495話 霊人族
アルとアンネは双方から話を聞いたが、結論は保留となった。
それは、男たちが女を共有物とするなど普通ではないが、女も成り上がろうとしている為にかなりの無茶を行っていたからだ。何方も悪いと判断したからであった。
アル「女性の方も少しやり過ぎだな。男たちも考えが異常だがな。」
アンネ「そうね。同じ組織にいる事事態問題だわ。」
男「今更兄側に等つけない。」
男2「そうだ、族長に関してはそこの弟がなればいい。だが恋人は許せない。お、俺の・・」
男3「そうだそうだ。恋人はダメだ。」
女「何言っているのよ。私が誰を好きになろうと勝手だわ。」
弟「俺はユキの為に族長となり、ユキと一緒に種族を繁栄させていく。」
男4「なにをーーー、ユキユキって呼ぶなーーーー。呼んでいいのは俺だけだーー。」
男「何言っているんだー、名前を呼ぶ権利は貢物の多い順だぞー。」
男2「俺だーー。」
男3「俺も呼びたい。」
男4人は名前で勝手に揉めだしてしまった。アルとアンネは4人を無視して男女に話しかける。
アル「ところでお前たちは何の種族なんだ。」
ユキ「あっ、分からないですよね。私たちは、霊人族です。」
アル「霊人族?幽霊という事なのか。」
ジョン(弟)「違います。幽霊ではありません。あっでも間違いではないかな。実は俺たちは種族は一度死んでいるんです。」
アンネ「えっ?????」
アル「・・・・」
ジョン(弟)「いい方が違いました。生前の話なんです。俺は以前は狼人でした。戦いで死んだのですが、気づいたら霊人となっていました。気づいたのは5,6歳の頃なんですが、その前からうすうすは分かっていました。毎日狼人の夢を見ていましたから、あーーそうだったのかと思うぐらいでした。霊人族は、皆前世の記憶を持っています。その為に他種族との交流もあります。」
アル「前世の記憶を持っている割には、あの男たちは大人になっていないな。」
ジョン「アハハハ、そうですね。霊人族は、生前にかなりの未練を持った者たちばかりのようなんです。」
アルは、其れって霊人は問題児の集まりではないかと思ってしまった。
そう霊人族とは、この影星内で特に未練を持って死んだ者たちの生まれ変わり集団であった。特徴としては、体が半透明である事、だがこの半透明は霊人が戦いなどで本気になった場合だ。普段は普通である。
戦闘時に半透明状態となると敵の攻撃を素通りさせることが出来る。かなりの達人になれば一切の攻撃が素通りしていくのだという。
アンネ「その姿は生前の姿なの?」
ユキ「えーーッとそうです。思い出す前は、母親の種族に何ですが、完全ではありません。前世を思い出すと段々と変化していきます。思い出す前と後お姿が半々の者が多いですが、極端な人は前世の姿そのままになる人もたまにいるようです。」
ジョン「俺は、思い出す前は、母親の種族である猫人だったんだけど、思い出した後は狼人になっていったんだ。まぁ狼人から言わせると全く違う種族だって言われるけどね。アハハハハ。」
そう各種族は、霊人たちの前世で親や、兄弟、子供などが生きている例が多数存在する。思い出した後に霊人たちは、前世の家族と接触を試みる者が多くいたのである。その結果、霊人たちの前世が、本物であることが証明されていた。
アル「今の霊人の族長はやり手だな。生前を覚えている種族を纏めている事も凄いが、別種族だった者達を纏めているんだからな。」
ジョン「えーーっとそうでもないです。いつも霊人たちは揉めています。喧嘩は毎日どこかでというより振り向けば誰かが喧嘩しています。好む食べ物も性格も違い、霊人村は別名カオス村と呼ばれています。アハハハハハ。」
アンネ「行ってみたいわ。」
アル「えっ。」
護衛達「「「「えーーーーーっ。」」」」
アル達は、一応仲裁という事で霊人村に行く事になった。男達がユキに襲い掛かることは無いだろうが、監視する目的もあった。
アンネ「此処が霊人村なのねー、フフフ喧嘩しているわ。楽しそうね。」
アンネの言葉に霊人たちは、オッ話が分かるじゃんと思っている。霊人たちは、何処か自由人?のような性格をしている。種族も大事だが、自分大好き、自分優先の者が殆んどであり、その典型が次期族長の兄である。
次期族長候補の兄は、典型的な自愛主義であり、前世の種族である狐人だけを優遇している。その為に狐人以外の元種族はかなり反感を持っている。
アル「これでよくやっていけているな、ある意味凄いな。」
霊人村の中を歩いているアル達だが、大通りを歩いているだけでもう数件の喧嘩に出くわしている。霊人たちは見物する訳でもなく興味なしの態度も異常に見えていた。
ジョン「一応、治安維持の警備隊はいるんですけど種族間の喧嘩は合法ですので・・」
アル「あの喧嘩が合法なのか。」
ジョン「霊人は、滅多なことでは死にません。霊人が本気になると半透明となり戦闘能力が格段にあ上がります。敵の攻撃が効かなくなます。」
アル「戦闘能力が上がるというより、攻撃が効かなくなるという事か・・・」
ジョン「半透明になると攻撃は効かないですが同時に攻撃手段も限られます。物理攻撃が出来なくなります。殴る蹴るも素通りしてしまいます。アハハハハ。」
アル「マジか、それはきついな。物理攻撃が出来なければ困るな、それに魔法が得意でない種族(前世)もいるだろうからな。」
ジョン「まずは父である族長に紹介します。」
ジョンは、自分とユキを助けてもらった事で霊人の族長に引き合わせる事にした。ジョンは何の考えもなしに行っている。
ジョンは、ハッキリ言ってお気楽人であり、ユキ以外に興味が全くないのだ。族長を目指すというよりもユキを族長の妻にしたいという思いであった。
ジョン「此処が族長宅です。」
門番「坊ちゃん。客人ですか。」
ジョン「そうだ客人だ。父上はいるかい。」
門番「はいおります。」
ジョンは、アル達を屋敷を案内する。客室に通すと父に面会してくれるように頼むといって出て行ってしまった。
残されたアル達と男たちは、居心地が悪そうにしている。
豪華な部屋なのだが、落ち着いた雰囲気が無い。




