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446話 小人の行商たち

アル達の拠点と小人たちの拠点の交易ルートを中心に中央大陸南中央地域は急速に発展している。その発展で小人の行商たちが立寄らない場所は、取り残される形で格差が出てきている。


鹿人村


村長「なぜだぁぁぁぁぁぁ。」

村人「村長、落ち着いてください。」

村長「これが落ち着いていられるかぁぁぁぁ、何故だーーーー。」


そうこの鹿人村には、いまだ小人の行商が訪れていないために、周りの村との格差が明確に広がり、村が孤立状態となっている。

この村は、鹿人たちの村でありかなりの人口を擁している。もし小人の行商が訪れ交易を始めれれば確実に儲かるだろう。だが一人も小人の行商も訪れていなかった。


村長「小人に来るように言ったのだろうな。」

村人「もちろんです。」

村長「ではなぜ、小人が来ないのだ。他の村には頻繁に訪れ交易をしているのではないか、何故この村に1人も来ないのだぁぁぁぁ。」

村人「村長、小人が来ないのは仕方ないです。今までこの村は小人の出入りを禁止ていました。」

村長「うっ、だ、だが今は禁止していない。」



今や小人の行商の力は凄まじく、各村や集落は小人の行商が訪れる日を指折り数え待ち望んでいる。

小人の行商は、交易だけではなく村の名産品の開発の助言なども行っている。





ある村



村長「待っていたぞーーーー。」

小人「お待たせしました。3週間ぶりですね。」

村長「1週間に五回ぐらい来てくれ。」

小人「無理です。」

村長「まぁ検討してくれよ。それより酒はあるんだろうな。」

小人「へへありますよ。今回は特別な酒も持ってきました。あの幻の蒸留酒です。この蒸留酒は、かの有名な伝説とされているカイン公が隠し持っていたという者です。カイン公の奥方がコッソリと売りに出した物を私が落札しました。いやーーー苦労しましたよーー。」←(嘘です)

村長「そ、そんな貴重な物を、うっ、た、高いんだろうな。」

小人「いえいえ、これは日ごろお世話になっている村長のお、土、産、です。どうぞお受け取り下さい。」

村長「ななにぃぃぃ。お土産という事はタダという事なのか。うおおおおおおおお。」


小人の行商の手のひらの上でいいように踊ってしまっているこの村長は、騙されやすい性格であった。だがそんな性格の村長であるが、村人を思う気持ちは人一倍あり、自分の利益を2番目に落そうと考えているぐらいに村人の事を思っている。

そんな村長は小人の行商の助言によって村はかなり豊かになっている。

たとえば、行商に勧めで始めたジャガ芋栽培であるが、これが村人たちの飢えを無くしていた。今やジャガは大量に作り出され輸出できるほど取れている。小人の行商はジャガを買い取り酒に変えている事は村長は知らない。

ジャガで交易品と交換できることで、村人たちの生活はかなり豊かとなっている。それはそうだろう金=ジャガなのだ。畑で金を作っているようなもので皆目の色をけて働いている。


妻「このジャガで、新しい服と交換するんのよ。」

夫「お、おう、そ、そうだな。で、でもよー、服よりさ、酒じゃないかなぁ。」

妻「何か言ったかしら。」ギロリ

夫「いや、何も言っていない。さぁ働くかな。」


別の夫婦


夫「この鍬凄いぞ。土が土が・・・・」

妻「あなたの為に鍬と交換してきたのよ。」

夫「おーーーさすが村一の俺の妻だなー。」

妻「当たり前よー、あなたの奥さんは私だけなのよ。あなたの為にエールも交換したのよ。」

夫「おーーーー、妻よ。愛している。」

妻「私も愛しているわ。フフフ。」


この妻は、夫の為に鍬とエール二日分を交換したが、自分用に服を5着と子供用の服を2枚も交換していた。ちなみに夫は畑で汚れるだろうと思って交換していない。


村がいくら発展しようといつの時代でも夫は妻に虐げられている事実は変わらないのかもしれない。

(グスン悲しい現実)



この村は、内助の功を前面に出した妻が多く住んでいる。小人の行商も心得たもので奥様達のご機嫌取りに勤しんでいる。勿論男衆も持ち上げてる事も怠らないが、力関係を見て奥様達に偏ってしまう事は仕方のない事だろう。決定権者を落とさなければ物は売れないのから。


小人「お姉さん。これどうです。」


小人がお姉さんと声をかけると周りにいるおば様たちが一斉に振り向く。小人はグッと堪えて、笑顔で一人のおばさんにお姉さん、これどうですかと綺麗な櫛を見せる。すると「きゃーーー」と周りから複数の悲鳴が聞こえてくる。小人の持っている櫛はこの場にいるおば様たちの人数分であった。


お姉さん1「ハァー、いい買い物が出来たわ。」

お姉さん2「そうねー、あの櫛はいいわ。周りに自慢できるわ。」

お姉さん3「フフフ、当分自慢できるわーーー。」

お姉さん4「でもいいのかしら、夫のエールが2日分少なくなってしまったわ。」

お姉さん5「大丈夫よ、大丈夫。あの小人の行商が夫たちにサービスするって言っていたのよ。」

お姉さん6「そうね。任せ解けば問題ないわよ。フフフこの櫛、自慢だわ。」


その頃少し年を取ったお姉さんたちの夫たちは、別の小人の行商と話をしている。小人の行商は夫たちに、畑の鍬、そして新酒を披露している。この新酒を少しだけ飲ませて次に買ってもらう計画をしている。


夫1「う、美味い。」

夫2「さ、酒だー、美味い。」

夫3「酒が飲めるなんて(涙)」


夫3の妻は恐妻家であるために夫3は酒を飲む事も出来ず、ただ働くだけの毎日を送っている。周りの者達も夫婦は色々と口出すことはしない。この夫3の涙は本人しか分からない事であったが、小人の行商は、この夫3にだけ少し多く注いでいた。



小人「酒を交換するためにヘソクリを作りませんか。」

夫1「ヘソクリだぁ、そんなことしたら殺されるぞ。」

夫3「うんうん」

小人「大丈夫ですよ。ヘソクリと言っても偶々偶然に見つけるんですからね。」

夫2「偶然に見つける?」

小人「そうです。森の中で偶然見つけるんです。行商が訪れる日に森に入るんです。森で採れる物なら果物、木の実、何でも交換します。直接持ってきてもらえれば酒をこの場で飲めるようにしますよ。」


「「「「「おおおおおおおおおおおおお」」」」」」


この小人の呼びかけは各村の男たちの心を掴んでしまった。男たちは行商の訪れる日は、日も登らないうちから働きだす者が増えていった。その効果は凄まじい物があり村の生産力を1割も引き上げる事かを発揮していた。小人の行商に一つ仕事が生まれた。立ち飲み屋であった。





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