492話 これから
鹿人族長「儂は、責任を取って辞める。」
重鎮「儂らも責任を取ろう。」
重鎮2「そうだな、それがいいだろう。」
鹿人「何バカなことを言っているんだ。辞めて責任を取るだと、じゃぁ相手の5族に対して誰が責任を取るんだ。」
鹿人族長「儂が族長を止めるのだ。十分に責任を取る事になるだろう。」
鹿人「なるかー、5族に対しての責任は新族長がとる事になる。族長であれば殺されるから辞めるんだろうがぁぁぁ。」
鹿人族長「ち、違う。儂はこの戦争の責任を取って辞めるのだ。」
鹿人「フン、どうだかな。交渉もお前たちには任せる事はできない。当分軟禁だ。」
鹿人族長と重鎮達に呼ばれた鹿人新隊長は、このバカげた戦争を終わらすために新族長となる事を決意していた。
新族長は、5族に対して一時休戦を申し入れ受け入れられた。降伏を前提の休戦であり。鹿人たちはホッとしている。
話合いは、降伏の条件となっている。鹿人の縄張りはかなり広く、村を中心に各集落が点在している。
村を中心にして、西側には鹿人が勝手に独立した勢力があり、その勢力は今の鹿人族とはもう別族として扱う事が決まった。この事だけでも新族長はホッとした。今、同族の鹿人と争う事は5族たちが有利になるだけであり、いずれは又連携を取り鹿人族復活の糸口になると考えている。
新族長「鹿人の責任は、前族長と重鎮に取らせる。人為的損失は其れだけに死体。あとは物で支払いたい。」
大鼠族長「鹿人族長・・・前族長と重鎮はいらん。迷惑だ。」
新族長「・・・・・分かった。こちらで処分する。」
5族と鹿人たちの交渉は、終わった。
最終的に鹿人は中央と東の半分を縄張りとなった。元の縄張りの3分の1となり、近隣種族で最下位となっていしまった。独立した鹿人と合流すればまだそれなりの力を示せるが、攻められる口実を与える事は今の鹿人たちはしないだろう。
こうして鹿人と5族の戦争が終結したことで、大鼠族を中心に広大な縄張りが出来上がった。鹿人も一応参加する運びとなり、復興するめどが立っていたが捕虜問題の支払いが鹿人の足枷となってしまった。
鹿人も捕虜を見殺しなど出来るはずもなく、支払いを分割払いとして納得した。
ギルバートの町
アル「ようやく終わったな。」
騎士「はい、予想通りの結末でした。」
アル「これで中央は落ち着くだろう。あとは西へ行くか東に行くかだ。」
騎士「どちらにいきますか、西も東も大きな縄張りを持つ者達がいますが、西も東もこの力を重視しています。」
アル「そうなんだよな、カイン兄が東で俺が西に行くかな。」
騎士「二つに分かれるという事ですか・・・・・」
アル「いや、違う。この中央はそのままだ。小人の行商と俺たちが中心となりこのまま発展させていく。故郷からの移住者もこの地で暮らしてもらう。」
騎士「もしかしてですが、少数で行くのですか。」
アル「個人の力が重視されている地だ。少数が一番だろう。」
騎士「いや駄目でしょう。アル様とカイン様は強者ですが、それだけではありません。少数で行くなど無理です。ダメです。絶対だめです。」
アル「まぁ余り心配するな、連絡は取るし、重大な事があればすぐに返ってくるから心配しるな、少し旅に出ている程度に考えてくれ。アハハハハ。」
アルは、軽い感じで喋っているが、聞いている騎士は顔が真っ青になっている。それはそうだろう。
やっと上手くやれる算段がと取れたところでトップが居なくなるというのだ、真っ青ににもなるだろう。
アル「取りあえず半年旅に出る。」
アルは、同行する者達を選ぶことになった。最初はアルとアンネローゼと二人で旅立つつもりであったが、さすがに騎士や戦士たちから猛反対にあってしまった。アルは、護衛としてアルに二人、アンネローゼに二人の護衛をつける事で決まった。
アル達が西へ旅発つ前に盛大な祭りの計画が上がった。中央が平和となった事で祝う事になったのだ。
この祭り計画は小人族からの提案であった。事実上の支配者となっている小人族は、アル達を利用して経済的に結束を固めるつもりなのだ。
小人族が幾つかの戦争に勝ったといってもそれはアル達と協力していたからだと思っている者も多く。実際も間違ってはいないが、小人族の経済力を見せつけ、豊かな暮らしも見せつけ各種族も豊かな暮らしを目指す事で争いが無くなると小人族は考えている。
小人「祭りです。協力をお願いします。」
アル「勿論協力する。ところで小人族はこの大陸中にいるんだよな。」
小人「勿論です。大陸中に住んでいるのは小人族だけです。」
アル「俺が西へ行く事は知っているだろう。そこで旅に協力してくれ。」
小人「分かりました。出来る限りの協力をいたします。」ニコリ。
アルが旅立つ前に盛大な祭りが開催された。ギルバートの町、蜘蛛の巣都市、小人の拠点、大鼠の村、鼠の村など各地で開催されていた。一番盛大となった町はギルバートの町であったが、各地の祭りも盛大であった。特に鹿人の村は5族の全面支援で開催された。元捕虜や村の住人たちは、これまでに味わった事のない酒や食料が用意されていた。
この酒や食料は、小人族が用意したものでこれからはいつでも食べ飲む事が出来ると大喜びとなっていた。
だがこの祭りが開催される少し前に前族長と重鎮たちの処刑が行われた。
鹿人に存亡の危機を招いたとして処刑されてしまった。前族長とは思えない悲惨な物であった。
鹿人にとって処刑であっても尊厳を重視している。辱めや罵倒等といっと行為はなされずに剣で首を落として墓に入れることまで許可している。
そんな処刑場に泣き叫ぶ老人がいた。
新族長「族長、いい加減にしろ。」
前族長「な、何でもする、こ殺さないでくれ、しし死にたくない。」
新族長に縋りつく前族長であった。鹿人族の新族長は族長権限で前族長に処刑を言い渡した。ところが前族長は、族長を辞めた事で全ての責任を取ったと言い張り、処刑を拒否したのだ。これに鹿人たちの怒りが爆発した。
新族長は最初から前族長と重鎮達には責任を取ってもらうつもりであった為に何の問題も無かった。
新族長は、前族長に鹿人として恥ずかしくない最後と思っていたが、泣き叫ぶ前族長の醜態で鹿人の評判が又下落してしまった。
この処刑は各種族が見学に来たことで、大陸中の話題となってしまった。
大恥をかいた別の鹿人族は、今後かなり苦労していくだろう。




