493話 虎人の山脈越え
大陸西地域
この大陸は、中央と東、西の3つに別れている。実際に別れている訳ではないが、中央から東西の両端に大きな山脈がある事で3つに分断されているのだ。
その為に各種族は、その地域からあまり出る事が無かった。
それが今回別の星からの移住者であるアル達が、別地域に探索にでる事となった。
この話題は中央の者達の話題に上り、その噂でかなり盛り上がりを見せていた。
中でも中央の東西に縄張りを持つ者達は、自分達も外に出て縄張りを広げていけるのではないかと連日、族長を中心に会議をしている種族もいた。
熊人族
族長「あの山脈を越えられるか。」
重鎮「少数であれば超える事はできるが、大軍は無理だな。」
虎人族
族長「我らが、山脈に一番精通しているが、山は越える事は無理だろう。」
重鎮「だが、我ら一族の誇りに掛けて少数でも出さなければなるまい。」
重鎮2「本当に山に入るのか、あそこは魔境だ。」
族長「入る。虎族の威信に掛けて入れるぞ。中央で一番の実力者である我らが西へ行かなければ、西を知らなければいかんのだ。よそ者に先を越されては示しが掴ん。」
像人族
族長「山脈に入る者達は、捨ておけ。」
重鎮「我らは行動しないという事か。」
族長「そうだ、無暗に山脈に入れば死ぬ事になる。あそこはそんな甘い場所ではない。」
重鎮「・・・そうだな。」
アルと小人族は大陸中央を緩やかにまとめているが、実際に支配している地域は大陸中央の海から中央部分だけである。だがこの地域は、各地に向かう為にかなり重要な地域であり、各種族は、アルと小人族と争う事を嫌った結果、争いの無い地域となったのであった。
アルと小人族を中心にかなりの経済活動が行われている。その効果は絶大で各種族の方針にかなりの影響が出ていた。
特に酒などの品は、どうしても手に入れたいものであり、戦いを一時中断してでも欲しいものとなっている。
巧みな話術で小人族は、各種族をコントロールしている。
これにはアルも脱帽してしまった。たかが酒一つで小人族は、争いを無くしてしまったのだ。
小人「アル様、出立前の挨拶に来ました。」
アル「よく来たな。中央の者達がかなり噂しているようだな。」
小人「アル様とカイン様の噂で持ちきりですよ。虎族などは、アル様とは別に調査隊を出すようです。」
アル「えっ、まさかだが、山脈を通って西へ行く気か。」
小人は、バツが悪そうに答える「そのようです。」
アルは、信じられない表情をしていた。アル達は、5000Mから10000Mもある山脈を越えて西へ行く事等、全く考えていなかった。アル達にはドラゴンがいるために空を飛んで西へと向かうつもりであった。
アル「馬鹿なのか、あんな高い山を徒歩で越えている事は死ねという事だぞ。」
小人「ワイバーンやドラゴンで空を飛んで山脈を越える事を思いも付かないのでしょう。」
アル「教えてやれよ。流石に可哀そうだろう。」
小人「教えても無理ですよ。特に虎人族のプライドは山脈より高いですから、小人族が伝えた事など相手にもされないです。」
アル「ハァー、死人が少なくなることを祈るだけだな。」
簡易地図 海
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/ 北(極寒) \_
| 山 |
| 山 山 |
| 山 山 ーーーー
| 西 山 中央 山 |
| 山 山 東 |
| 山 山 |
ーーーーーーーーー\ 山 |
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海
アル達の支配している地域は簡易地図の中央内南海岸内陸部へ向かって2割程度である。それでも豊な土地であるために中央全体に影響力を持った。
北の極寒地には山脈はないが、極寒地の為に人が殆んどいない状態である。誰も寒い場所に住もうとは思わないようだ。
そして極寒地を通り西や東へと向かう者もほとんどいない。
虎人族
族長「我が精鋭部隊たちよ、虎人族繁栄と栄光が待っている。西へと向かうことで虎人が栄光を掴むのだーーー。」
「「「「「おおおおおお」」」」」」
虎人族は、山脈を超えるルートで20人の猛者で山に入っていった。
季節は、夏という事と、山脈に中でも低い4000M級の山越えで西へのルート開拓を計画していた。
だがこの山脈は魔境とも言われている場所であり、山脈には山脈に住む種族が存在していた。それは大陸平地の各種族とは違っていた。
虎人隊長「順調だな。」
副隊長「かなりのペースです。このままいけば上まで半月で行けるでしょう。」
虎人隊長「これで次の族長は決まりだな。」ニヤリ
副隊長「そんな事は西へルート開拓が終わってからにしてください。何があるか分かりませんから。」
虎人隊長「フッ、硬いなもっと力を抜け。」
虎人たちは、かなりお気楽に山登りを行っていたが、2000Mを越えたあたりから様子が変わってきた。空気が薄くなってきた事もあるが、虎人に襲い掛かる種族が現れていた。
虎人隊長「あの種族を知っているか。」
副隊長「いいえ知りません。初めて見る種族です。」
虎人隊長「クッ、話も出来ない種族など信じられん。」
副隊長「何か対策を考えましょう。」
虎人たちは、山脈の種族から攻撃で前に進む事が出来なくなっていた.疲労と困憊からまともな思考が出来なくなっていた。その為に虎人隊長は、無理な攻撃をしてしまった。通常であれば守りを固めなければいけないところを無理攻めを行ない。20人中10人の死者を出してしまった。それでも精強な虎人たちであったから10人の死者で済んでいた。
副隊長「撤退しましょう。」
虎人隊長「・・・・・・」
副隊長「このっ迄は全員が死んでしまうますよ。撤退の判断は後に英断と評価されるでしょう。」
虎人隊長「そ、そうか。撤退する。」
この判断は、凄く後に評価されることなる。虎人隊長が存命であった時期では全く逆の評価であった。




