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474話 おもてなし

蟻人にとって軍隊行動は、最も得意とするものである。

蟻将軍は、軍隊蟻が整然と進む姿に感動していた。この所軍事行動自体が激減している為に本当に久しぶりの遠征となっていた。


隊長「将軍、小人の拠点ですが、力技で行くのですか。」

将軍「気になるか。まぁそうだろうな。偵察隊の報告では、かなり守りを固めているようだ。敵は城と思わなければなるまい。」

隊長「投石機で破壊して突入ですか。」

将軍「そうなるだろうな。その前に降伏してくれるとありがたいんだがな。」




蟻人の軍は、6000を超えている。対する小人の拠点は、1万5000人もの人口となっているが、小人族自体は5000人に満たない。そして完全な戦闘員としての数は3000人がいい所である。プラス他種族の協力者たちが2000人程となっている。拠点としての戦力は5000人となっていた。



小人「やっと来たね。」

小人2「蟻人たち驚くだろうねー。」


拠点までやって来た蟻人たちはその巨大さに驚いている。小人の創り出した拠点と侮っていたからである。


蟻人「少し大きいな。」

蟻人2「思ったより大きいな。」


将軍「・・・・・・」

隊長「将軍如何いたしますか。」

将軍「投石機を前面に出すぞ、後方からでは届かんからな。」




蟻人たちは巨大な拠点の正門前に布陣している。当初は拠点全体を包囲する計画であったが、全く兵が足りないために正面に戦力を集中させることになった。


将軍「何たる不手際だ、拠点の大きさも把握していないとは許せん。」

隊長「将軍、上への批判はお控えください。誰が聴いているか分かりません。」

将軍「フン、聞かれて困る事は何もない。何が6000の兵であれば余裕だ。包囲すらできない数ではないか。」

隊長「伝令は出しました。拠点包囲の為に10000の兵を出すよう要請しました。」

将軍「当たり前だ。これでは後ろから逃げられるぞ。当分の間は攻撃はせんぞ。応援部隊の到着後攻撃とする。」


だがこの判断が蟻人たちを窮地に追いやっていく。

蟻人たちは、拠点の巨大さに圧倒されていたがすぐに慣れてしまった。すぐに攻撃とならない事が分かると皆、食事の事に感心が行ってしまったからであった。


何と拠点の者たちが蟻人に対して商売を行なってきたのである。


唖然とする蟻人たちを尻目に小人族以外の者たちが、蟻人の兵士たちに対して食料や酒を販売していった。


蟻人「本当に交換してくれるのか。」

熊人「問題ないぞ。」


蟻人2「酒もあるのか。」

狐人「あるわよ。ウフフ。」


蟻人3「美味そうだな。」

鳥人「これは美味いぞ。一番人気だからな。」


蟻人の兵士たちは、拠点内から齎される酒と美味い食事に魅了されていた。今までの蟻人の食事とは比較してはいけないと蟻人たちは思ってしまった。

これは何としても拠点を手に入れない蹴ればと蟻人個人個人の思いとなっていた。


将軍「ファファファ、小人は馬鹿なのか我ら蟻人の為に酒と食料を運び入れ、蟻人の結束を固めているではないか。」

隊長「将軍笑い過ぎです。小人にしてみれば必死なのでしょうフフフフ。」

将軍「お前も笑っているではないか、ファファファファ。」


蟻人の応援部隊が到着する10日間の間で、蟻人たちの武器が激減している事に気付く者は居たが、誰もその事に触れる事は無かった。

それは拠点から齎される酒と食事のためであった。

酒と食事はタダではない。最初は手持ちの物を交換していたが、兵たちには物を持っているような余裕はない。すぐに交換するものは無くなりひもじい思いをする羽目になっていた。そこで兵たちは支給されている武器などと交換していったのだ。すぐにばれないように拠点の者達が木の剣や木の槍と交換していった。勿論酒と食料付きであり、更に近隣の森内から獲物を捕らえて小人に渡すものまで出ていた。


蟻人「この猪を渡すから、酒を多くくれよ。」

熊人「おー猪か、いいぞ。酒と食料を渡すぞ。酒中樽と燻製だ。」

蟻人「こんなにいいのか。」

蟻人たちは、この光景を見ていた。そして皆が行動するまでにそう時間はかからなかった。見張り以外の者達が一定に森の中に消えていった。


こうして蟻人たちは必至で森内で狩りと採取を行っていた。初日から3日間で己の武器を渡し、4日から7日で森内で狩りを行なった。蟻人の軍は幸せに満ちていた。蟻の縄張り内では味わえない酒と食事がココでは毎日食べられている。もう拠点を蟻人のものにするしかないと皆が思っている。



そして8日から9日では、森の中の獲物も減り、蟻人たちはとうとう鎧と酒を交換していた。



そして10日経ち応援部隊が到着するとさらに過激になっていく。

到着した応援部隊は、皆が酒と食事を楽しんでいる姿を見てしまったのだ。自分達が必死で駆けつけてみれば戦闘どころか一人も死んでいない。皆が美味そうな肴で酒を楽しんでいるではないか。


そして応援部隊の者達も酒と肴に飛びついていた。



蟻人「俺達も酒が飲めるのか。」

熊人「おーーー、応援部隊の人たちか、何か交換する物は有るか。」

蟻人「・・・・・」

熊人「みんな剣と交換しているぞ。代わりはこの木の剣と木の槍、其れと酒だ。剣は酒2瓶だ。」


一人の蟻人が剣を差し出すと周りの蟻人たちも罪悪感が無くなったのか辻辻と剣と酒を交換していく。


応援部隊が到着した翌日、攻撃は無かった。


上の判断として旅の疲れから今日の総攻撃は無いとなった。2日後に総攻撃と発表であった。


そうなれば兵士たちは、ならば今は楽しもうとなり、更に蟻人たちの武器が減る事になっていた。


蟻人たちは、みんなが武器と交換しているから自分一人が武器なしでも影響しないだろうと自分勝手な言い訳をしながらおいしい酒をカッ喰らっていった。


そして総攻撃当日が訪れてしまった。

蟻人全てが二日酔い状態であったが、何とか整列だけはしている。


攻撃の合図とともに投石機へ攻撃命令が出る。

投石機から飛ばされていく岩は何故か少なく。拠点まで到達することなく途中で落下していた。


将軍「投石隊は、どうなっておるのだーーーー。」


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