計画が・・・・・」
ジョウ「計画はもう破綻しているよ。狐人は滅びないよ。」
ネッツ「・・・・・何でいつもいつも邪魔するんだ。俺がなにしたっているんだ。誰も俺の事を分かっていないんだ。俺は、俺は・・・・・・」
ネッツは、一人喚き散らしていた。ジョウは、無表情であった。
アリ「ネッツは、どうだ。」
ジョウ「喚き散らして疲れたんだろう。ふて寝しているよ。」
アリ「そうか、でこれからどうするんだ。」
ジョウ「殺すよ。」
アリ「そうか。」
その夜、ふて寝するネッツの元へジョウが立っていた。ジョウはネッツに声をかける。
ジョウ「ネッツ、起きろ。」
ネッツ「うーーーん。ん?」
ジョウの眼差しにネッツは以前見た事があると思った。どこで見たのかを思い出そうと頭をフル回転させている。そして思い出した。前世で自分が殺した者であることを思い出してしまった。
ネッツ「キ、キラか。」
ジョウ「思い出したか、お前に殺されたキラだよ。」
ネッツ「う、嘘だ。信じないぞ。キラだなんて信じない。」
前世で、ネッツは最下層で虐められ、迫害されていた。それはネッツ一人ではなく数十人いた。その中で最下層の最下位に居た者がキラであった。
キラは、全ての者たちから虐められ迫害され毎日が地獄であり、死ぬために生きていた。
そして苛め抜かれて最後は、唯一の仲間であると信じていたネッツに殺されてしまったのだ。
ジョウ「あの日の事を覚えているか、俺がボロボロになって帰って来たよな。唯一の決め事だった食事の支度をお前はやっていなかった。俺はもう真面に動く事が出来なかったから食べさせてもらう事を待っていたんだよ。それをお前は・・・・・」
ネッツ「も、もう死んでいると思ったんだ。嘘じゃない本当に死んでいると思ったんだ・・・」
ジョウ「フン、又噓をつくのか。俺はあの時まだ生きていたんだ。お前の言葉もきちんと聞いていたんだよ。」
ネッツ「うっ・・」
ジョウ(キラ)は、重傷を負っていたが生きていた。気を失っていると思っていたネッツは、キラを罵っり蹴飛ばしキラに不満をぶつけていた。お前が死んだら俺が最下位じゃないか、どうするんだ。俺が一番虐められるだろうと自分の事だけを大事にしている言葉であり、キラは絶望に落とされていった。重傷で真面に動く事が出来ないキラは、其れから数日生きていた。死因は餓死であった。




