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468話 どうにもならない

狸人の村は今戦の事で大混乱となっている。

捕虜となってしまった狸人たちを解放するために家族たちが奔走しているのである。



東長の元にも大勢の村人たちが相談に訪れている。


村人「村長、頼む。貸してくれ。この通りだ(土下座)」

東長「金(物)が無いんだ。」


東長は、今日だけでも数百人の村人から捕虜解放のお願いをされている。実際問題として東村は、皆貧乏であり余裕など全くないのであった。お願いに来ている西村の村人の方が良い暮らしをしている。


東長「お前の所はまだ余裕があるだろう、親戚を使いかき集めれば何とかなると思うがな。」

村人「あいや、無いんだ。本当だ。頼む。」




捕虜解放の交渉は、全く進む事は無かった。

多くが捕虜となっている西村では、東の村長へと丸投げしようとしている。個別に交渉など出来ないと言い張っているのであった。

実際の話は、兎人たちは一人当たり、酒中樽と麦3袋で解放すると宣言していた。だが少し裕福な西村でも払えるものは一部の者達であった。その者達は早々と支払い解放されている。


東長「お前はどのくらいなら用意できるのだ。」

村人「えっ、どのくらい?」

東長「酒中樽と麦3袋のうちどのくらい用意できているんだと聞いているんだ。」

村人「・・・・」

東長「はぁー、助ける気が無いようだな。」

村人「いや、助ける気があるんだ、だからここに来ているんだ。」

東長「では用意出来る物を言え。」

村人「・・・・・・」

東長「か、え、れ。」



東長は個室で話をしているが、隣の部屋で他の村人たちがまだ待機している。その為に少し大きな声でしゃべっていた。誰が何を言ったのかが分かるように喋っている。

これで村人たちが、救う為に努力していない事を知らしめるためであった。


東長「真面な奴はいないのか、クソー。」

東村人「仕方ないですよ、今迄あの村長に従っていい思いをしてきた奴らですからね。」

東長「西の村長どもめって俺も元はあの一族だった。ハァーーーー。」

東村人「労働で払うしかないですね。」

東長「そうなるだろうな、西村蝶の資産を出しても西村人達が納得しないだろうしな。」

東村人「それもひどい話ですよね。西の資産だから出すなですからね。」


東の長はもの凄く困っていた。西と東に別れているが、一つの村であり、西の長の一族という事もあり、西の村長(戦死)と次期村長(捕虜)がいない事で今は村長として見られているのであった。



交渉場


兎「時間がかかっているな。」

東長「ああ、大変だ。」


結局東の長が交渉を行う事になってしまった。西の村人たちも渋々であるが各家庭から資産を出させているが全く足りていない状況であった。


東長「今はこれだけしか用意できない。」

兎「これでは、100人にも満たないぞ。」


だがこの事が又争いを生んでしまう。



西村で用意できた物は捕虜100人分しかなかった。100人は誰にするのかという問題が出てきてしまったのだ。

兎人が、少し気を利かせてしまった事で問題となっていた。兎人が適当に選び解放したならば狸人も仕方ないと思ってだろうが、兎人は100人なら誰にするかと聞いてしまったのだ。


東長は、指名できる事に感謝したが、西村に伝えると西村の者たちが言い争いを始めてしまった。

500人の内100人が戻ってくる。自分の家族を戻したいと考える事は普通であろう。




西の村人たちは、殴り合いの喧嘩を始めてしまった。


そして勝者が決まった。西村は3つに分裂してしまった。一つは解放される者たちの家族、2つ目は解放されない家族、3つ目はどちらでもない者達(無関心)であった。


そして解放されない者達は資産を出しているのだ。納得できるはずもなく。殴り合いの喧嘩では済まなくなってしまった。夜に各家に襲撃してしまった。

100人の家族と400人の家族では勝負にならず、況しては油断している所に襲撃であった。

血祭りにあげられた100の家族たちはボロボロにされていた。


怒った東の長は、捕虜解放の決定を覆すことなくそのまま実行に移していった。


解放された捕虜たちもボロボロな状態であり、疲れ切っていた。だがそんな状況でも西村に返ってこれた事を喜んだが、村の様子がおかしい事に気付く。


元捕虜「ど、どうしたんだ、みんな喜んでくれないのか。」


村人たちから白い目で見られてしまっていた。

元々はお前たちが戦争などしなければ何にも問題は無かったのだと村人たちから非難を受けていく。


解放された捕虜たちは、罵倒され罵られていたが、家族たちがボコボコにされた事実を知ると怒り狂い400人の家族たちと争いとなってしまった。戦士と言っても武器もない解放者たちは、400の家族たちに更にボコボコにされていく。


「たた、助けてくれー。」

「待ってくれー、殴らないでくれー。」

「助けてー。」


そこに兎たちが現れる。残りの捕虜の今後を離すために訪れたのであった。



兎「これは又、取込み中だったか。」



狸「きき、貴様のせいだー。」


一人の狸人の言葉で、村人達は兎人に襲い掛かる。

だが、真面な武器を持っていない狸人に勝ち目がある筈もなく。兎人たちに殺されていく。



狸たちの怒りも自分達が殺されてしまう事が分かると怒りはどこかに吹っ飛び皆逃げてしまっていた。


残されたのはボコボコにされてしまった解放された者たちだけとなり兎たちは戦闘の捕虜として再び連れて帰ってしまった。

その話を後日聞かされた東の村長は頭を抱えてしまった。


東長「あいつらはカバだ、アホだ、もう知らん。」



兎たちも捕虜をどうするのか、このままでは拙いと思っている。そこに悪魔のアークが現れる。


アーク「困っているな。いい案があるんだが聞くか。」

兎「聞こうか。」

アークのいい案とは、今の西村で解放迄(支払い迄)預かるというものであった。


兎「村全体で稼ぎ支払うと言事か。」

アーク「ああそうだ、兎人が入れば必ず揉めるだろう、だが俺なら問題ない人当たりがいいからな。へへへ。」

兎「・・・・・」

アーク「このまま、ずーっとここにいるのか。」

兎「・・・・仕方ない。狸が受け入れるか。」

アーク「その辺は俺がきっちりと交渉してくる。その間だけ待っていてくれ。儲かるようにするからな。」

兎「アーク、任せる。」

アーク「任された。へへへへ。」


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