448話 ある愚か者
超巨大亀の進む方向に大きな町がある。その町では連日男たちが怒鳴り合いのような大声で会議を行っていた。
族長「だれが臆病だとぉ、殺すぞー。」
重鎮1「いいから聞けー。」
重鎮2「対策は無いのか。」
重鎮3「俺に従えば勝てる、俺に従え。」
族長と重鎮たちは、己の意見しか言わず町を守る対策は何一つ決まっていない。
超巨大亀がこの街に到達する日が迫っている事で段々と白熱してくるのだが、全く決める事が出来ていない。
そんな状況でも超巨大亀は迫ってきている事で重鎮以下の者達は戦いの準備をしている。
戦士1「あの亀に攻撃するにはどうするんだ。」
戦士2「突っ込んで槍を突くしかないだろう。」
戦士3「亀の皮膚の厚さは槍の長さより厚いと聞いたがどうなんだろうな。」
戦士1「あの大きさだありえるだろうな。」
そして何も決まる事が無いまま超巨大亀が街から見える位置まで迫ってきていた。
戦士たちは、槍と剣を持ち超巨大亀に向って突撃していく、だがあまりにも大きい亀の為に攻撃する事も出来ないじじに愕然としてしまった。
超巨大亀は足から腹の位置までもゆうに20mはあり一番高い甲羅の天辺では50m超にもなっている。
一人の人間が槍を持って戦いに挑んでもどうかなる話ではないのである。
大きな町の戦士は超巨大亀の前まで行くが如何する事も出来ずに只茫然と眺めているだけとなっている。
亀は町に向って歩んでいるが、町に住む住人たちは多くの者たちが非難している。避難していない者達もいるが族長からの指示が一切ないために各自で行動している。
超巨大亀は10本の足を器用に動かし歩んでいる。真正面の大きな町は亀の真正面であった。そして奇跡が起こった。
亀の足10本は両サイドに5本でありど真ん中に足は無い。その為に真正面にある町は足に踏み潰される事無く超巨大亀に腹の下を眺める事になった。だがその恐怖は計り知れない。もし亀が休憩となり座ったら誰一人助かる者はいないだろう。ゆっくりと進む超巨大亀が偶に立ち止まり周りをキョロキョロとするたびに町の中の住人たちは恐怖で顔が引きつっている。そして町から避難した者達も何十キロも離れた場所に避難できるはずもなく。避難場所も超巨大亀の腹の下で怯えている。
そんな状況にも関わらず、族長と重鎮達数名が超巨大亀に挑んでいく。族長たちは町で一番高い建物の屋根に登り亀の腹を攻撃しようとしていた。街の住人たちは、もし亀が止まり座ってしまう事を恐れ族長たちを止めようと皆が集まっていく。だが族長たちは超巨大亀に勝ことを夢見ている。周りの事等何も見えていないようで亀の腹目掛けて力自慢たちが少し大きな石を投げていた。
街の住人たちは自分たちの眼を疑ってしまった。族長たちがまさか石を投げるなど想像もしなかった。それはそうだろう、誰が考えても何十キロもある超巨大亀に少し大きな石を投げ撃退しようなどと思いもしないだろう。それを真面目な顔で真剣にやっている族長と重鎮たちは滑稽でしかない。
住人「あの族長でいいのか。」
住人2「何も考えていないんだろうな。」
住人3「あの族長では、いずれ滅びるぞ。」
族長たちの亀への攻撃は亀が通り過ぎるまで続いていた。数人の重鎮が、自分の投げた石が真上であった為に石の直撃を受けて怪我(重症)をしてしまっていた。
超巨大亀が町を通り過ぎると族長と重鎮たちは大きな声で勝利宣言を行っている。誰もが冷めた目で族長たちを見ていた。
そんな住民たちの冷ややかな目を気にする事なく族長は俺達が守ったと意気揚々としている。
町に被害はなく。死亡者も一人も出なかった。けが人は転んだ者や石の直撃など数人であった。
族長「俺たちは、戦って勝ったのだ。さぁ祝おうこの勝利に」
重鎮達「「「「「おおーーーーーーー」」」」」
住人達 シラーーーーーーーーー。
そして族長は何をとち狂ったのか、復興費用として町の住人たちから物資を取り上げていったのだ。
町に全く被害はなく何を復興するのかと住人たちは激怒した。
族長は、自分が英雄となったと大きな勘違いをしていた。超巨大亀に挑み続けた族長は皆が勇気を敬っていると勘違いしていたのだ。周りから見る目も畏怖していると勘違いしていた。
そんな勘違いをしている為に皆が族長のために協力してくれると思っている。重鎮達も自分たちの勇士を銅像作成につぎ込もうとしていた。
住人「はぁ、族長と重鎮の銅像だと。カバ(バカ)なのか。」
住人2「馬鹿なんだろう。石を投げている姿を銅像にするのか町の恥にしかならない。」
住人3「そんな銅像なんかできたら恥ずかしくて町に住めないぞ。」
族長たちは銅像作成は石を投げている姿ではなく槍と剣で戦っている姿を作成しようとしていた。あの超巨大亀にどうやって剣と槍で戦った姿が出来るのかと住民たちは皆呆れてしまっている。
そんな計画に大事な物資を取られる等許すことが出来ない。住人たちは族長に対して反対の意見でまとまり、族長、重鎮一派とその他で戦う事になった。
族長たちは相手が人であることで俄然張り切り、己の強さをアピールできるとやる気満々となっている。
これで勝てば族長の立場は盤石と思っている。
対するその他の者達は皆真剣だ。あんな馬鹿な族長たちに町を任すことはできないと真剣に勝つ作戦を検討している。
戦士1「相手は仮にも族長と重鎮達だ。個人では勝つことは難しいだろう。そこで5人一組で戦う。こちらの方が圧倒的に人数が多い。」
戦士2「5人で戦うとしても大分余るだろうどうする。」
戦士3「それならば、族長たちの家を壊そう。それだけでも族長たちの気を引けるだろう。」
戦士4「族長たちは焦るだろうな。ヒヒヒッ。」
戦士5「町の住人たちも参加するだろうから重鎮宅も壊すか。」
戦士1「おっいいな、あんな馬鹿たちに大きな家は必要ないだろうしな。」
戦士3「だな。」
そして戦い当日を迎えた。
族長と重鎮達一派.は、戦場となる町の外へと向かった。そして相手を見て愕然とした。
自分たちは精々100人程であったが、相手は数千もの人人人であった。唖然とする族長たちは口をパクパクとして声にならない。
数千の中から一人の戦士が前に出る。
戦士「第1班から第30班までは前面の敵に当たれー、特別隊は族長と重鎮達を相手せよ。残りは族長宅と重鎮宅を接収せよー。」
「「「「「おおおおおおおおおおおおお」」」」」」
この言葉を聴いた族長たちは驚きを通り越していた。まさか家を接収など考えもしていなかった。
自分たちは戦わなければならない、この場から離れる事も出来ないである。黙って見送る事しかできない焦る族長と重鎮たちはそんな状況で真面に戦える訳もなく呆気なくボコボコにされていく。瀕死の重傷をとなってぼろ雑巾のようになっている。
その後この町は、合議制となり大発展していく。その陰には小人族がチラチラと見え隠れするが誰も気にする者はいなかった。
段々と豊かになっていく暮らしで皆が笑顔となっていく。その陰で落ちぶれていく者をいる。元族長と元重鎮達であった。住民たちにボコボコにされても町に住み続けている。体が痛いといい家族たちに働かせているようで家族たちから捨てられる時期もそう遠くないだろう。




