485話 3者連合
大鼠族の周りには、鹿人族、蜂人族、ロバ人族、猿人族がいるが、蜂人、ロバ人、猿人の3族が連合を模索している。一番巨大な縄張りを持つ鹿人は、大鼠族に多少縄張りを奪われたが、連合を組む事を拒絶している。
それは鹿人のプライドの問題であった。鹿人族は、影星内でもかなり上位の種族に位置している。下位の大鼠族に対抗するために連合を組む事が屈辱と思っている為に拒絶している。このために鹿人族は、高みの見物としゃれこむ事になった。実際は意見がまとまらず静観である。
他の3族は、蜂人族、ロバ人族、猿人族であるが、蜂人はかなり好戦的な種族であるが個体が弱いために集団戦専門と言える。
ロバ人族は、温厚な性格をしているが、馬人に対してだけは対抗意識が激しく無謀な戦いを挑んでいく。
最後の猿人族は、数種類いる中の一つで猿人族の中でも小柄な猿人である。
この猿人たちは、あまり争いをすることは無いんだが、縄張り問題の解決の為に連合に参加している。
蜂人長「皆よく集まってくれた。」
ロバ人長「まぁ連合を組む事には問題ない。」
猿人長「うちも連合は賛成だが、今の大鼠族は強いぞ。これで勝てるのか。」
蜂人長「確実に勝てるとは言えないな。鹿人族が連合に参加しない事が決定したからな。」
猿人長「なっ、鹿人族は単独で戦うのか、あーーー、鹿人は誇り高い種族だからか、アハハハ馬鹿だな。」
ロバ人長「鹿人は、人口もそれなり、縄張りも広い、種族としての地位もそれなりに高い、大鼠に対して連合など組む事はプライドが許さないのだろうね。」
蜂人長「まぁ鹿人の事は置いといて、大鼠族にどう戦っていくかを話そう。」
蜂人、ロバ人、猿人の3者の話し合いは戦うという事は決定したのだが、それ以外が決まらなかった。
それは3者の思惑と利益が絡み合い決定できなかった。
蜂人は、みんなで攻めていこうと積極的であったが、ロバ人は、攻めてきたら3者で防衛を主張、猿人は蜂人とロバ人が攻勢に出て猿人は防衛担当主張している。
要は、ロバ人と猿人は無理な戦いをしたくないのだ。もし負けでもしたならば族長として次が無いために穏便に済ませたいのであった。3者の連合となれば大鼠族も簡単に攻め込む事が出来ないだろうとの思惑があり、現状維持が出来るとロバ人と猿人は思っている。現状維持であれば族長として評価が上がり安泰と思っているようであった。
蜂人長「お前らは、大鼠如きに負けて悔しくないのか。」
猿人長「悔しいぞ。だがな族長という重みが、種族の繁栄を考えれば、簡単には結論は出せない。」
ロバ人長「そうだな、どうだろうか蜂人族にロバ人と猿人で精鋭部隊を貸し出し、他の者達は蜂人族の支援に廻ろうではないか、防衛はロバ人と猿人で守りぬく。」
蜂人長「・・・・・・」
猿人長「精鋭部隊か、仕方ないな出すか。だが家の精鋭部隊はかなり優秀だが数は少ないぞ。」
ロバ人長「うちも優秀な部隊だ。だからこそ少数精鋭だ。」
蜂人長「き、貴様ら、戦いの後は、蜂人が一番多く縄張りを貰うぞ。」
ロバ人長「アハハハハ、働き次第だろう。うちの精鋭が加わば、勝利間違いなしだろう。」
猿人長「活躍によって戦後の割り振りは決める事にしよう。活躍前に決める事ではあるまい。」
蜂人長「くっ。」
大鼠人族
族長「3者は成立したか。」
隊長「蜂人、ロバ人、猿人の3者連合です。ですが蜂人族が大半を占めているようです。」
族長「そうか、ならばやりようはあるな。蜂人は集団戦専門の種族と言っていい。個人戦は無理だ。ならば罠を張るぞ。纏まって攻めてくることがわかっているのだから落とし穴と網で一網打尽とする。」
隊長「ロバ人と猿人は如何しますか。」
族長「まず間違いなく蜂人たちの戦いを見てから参戦するだろう。ほっておけ。」
隊長「心配ですが、従います。」
小人族
小人「大鼠族とロバ人、蜂人、猿人が戦うようだね。」
小人2「今回は大鼠人族が勝つと思うよ。あの族長は戦いだけは強いからね。」
小人「今まで負けていたことが不思議だよねー。」
小人2「あー、其れは前族長と前重鎮達がいけないんだよ。精鋭を自分たちの守りに好きなように引き抜いていたからね。兵が無ければ戦いに勝つ事なんて出来ないよ。」
小人「そうなるとこれからの大鼠族は強くなるのか、交易も考えないとね。」
各種族の思惑の中、大鼠族と3者連合の戦いが始まる。
横並びに対峙した大鼠族と3者連合は睨み合いと続けている。
蜂人長「なに大鼠族の族長はこの大事な戦いに参戦していないだとー、ふざけているのか。種族の存亡をかけた戦いに参戦しないなどありえないだろうがぁぁぁ。」
蜂人の長が一人騒いでいるが、他の者達は至って冷静であった。戦争の天才と言われている大鼠の族長が参戦していない事で3者連合の勝ちが見えてきたからだ。だが蜂人の長は納得できなかった。それは蜂人たちが種族存亡の危機として戦いに挑んだ戦場で相手(族長)がやる気なしでは話にならないからであった。もし勝つ事が出来たとしても蜂人族の評価は上がらないだろう。
蜂人長「クソー、大鼠人め目にもの見せてくれるわ、この戦いで勝利した後は、大鼠の縄張りを攻めるぞ。滅ぼしてくれるわーーー。」
大鼠の族長は、対峙する戦場にはいなかったが別の戦場にはいた。
その戦場とは、大鼠族と3者連合が対峙している為に手薄となっている蜂人族の縄張りを攻める戦いで指揮を取っていた。
小人族からの情報で蜂人族は限界まで兵を出している事が分かった。その為に縄張り内はかなり手薄となり応援で防衛を請け負っているロバ人と猿人が目立つほど蜂人は少なくなっていた。
大鼠族長「かなり少ないな。」
大鼠人「はい、3者連合に全てをかけているのでしょう。縄張り内は戦えない者しかいないようです。」
大鼠族長「んーーー、戦えない者を殺しても寝覚めが悪くなるな。よしロバ人と猿人を中心に殺していくぞ。」
大鼠人「皆殺しにしないのですか。」
大鼠族長「するかー、面倒だ。俺たちは縄張りを広げる、傘下にする事が目的なんだ。皆殺しにしたら傘下に出来ないだろう。」
大鼠人「おーーーそうでした。参加にするのでした。今まで大鼠族には傘下になった者がいなかったので分りませんでした。」
大鼠族長「まぁいい。予定通りに配置に付け。」
大鼠人「はっ。」




