503話 狐人と水辺の種族
アルは、霊人族内の借りている屋敷にて小人からの報告を聞いていた。
熊人と虎人の事件では、笑い転げてしまった。
他の種族も似たようなもので、売り物の酒を出し渋っているなどこいつら約束(契約)を履行すす気持ちが無いのかと思ってしまう。
種族にとって縄張り内は、自分達が法律であり自分達が優先される者として認識しているようで、文句が有るのならば縄張り争いだと主張してくる。そして戦いとなり勝った方が主張が通るというものである。
これにはアルも苦笑いを浮かべている。アル自身も以前は似たようなもので勝てば官軍という事を少しだけ行っていたからだ。
アル「それでこれからは如何するんだ。」
小人「はい、幸い熊人の縄張りには鉄鉱山がありますので熊人と虎人はそこで鉄拾いのアルバイトをさせます。」
アル「酒代を稼がせるのか、いい事だな。」
小人「アル様、狐人族が少しおかしい動きをしています。先日狐人族の村で霊人の狐人がおりました。霊人の息子もいました。そこで他種族の者に呪いをかけてましたよ。」
アル「はぁ?呪い。そんなものがああるのか。」
小人「ありますよ。呪いは影星ではかなりポピュラーですよ。あっ、でも狐人がやっていた物はかなり珍しいというより新たに開発した物かもしれません。何しろ実験室でやっていましたから。」
アル「実験室、お前よくそんな場所に行けたな。」
小人は、笑いながら答えていく。
小人「へへへへ、実は行商をやっているとかなり親しくなれるんですよ。少しのおまけや愚痴を聞いてやればかなり打ち解けて貰えますよ。」
アルは小人の能力の高さに脱帽する。これが虐げられていた者達かと疑ってしまう。
アルは、狐人の実験の内容に興味が湧く。小人曰く、その実験は魅了のような物で術者に逆らえなくなるという。かけられていた者は、カエル人やビバー人など水辺を好む種族であったと伝える。
アルは小人に水辺の事を聞くと大きな川と湖があり、そこには多くの種族が暮らしているという。
水辺に集まる種族は縄張り意識もあるが、ある程度は共有する事を容認している。容認というよりはそうしなければ水辺では生きていけないからである。
水辺を好む種族の縄張りはかなり狭く共有しなければ生きていけないからである。
その為に水辺の種族は、争いもかなり変わっている。
戦いとなった場合は、その者達が正義をかけて決闘場という場所で決着を着けると言う物であった。
水辺周辺には各種族が暮らしている為に設けられた施設であった。
その施設(決闘場)では、決闘者の勝ち負けを賭け事にしている。
決闘を楽しむ事が出来る場所となっている。
アル「ほー、珍しいなそんな場所が有るのか行ってみるかな。」
小人「色々な種族がいますから、面白いかもしれませんね。あっそのカエル人とビバー人ですが、呪いをかけられてその水辺に戻されて行きました。」
アル「しかし霊人の族長は苦労しそうだな。あの息子で大丈夫かぁ。」
アルの心配は的中する。霊人族族長の息子は、狐人に対して異常な執着を持っている。普段は狐人の誇りと語っているが実は過去に同じ狐人から迫害を受けていたという。その迫害が元で愛する家族を失い恨みながら死んでいった。
その事は、まだ幼かった頃に親に語っていたという。
親である族長も色々なトラウマを抱えている。霊人族自体が未練の塊であるために問題とされていなかった。
そして事件が起こった。
狐人の縄張り内で行方不明者が多数出ていた。その犯人が水辺の種族であり水辺の町で狐人たちが売られていたという。
売られていた狐人たちは、記憶がなく従順な狐に成っていた。逆らう事もなく主人に対して従順であった。
狐人は、怒り水辺の町を攻撃して狐人を解放しようとした。だが水辺の種族も黙ってはいない。狐人を撃退しる為に共闘して戦った。
狐人は、大きな被害を出して撤退していった。守り抜いた町も無傷とはいかずかなりの被害を出していた。
そこに小人の行商たちが復興名目で入り込み情報を掴んでいく。
霊人の狐人たちは、無関係を装い水辺の町に入り込み何かをやっているようである。
アルは、種族同士の争いに下手に口を挟む事はできないとしていたが、小人の情報にあった呪いが関係しているのであれば霊人の族長に知らせる事にした。
霊人族長は、小人の話を黙って聴いていた。そして聞き終わると大きなため息を吐いていた。
族長「アル殿、実はその呪いと言う物は霊人にとって一つの技能なのです。我ら霊人は、前世では未練のある者が生まれ変わった者です。恨みや辛みは当り前、迫害や妨害など色々な悩みがある前世です。霊人となり前世とうまく折り合いをつけて生きている者、復讐をするものもいます。息子は、復讐を選んだと思います。狐人から迫害を受けていましたから狐人を滅ぼすつもりなのだと思います。我ら霊人族は、その復讐を止める事はできません。黙って見守るだけしかできないのです。」
アル「・・・・・・」
族長「霊人族にとっていいえその者にとってそれが必要なのです。前世の記憶を持って生まれたのです。何の問題も無ければすべてを忘れて生まれてくるはずです。我らは、霊人が復讐が終わり戻っていた時の居場所を作り出すだけなのです。」
アル「そうか。ならば俺は何も手出しはしない方がよいな。」
アルは霊人族の特殊性を見余っていた。霊人はタダ記憶持ちの生まれからりと思っていたのだが、霊人族にとっては違っていたようだ。
色々なトラウマを抱えての生まれ変わりであり、怨み辛みは当り前であり復讐を考える者も多いと再認識していく。
狐族にとっては、大迷惑であろう。だが元のトラブルが狐人なのだから種族として無関係ではいられないだろう。狐人と水辺の町の争いは、続いていく狐人が攻め込み町は防衛という形となっていた。
何故町は、狐人の縄張りに攻め込み滅ぼさないのかとアルは不思議に思っていると小人族答えていた。
狐の縄張りを攻めると防衛力が落ちる事と水辺の所属は内陸部へ入る事は無いと説明していた。
水辺の種族は内陸部へ入ると戦闘能力が落ちてしまう。その為に水辺から動く事が出来ないのであった。
水辺の種族はトラブルに巻き込まれただけと思われたが、水辺の種族は狐人を嫌っていた。
狐人は、水辺の種族を見下している。




