490話 戦い?
翌日、というよりは宴会(喧嘩)が終わった直後である。
鹿人たちは皆、具合の悪そうな表情をしている。流石の鹿人の隊長たちも騒ぎ過ぎたと反省はしていなかった。
隊長「お前らー、気合だー、気合を入れろー。気合があれば何でもできる。」
隊長の激も今の鹿人たちは何の効果も無かった。
対するロバ人たちは、鹿人たちの様子をキチンと観察している。
鹿人たちは、ロバ人たちの陣取っている目の前で兵の編成を行っている。ロバ人たちから見ればどうぞ攻めてくださいと言っているような物であったが、ロバ人たちは攻める事をしなかった。それは今の鹿人の兵数が影響している。ロバ人の兵は8000であり、鹿人の今の戦力の20000には到底かなわないからだ。その為にロバ人から攻める事はできなかった。
鹿人たちがようやく陣形と整えると攻撃開始となった。
鹿人は、数の力で圧倒する構えの様で、全軍が前進していく。
ロバ人「.馬鹿鹿が来たぞ。作戦開始だ。」
ロバ人は、罠を仕掛けている。鹿人たちが力押し出来ることは予想できたためにロバ人と鹿人の間に罠が仕掛けられていた。その罠は、有刺鉄線であった。足元に無数に張り廻られた有刺鉄線は鹿人たちの高い目線に入ることは無かった。
鹿人特有の根拠のない自信が自分たちの足元を見ていなかった。
鹿人の一人が有刺鉄線に絡まると次々と鹿人たちが絡まり出し大混乱となっていった。そして足掻けば足掻くほど絡まり、身動きが取れなくなっていく。
鹿兵「何だこの鉄の糸は、と、取れないぞ。」
鹿兵2「止まってくれ、あっ。」兵は転んでしまった。その後続達も同じように絡まり転んでいく。
ロバ人隊長「弓を放てーーーー。」
鹿人たち先頭集団が有刺鉄線に絡まりもがいている所に矢の雨が降ってくる。
先頭集団の2000余りは何も出来ずに殺されていく。
鹿人隊長「軟弱共がー。」
鹿人の隊長は、鹿兵達が倒れていく姿に激怒していた。隊長は、自らが先頭に立ち勇士を見せようとしていた。自分が切り開かなければいけないと思ったようで、立派な角を持つ鹿に乗ってかけていた。
隊長「我に続けーーーーー。」
鹿兵がもがいている上を飛び越えて着地すると颯爽と駆けていく。
隊長の後にも部下たちが同じように続いていく。
隊長は、目前のロバ人を踏み潰す勢いで迫っていた。
隊長「おりゃーーーーーー。」
隊長の大声が途中で途切れていた。
鹿に乗った鹿人の丁度首の位置に何本もの糸が張られていた。大鹿に乗っていなければ、何のためにはったのかと疑問が出て来ただろう。
隊長の首がその糸によって切り落とされていた。
鹿人騎鹿隊は、止まる事も出来ずに次々と首が転がっていく。
騎鹿隊「と、止まれーーーー、止まるのだーーー。」
鹿人たちは、戻る事も進む事も出来ずに屋の雨にさらされていく。幾ら数的有利であっても身動きが取れなければただの的でしかない。
ロバ人たちは、効率よく鹿人たちを殺していく。
ロバ人「こりゃいいな、楽だ。」
総勢35000もの兵であった鹿人たちはだが、戦闘に参加した20000の内半数が戦死てしまった。
何とか一時撤退をしたが、鹿人たちの表情は真っ青であった。
鹿人重鎮「隊長も戦死してしまった。副隊長どうするのだ。」
副隊長「撤退を進言します。」
鹿人重鎮「何を馬鹿な事を言っているのだ。まだ25000もの兵力があるのだ。ロバ人は10000もいないだろうが。」
副隊長「ロバ人は約8000でしょうが、ここはロバ人の縄張り内でありロバ人が有利な状況です。罠にはまり手も足も角も出ないこの状態では勝ちが見えません。」
鹿人重鎮「いやいやダメだ、撤退はありえない。」
鹿人重鎮には思惑があり、何としてもロバ人たちを征服しなければならなかった。その為に多少無理攻めとなろうと引くつもりが無いのである。
副隊長「・・・・・」
鹿人重鎮「何とかしろ。このまま負けて帰れば・・・何方にしろ我らは終わりだ。」
副隊長は、終わりはお前だけだろうといいたかったが、飲み込んだ。
鹿人重鎮から作戦の全てを任された副隊長は、ロバ人に対して再度攻撃を開始した。副隊長は、無理攻めを行なう事無く遠距離攻撃のみを行っている。対するロバ人たちも遠距離攻撃のみとなっている。
膠着状態が続くと思われていたが、援軍としてやってきた蜂人部隊が鹿人たちの後方に姿を表した。
焦る鹿人たちは、大混乱となっていく。
副隊長の掌握している部隊は冷静であったが、それ以外の者達は、逃げ出す者が出てしまった。
副隊長「重鎮殿、何をしているんです。今は戦いの最中です。」
重鎮「おっ副隊長か、儂は援軍の要請に行く。」
副隊長「はっ?何を言っているのですか、貴方は重鎮ですよ。伝令ではないでしょう。」
重鎮「これはかなり重要な事だ。儂自らが出向く事で迅速な対応が出来るだろう。」
副隊長「ハァーーー、要は逃げ出すという事でしょうがぁぁ。ハッキリ言ったらどうですか。」
重鎮「ち、違うぞ。逃げ出すのではない。援軍の要請に行くのだ。」
副隊長「好きにすればいいでしょう。こちらも勝手にやりますので。」
副隊長は、もう疲れ切っていた。我儘な重鎮に不出来ないの隊長、勝手な同僚と色々ありすぎて頭がおかしくなっていた。
副隊長「鹿人の兵士たちよ。聞けーーーーー。私に従う者は集まれーーー。」
鹿人の兵たちは、大混乱の中で副隊長の声が聞こえていた。兵士たちに中で副隊長はかなり期待できる人物だった。多くの者たちが副隊長の元へと集まっていく。
副隊長は慕う者を纏めると混乱中の鹿人たちを囮として使い、横から戦場を擦り抜けていった。残されてしまった鹿人たちは、前面ロバ人と後方の蜂人、そして大鼠に包囲されて降伏していく。
バカな鹿人に降伏後に襲い掛かり殺された者も多くいた。その為に鹿人たちの扱いは良くないものとなってしまった。
ロバ人「この馬鹿鹿がー。」
35000の兵力の中で戦死者13000人、撤退に成功した兵は5000人、捕虜となった鹿人は約17000となっていた。捕虜後暴れて殺された者が1000以上いたが、誰も気にする者は居なかった。
色々とあり最終的には捕虜は15000となっていた。(一部解放されていた)




