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449話 大鼠人

小人族の流通支配によって大打撃を受けている種族がある。

アル達の拠点を基準とすると西に位置する大鼠人である。鼠人には2種あり大柄な大鼠人と小柄な鼠人があり、どちらも多産でありかなりの人口を擁している。


そんな大鼠人は、小人族の行商によって崩壊の危機となっていた。

小人の行商は、大鼠に対して酒と食料を運び入れ大鼠の人口を支えている。今までは、何とか生きていける程度の食料を確保して族長が村人たちに配給する形で地位を維持していたのだが、小人の行商が来たことで配給では地位の維持が危うくなってきていた。


小人たちは、大鼠人に対してタダで酒と食料を分けた訳ではなない。きちんとした取引を行っている。

大鼠人の縄張りには、岩塩があり細々と交易を行ない食料などと交換していた。縄張りの外にも幾つか岩塩の採掘場がある為にそれ程この地域では貴重とは言えなかった。


そこに目を付けた小人たちは、縄張りも広く人口が多い大鼠人に酒と食料で物々交換を提案した。

族長を通すことなく各個人での取引をしたことで大鼠人たちは自分たちの必要な分を取り小人の行商に渡すようになっていた。

小人の行商が忙しく各個人宅を回らなければならないが、其れも店を小人たちが共同で出したことで解決された。小人族の店ではあるが店番等全て大鼠人となっている。

小人族は迫害されていた事で小人が店番でもしていようものなら悪いやつらが押しかけ根こそぎ奪っていくだろう。

奪うやつらも悪い事とは思っていないのである。小人は採取される者として大鼠などから思われているのであった。

これは、中途半端な強者(種族で中の下)辺りの者達に多く見られる傾向である。

上に強者がゴロゴロいるために自分たち種族を強く大きく見せるためにより弱い種族を虐げる事で自己満足を満たしているのである。



そんな大鼠人に対して、下手に出ている小人族は強かなのだろう。



(店)交換所


店員「いらっしゃい。」

村人「これ(塩)持って来たぞ。」

店員「今測りますから・・・・4キロですね。酒にしますか食料にしますか?」

村人「勿論、さぁ、・・・いや食料にする。」


村人の後ろでギロリと睨みつける妻の姿があった。夫は、背中にヒシヒシと何かを感じたようで酒という言葉を発する事が出来なかった。店員はよく見る光景であり知らん顔をして食料を渡している。

だが夫が必死で店員に目で訴えている。店員も慣れたもので食料以外に少しだけ酒を分からないように渡している。

この行為が店を守っていた。

妻の目を気にしながら酒を手に入れる事が出来ると男(夫)達は取引を妻に任せずに自分たちで行っている。酒を手にするために岩塩をこまめに出し、少しづつではあるが確実に手に入れる事に成功していた。

(実際は妻たちは知っている。少量という事もあるが夫たちが必死で働くための活力源として黙認しているだけであった。小人たちは、妻(女)が家庭内の最高権力者であることを知っている。その妻(女)達を敵に回すことは絶対にしない。)


男(夫)達は仕事場である岩塩の採掘場で塩を舐めながら酒を飲んでいる。家で飲む事が敵わない男たちは仕事場が男たちの社交場であり酒の飲める場所であった。


男1「おいおい、聞いたか。今度隠れ飲み屋が出来るようだぞ。」

男2「何本当か、何処に出来るんだあまり目立つ場所だと行けないぞ。」

男1「大丈夫だよ、取引所の中に造るんだよ。」

男3「本当か、ならいつでも行けるな。」

男2「塩で払えるのか。」

男1「勿論だ。塩以外に俺達に払える物があるのかー」

男2「違いねー。ないな。」

「「「「アハハハハハ」」」」


男たちのやる気を出させるために酒を餌に働かせている。小人たちは岩塩が集まり、妻たちは確実に食料を確保できる、そして男たちは酒が飲める。3方得をする良い方法であった。だが族長たちだけは、納得していなかった。

族長は小人たちがまずは自分たちに話を持ってくることが筋であり蔑ろにしたと思っている。その為に族長と重鎮たちは、村人たちから接収という形で岩塩を取り上げていた。その為に村人たちから反発されている。

今迄も接収は行われていたが、以前の3倍となった為にかなり反発している。

毎日抗議の者が族長宅や重鎮宅に押しかけて抗議しているが全く話になっていない。

その為に、族長、重鎮達と村人たちにかなりの溝が生まれてしまっている。


族長たちもこれ以上の接収は不可能でる事を理解している為に村人たちの抗議を無視するだけで他に何もしていない。出来なかったという言うべきだろう。

そんな状況でも今日も交換所は大繁盛で隠れて男たちが酒を持って帰っていく。


族長と村人達が、反目していても村は回っている。以前よりも確実に活気があり、皆い嬉々としている。




そして村人たちは気づいてしまった。族長が居なくとも村は維持できる。




族長たちは村人たちが、見限っている事にまだ気づいていないために色々と画策している。どうって接収(税)を増やすかどうやって自分たちが楽に暮らせるかを考えていた。

族長は、今は接収(税)を増やすことはできないが、いずれは倍にしてやると思っている。

今できる対策として小人の代わりに交換所を作り自分たちで運営を行う事にしたのであった。


小人の交換所の斜め向かい側に店を出して始めていた。だが全く客が寄り付かなかった。それはそうだろう族長の交換所では食料のみの交換であったからだ。族長は知らなかったのだ食料だけではなく酒も交換している事を知らなかった。


族長の店は、重鎮や関係者のみの利用していたが、小人の店が斜め向かいであり色々と内情が解るようになってきた。

最初は、族長や重鎮達に雇われていた者達が酒の無力に負けて少量だけ交換していった。それが段々と取引が拡大していってしまった。もう最後は誰も族長の店で交換する者は居なくなってしまっていた。


そうなればもう族長の権威など無くなってしまう。

族長は名誉職のような物になり、村の決め事は各部落の代表者が会合によって決める事になっていしまった。族長も参加するが意見は参考とされてしまっていた。


そこでやっと族長は気づき必死で村人の為に政策を意見するようになった。


少しづつではあるが族長を見直す者が出てきていた。


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