416話 戦い終わって
蜥蜴人とアルたちの戦いを白オークたちはきちんと見ていた。死兵となり戦った蜥蜴人の奮闘を白オークたちには衝撃的であった。
白オークと蜥蜴人の実力はそんなに変わらない。1対1であれば経験の多い方が勝つというものであった。
だが今回の戦闘で白オークたちは、自分達より強いと認識するほどであった。
この蜥蜴人たちの戦いは、分裂した蜥蜴人たちの今後を大いに助ける事になっていく。
まだ決着のついていないこの戦いだが、蜥蜴人との戦いはアル達の勝利に終わった。だが蜥蜴人たちの奮闘は、語り継がれていく事になる。
後日談となるが、分裂した蜥蜴人たちを侮る者が一切なくなった。数を減らした蜥蜴人たちであったが、死兵となる蜥蜴人たちに皆が畏怖し、蜥蜴人の縄張りへと入り込む者が居なくなったのだ。
あの壮絶な戦いは、拠点の者たちや白オークが見ていた。その事を多くの者達が知る事となり蜥蜴人は強敵だと皆が認識してしまったのであった。
蜥蜴人たち生き残りたちはこの死兵たち(伝説)のおかげで大いに栄えていく事になる。
そしてアル達の戦いはまだ終わってはいない。白オークとの戦闘がまだ残っている。
白オークは、ハイオークたちを殺し元の状態へと戻っていた。以前と違う事は白オークが少しだけ頭が良くなったという事ぐらいであった。
この少し頭が良くなったことが白オークたちにとってかなり重要な事となっていく。
今迄のように突撃、突撃、突撃ではなく。回り込む、2次攻撃、罠を造るなどの白オークたちが自分で考えだしていく事になるのだ。
アル達にとって白オークが数だけの者から戦う相手と変わっていく。
騎士「アル様、白オーク共が攻勢に出ました。」
アル「そうか、上に行く。」
アルは防壁の上へと向かう。白オークがどのような戦術を使って来るのか興味が湧いていたからだ。
白オークは今までの突撃ではなく。橋を何本も作りだし同時に攻め込もうとしていた。
アル達は、その防衛に為に防壁の上から小人たちがボウガンで射殺していく。
アル「距離がまだあるから殺せていないな。」
騎士「はい、まだ離れすぎていますが、近場まで来ると数が多くなり橋を渡ってしまいます。」
アル「小人族の数を増やすのは無理だな。あーそうだ、取り敢えずは橋を焼かせろ。橋が無ければ白オークはどうにも出来まい。」
騎士「はッ了解しました。」
白オークとの戦いは、拠点の防衛力が優れている為に白オークたちは攻めあぐねている。白オークたちも今までの戦いより頭を使い善戦しているが、相手が悪かった。
そんな戦闘も数日過ぎたが白オークたちは、拠点攻撃を諦め撤退していく。
アル「フーーーっ、やっと終わったな。」
騎士「20日も戦いましたからかなりの被害が出てしまいました。復旧に時間がかかります。」
アル「仕方あるまい。だが今回の戦いは小人族にとって良い経験になっただろうな。自分たちも戦えることが解り、勝てる事が分かったからな。」
騎士「左様ですな。小人族にとって初勝利なのでしょう。あの喜びようは少し引きます。」
アル「アハハハハ、そうだな。」
小人族たちは拠点防衛が勝利となると喜び、戦闘以上に興奮してしまっていた。服を脱ぎ棄て裸踊りをする者、大声で走り回り両腕を上げながら叫んでいる者、酒をみんなに配り、何度も勝利にと乾杯している者と色々であるが、皆が微笑ましく見ている。小人族がこんなに喜び感情をあらわに表すことを初めて知ったのだ。
小人族にとって今回の戦いは単独の戦闘ではなかったが、自分たちが勝利に貢献したことが解る一戦であった。後方支援ではなく前線で戦い勝利したことが小人族にとって種族としての価値を高めていた。
小人1「俺は30人は射抜いているな。」
小人2「俺は50人はやっているかな。」
小人3「嘘つけ、50人もやれるか。」
小人2「やれるぞ、油壷を使ってもっとやっているかもしれない。」
小人1「本当に戦いのやり方次第で俺達でも戦えることが解ったんだ。これからももっとやれるぞ。」
「「「「「「おーーーー」」」」」」」
そしてアル達は小人族と他所属達とで宴会に移っていく。
宴会は、褐色のオークたちが仕切り、物凄く豪華な宴会となっていた。
拠点全体が宴会に参加している事で誰も見張りをしていなかった。まぁこれはアルが許可を出したこともあるが、皆が勝利に喜んでいる事で全員参加としていた。では守り、見張りは如何しているのか、ワイバーンが上空警戒をしていた。ワイバーンたちは交代で行っている。誰も載っていないワイバーンが上空警戒が出来るのかと思うがドラゴンたちが指示を出していた。
普通に見張るよりかなり強力な布陣となっている。その為にアル達は宴を楽しむ事が出来ているのであった。
小人1「のーもーおー、酒だーーーー。」
戦士「あの小人、そう直ぐ潰れるぞ。医務室の用意しとけよ。」
戦士2「アハハハ、よほどうれしいんだろう小人族の介抱係になりそうだな。」
戦士「まぁそれも良しとするか。俺たちも初勝利の時よりは大人しいからな。」
戦士2「間違いないな。あの時は酷かった。」
褐色1「さぁ、もう一杯如何。」
小人2「ありがとう。でも俺達からは何も取れないぞ、金はないし物も無いからな。」
褐色1「フフフ、あるのよこの戦いでの褒賞がね。」(ウインクしている)
小人1「目にゴミでも入ったのか、んー褒賞ね。興味ないね。」
褐色1「なら、私たちその褒賞を被けない投資しない。」
小人1「投資なら考えるが、色街の事では投資しない。」
褐色1「フフフ、任せて色事の話ではないわよ。
この二人は段々と小声となり二人で話し込んでいく。本当に数年後になるがこの二人は後に夫婦となる。褐色のオークと小人が夫婦となる。これは影星始まって以来初めての事であった。
この二人の結婚式には多くの種属が祝福に訪れる。
その時二人は商売人として大富豪になっていた。
そんな宴も裏方が居なければ楽しく飲む事はできない。この宴会での裏方は褐色のオークと白兎たちであった。接客から酒と食べ物のは以前から片付けと大忙しとなっている。その手伝いにハーフたちも楽しみながらお手伝いをしている。
食べ物をつまみながら酒などを各所へと届けている。
ハーフ「エールと蒸留酒お待ち同様ー。」
騎士「おーーー、来た来た来たな。これば美味いんだよなー。」
ハーフ「見たいですね。まだよくわかりませんけど。」
騎士「当たり前だ。この蒸留酒の味が解るには後20年は必要だぞ。ガハハハハ。」
騎士はハーフの頭をぐりぐりと撫でているが、ハーフには頭を振られている様な感覚であった。だが決して暴力でない事を知っている。少しだけガサツなだけで愛情が込められている事を知っている。
ハーフは、軽く文句を言いながら笑っていた。




