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483話 次期族長

今、大鼠人の村はどよーーんと暗い影がさしている。


大鼠族の敗北が伝令によって伝えられたからだ。

勝利間違いなしと豪語していた事もあり、その衝撃は計り知れないものが有った。鼠人に迄負けた事で村全体が落ち込んでしまっている。



大鼠長「何をやっているのだーー、役立たずどもがぁぁぁぁ。」


一人怒り狂っている大鼠長だが、他の者達は少し冷静に慣れていた。



そこに降伏の条件を話し合うために大鼠長が戦場へ行く事になったのだが、負けた降伏文章などにサインする事を拒み幹部内で揉めている。


大鼠長「儂は行かんぞ。絶対に行かんからな。」

重鎮「長よ、現実をみろ、負けた事実を受け入れろ。」

重鎮2「そうだぞ、鼠人に負けたのだ。長は負けた事を認めなけらばならない。」

重鎮「長、長の名で降伏文章にサインしなければならないぞ。早く行ってこい。」


大鼠の長は周りの重鎮達から負けた負けたと何度の言われてしまっている。まるで大鼠の長が全ての責任を背負わされているようになっていた。

重鎮たちは、その意図があったのだが、今は長を追求する事よりも降伏文章へのサインを優先させている。それは今長が辞めてしまった場合、重鎮が代理でサインしなければならず、次の長の就任にかなりの影響が出ると思われていたからであった。


重鎮たちは、長が正式に降伏した後に新たな大鼠族の長を決めるつもりでいた。負け続けている族長では持たない事は大鼠人ならば皆分かっている事であった。族長のみが、まだそ事実に気付いていないだけであった。


鼠族と大鼠族との降伏条件は揉めに揉めていた。

鼠族は縄張りの半分を要求していたが、縄張りの半分が無くなればもう種族として保つことが出来ないために必死に抵抗していた。

だが縄張り争いとしての戦に負けた事で抵抗虚しく半分の領地が譲渡されることになった。だが鼠族もこのまま大鼠族が滅ぶことは望んでいないのだ。そこで鼠族は、今迄の戦でとられてしまった縄張りを取り戻す提案をする。

大鼠人たちは、最初は何を言っているのかを理解できなかったのだが、鼠人の作戦内容を聞いているうちに闘志に火がついたようであった。


だがここで一つ大きな問題が出てきていた。それは大鼠長の問題であった。周りの種族に無暗に戦いを挑みそのすべてに敗北してしまった大鼠の長では、ダメだという大鼠族の総意であったが、族長一人だけかたくなに長の辞任を固辞している。


鼠族としては素早く仕掛けて縄張りを取り戻したかったのだが、長の変更後に縄張りを取り戻す事をしたい大鼠人たちであった。このために大鼠人たちは自分たちの縄張りを取り戻す戦に小数の参加となってしまった。


大鼠人(重鎮)たちは、次の長になる為に縄張りの取戻しは二の次(就任後)としてロビー活動に専念してしまっていた。

周りの大鼠人たちはそんな重鎮達に冷ややかな目で見ていた。








アル「鼠族が大鼠族に勝ったか。凄いな。」

小人「見事な勝ちっぷりでした。その采配は見事でした。」

アル「大鼠族は、散らばってしまうか。」

小人「近いうちにそうなります。大鼠人は、鼠族に負けた事を受け入れる事はできないでしょう。勿論受け入れる者たちもいますが、半数以上、いいえもっと多くの者達は受け入れる事が出来ないと思います。」

アル「分かれるか、幾つに別れると予想できるか。」

小人「そうですね、受け入れる者達で一つ、鼠族と敵対するもので一つ、どちらにもつかない物で一つで3つに別れるでしょう。」

アル「3つか、どちらにもつかない者達は当然縄張りを出されるだろう。そうなると行き場に困るだろうな、蜘蛛の巣都市に引き入れる事はできそうだな。」

小人「そうですね出来ると思います。」

アル「よし、大鼠族に支援すか。」

小人「えっ、支援ですか。折角分裂すのに支援してしまったら分裂しないかもしれませんよ。」

アル「いや、分裂が加速するよ。」



アルの予想通り、大鼠族は分裂の危機に陥った。

種族長となる為に重鎮たちは必至でロビー活動を行っていた。そこにアル達の支援が各重鎮達に届いたのだ。活動はより激しく活発になっていった。

アルの支援は重鎮だけではなかった。鼠族と共闘する者達にも支援物資が送られている。食料と武器を中心に送られた事で縄張り取り戻しに大いに役立ち活躍していった。


そしてどちらにもつかない者達にも支援物資が届けられている。支援を届けている小人たちが、どちらかにつかなければ淘汰の対象になる噂を流している。まぁ何方つかずの者達もそうなるだろうと予想はしているのだが、小人族たちから言われていしまうとどちらかにつかなければという思いになっていく。


この第3の者達も又分裂していく。重鎮達に着く者と戦をしている者達、そして今の状態を維持する者達と別れていく。重鎮たちは自分への指示が欲しいために喜んで受け入れていく。戦場にいる者達は、今いない事でそのほとんどを取りこぼすことになっていた。


残りの者達は小人たちの勧めもあり、大鼠の縄張りから出る事を検討している。移住先は勿論蜘蛛の巣都市である。



縄張り取り戻しの戦は順調に進み、鼠人の名声は高くなっている。大鼠族も少しだけ回復していた。



そして等々、大鼠族の族長が辞任した。族長としては、縄張り取り戻した功績を盾に続けるつもりであったが、戦にでた者達が猛反発した。

族長は何もやっていない。種族としての指示も支援も一切なかったと激怒したのだ。



隊長「何もやっていない者が長だと笑わせるな。この無能がー。」



この一言が決め手となり族長は歴代最低最悪の族長として歴史に名を残すことになってしまった。


族長が辞めた事で次の族長の選出となるのだが、重鎮たちの足の引っ張り合いで中々決める事が出来なかった。決まらない族長に村人たちがイラつきだしていく。

治安が悪化していくが戦に出ていた者達が治安維持として活躍していく。

村(種族)の支持が隊長へと集まると、次は戦に強い者が族長となるという流れが出来ていた。負け続けていた大鼠たちにとって縄張りを取り戻した者達は光り輝く英雄に見えていた。


重鎮達もその勢いに対抗する事はできず。種族の意志てして隊長が族長となった。





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