473話 蟻人
蟻人「くくく、これだけ兵がいれば、あの忌々しい中人共を殺せるな。」
蟻人2「そう急ぐな、まだ兵が足りない。中人の拠点と小人の拠点と二つ潰さなければならないんだぞ。」
蟻人「フン、小人など我ら蟻人の敵ではない、現に小人の行商共は、我らにペコペコと頭を下げて酒を運んでいるではないか。」
蟻人3「あーーっ、全然分かっていないなお前は、あれは商売の為に頭を下げているんだ。俺達を恐れている訳じゃないんだ。」
蟻人「フン、同じことだ。小人は我ら蟻人に頭を下げているんだ。我らが上位である事は決まっている。」
蟻人の中での小人の地位はまだまだ低いものであった。そんな蟻人と小人の商売の中でトラブルが発生してしまった。
小人「今回の酒で終わりです。」
蟻人4「終わりとはどういう事だ。」
小人「ツケを払ってもらわなければもう酒は出すことが出来ません。」
蟻人4「何を言うかー、我らの為に酒を運ぶことは名誉な事だろうがー。」
トラブルは、蟻人がツケで酒を購入したことで話が大きくなっていた。通常であれば物々交換を行うのだが、蟻人の商品である蜜が足りなかったために一部ツケを認めてしまった。それから蟻人は足りない分をツケにしてしまっていた。溜まりに溜まったツケはもう支払い能力を超えていた。
取引において小人側は大損害を被り取引停止を告げたのであった。実際は小人たちの損害はないのだが、そこは商売であり駆け引きであった。
小人「うちは大損害です。蜜を出していただけなければ酒はこれで終わりです。」
蟻人4「ほーーーーーっ、いいのか小人なんぞ一ひねりで滅ぼせるぞ。」
小人「脅しですか、仕方ありません此処に宣言します。蟻人の村とは取引停止にします。」
大声で宣言する小人に驚く蟻人4、そして周りの蟻人たちも驚いている。
蟻人4「ききき貴様ー、何を言っているのだー。」
小人「取引停止を宣言しました。今後は酒も何も入ることは無いでしょう。では失礼します。」
その後、蟻人の村では酒が底をつき、争いが多くなっていった。そして取引停止を宣言された蟻人4は他の蟻人から攻められていた。何故蜜を出さなかった、何故小人を大事にしなかったのだと自分たちの事を棚に上げて一人の蟻人を攻めていた。
追い詰められた蟻人4は、酒を持ってこいというプレッシャーに耐えかねて小人の行商を襲ってしまった。そして見事に返り討ちに合い蟻人の評判が急降下していく。
蟻人「何だこの報告書は。」
蟻人2「知らないのか、村の者が小人を襲撃して撃退されたのだ。」
蟻人「信じられん。小人だぞ。」
蟻人2「小人は今や強者だ。蟻人一人撃退すことは可能だ。」
蟻人「小人が強者だと信じられん。」
蟻人2「小人は魔物使いとなったのだ。ワイバーン使いだ。」
蟻人「ワイバーンだと・・・・」
そう小人族はアルから提供された少し小型のワイバーンに守られている。最初は移動手段として使っていたのだが、ワイバーンは賢く小人になついていた。通常弱い者には従う事はないワイバーンであったが、愛情とご褒美(餌)にワイバーンが忠犬のように懐いていた。
小人「今日もご機嫌ですねー、いい子ですねー。体を拭きましょねー。」
キュッキュッキュッと綺麗な布で鱗を一枚一枚磨き上げていく。大きなワイバーン(小型)が気持ちよさそうにうっとりした目をしている。
小人族は、少し小型のワイバーンを手に入れてから躍進している。行動範囲も広がった事もあるがワイバーンの攻撃力と防衛力によって小人族が迫害されることが無くなっていた。
ワイバーンは、空を飛び口からは火球を放てる。そして各種族など強者であるワイバーンの前では爪楊枝でツンツンされる程度にしか感じられないのであった。
蟻人3「それで、これが損害額という事か」
蟻人2「我らに弁償しろという事なのか。」
蟻人「できるかー。」
蟻人2「何か手当てをしなければ小人との取引な出来なくなる。」
蟻人「いいではないか、小人の拠点を我らが手に入れるいい機会だ。」
蟻人2「仕方ないか、小人の拠点一つならば今の戦力でも可能だな。」
蟻人3「仕方ない。小人を潰す。」
蟻人は、小人の拠点へ進軍していく。小人たちもすぐにこの情報を掴み対策を立てていく。小人族は弱者であることを十分に理解しているその為に拠点の防衛にも力を入れていた。
蟻人たちは、相手が小人という事もあり、かなり余裕な表情をしている。何しろ小人の拠点には腐るほどの酒があり、食料が有ると思われているからだ。
小人陣営
小人「えーーーーっ、蟻人が攻めてくるー、どどどどどうしよう。」
小人2「落ち着いて、ハイ深呼吸。」
小人、スーーーーハーーーースーーーーハーーーー「少し落ち着いてきた。ありがとう。」
小人2「蟻人がこの拠点に来るのは明後日以降だよ、まだ時間はあるから大丈夫。これから防衛戦の配置するから守れるよ。大丈夫大丈夫大丈夫だよ。」
小人3「お前も落ち着け。」
小人2「アハハハハ、そうだね。」
小人ん拠点は高い塀に囲まれている。力のない小人は防壁の上から飛び道具で撃退する事になっている。
弓隊、投石隊、そして奥の手ワイバーンの火球攻撃である。
小人「大型クロスボウ隊で撃退できるかな。」
小人2「あれなら2,3人は貫けるから大丈夫でしょう。」
小人「投石機も100台以上あるし大丈夫だよ。」
小人「あっそうだ。これ新薬の痺れ薬なんだ。爪楊枝クロスボウに塗って痺れされるかな。」
小人2「爪楊枝クロスボウってあれだよね。無理じゃね。」
小人3「せめて普通のクロスボウでやろうよ。」
小人「そうだよね。てへ。」
小人族は蟻人たちが拠点に到達するまで色々と対策を行っていく。拠点内に住む多くの種族も協力していた。拠点内には多くの種族が移り住んでいる。拠点が無くなれば自分達も困るのだ。その為に防衛戦は勝ってもらわなければならないのであった。
中人「蟻人が此処を攻撃するのか大丈夫なのか。」
熊人「小人だけじゃ無理だよな。ここは俺様の出番だろう。」
中人「的になるのか。」
熊人「的になんかなるかー、死んじゃうだろうがー。」
狐人「熊は大きいからいい的になるよねー。」
中人「俺たちの町でもあるんだ、防衛に協力しないとな。」
狐人「店が無くなったら飯の食えなくなるしな勝とうぜ。」
熊人「任せろよ、俺様は今まで負けた事が無いんだ。」




