414話 激闘
白オークが拠点攻撃を一時中断している頃、蜥蜴人たちも少し後退していた。
蜥蜴人たちは、アル達と徹底抗戦を誓っているが、同じ蜥蜴人でもアル達にすり寄っている者達もいる。蜥蜴人は種族が生き残る為に別れてしまっているのだ。
その為に以前のような強力な力はなく、白オークなどと協力をしながらアル達に対抗しようとしている。
だが頼りにする白オークは蜥蜴人から見てもかなり、頭間が弱く頼りないと思っている現状であぅた。
蜥蜴1「どうする。白豚どもと共闘していくか。」
蜥蜴2「今は共闘するが、他の道を探すか。」
蜥蜴3「俺たちは、あの拠点の奴らを敵としている。だがこのままでは勝つどころかじり貧になるぞ。」
蜥蜴1「我ら種族は二つに分かれている、いや3つか、その為に拠点の奴らとは相容れることは無い。」
蜥蜴2「悔しいが拠点の者達は強い。我が種全体でも勝つことが出来なかった相手だ。それを数の減った我らだけで勝てるのか。」
蜥蜴3「勝てない。もう分かっているだろう。我が種が、別れた理由も我らが此処で戦っている理由も我らは誇り(意地)の為に戦うのだ。不利だからと言って引くわけにはいかない。」
蜥蜴1「そうだったな。ならば正々堂々と滅びよう。だが我が種族が滅ぶことは無い。」
「「「おーーーーっ」」」
蜥蜴人たちは、生き残っている全勢力で最後の戦闘を準備していく。今の蜥蜴人の戦える勢力は3000程であった。
蜥蜴1「行くぞ」
「「「「「「おーーーー」」」」」」」
拠点に向って進軍する蜥蜴人たちは、何故か晴れやかな表情をしている。
騎士「アル様、蜥蜴が動き出しました。」
アル「白オークは動いてないのか。」
騎士「はい蜥蜴人だけですが、3000ほどの蜥蜴人が横陣で進んでいます。」
アルは蜥蜴人たちの進軍する姿を確認するとカインを呼び尋ねる。
アル「カイン兄、どう見る。」
カイン「雰囲気が違うな。こりゃ強敵になったな。」
アル「一人100人で30人で行きましょう。残りは白オークに備えて残しましょう。」
カイン「防衛戦でなくていいのか。」
アル「蜥蜴人たちも覚悟を決めて挑んできているんです。野戦で受けてやらなければ失礼でしょう。」
カイン「そうだな。じゃぁ行くか。」
アル「えっ、カイン兄は待機ですよ。カイン兄が行ったら勝負にならないでしょう。」
カイン「お前、じゃぁ何で俺を呼ぶんだよ。俺は行くぞ、アルが残れよ。」
カインはさっさと砦の外へと出て行ってしまった。アルは冗談のつもりで言ったのだが、通じななったようだ。
騎士「あの状況で冗談は普通通じませんよ。」
アル「そうか、まぁいいや。いくぞ。」
アルを先頭として28人の騎士と戦士が拠点の外へ飛び降りていく。
カイン「へへへ、来たかアル、あいつら死兵になってるぞ。」
アル「いい雰囲気ですね。こりゃ気を引き締めて行かないと拙いですね。」
カインとアルの会話を聞ていている騎士と戦士も蜥蜴人たちの雰囲気が今迄とは全く違う事に気付いている。蜥蜴人たちは決して弱くはない。個人でも強者の部類に入るだろう。そして集団でも白オークなどの数に勝る種族に対しても決して引くことは無かった。アル達を敵としたことが蜥蜴人たちの最大の過ちであったのだろう。
蜥蜴1「聞けーーー、中人共(アル達)、我らは今から死兵となる。誇り高き蜥蜴人よ、名を残せーー、」
「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおお」」」」」」」
カイン「アル、もしかして中人って俺たちの事か。」
アル「見たいですね。初めて聞きましたけど、もしかしてあの変態たちと同種と思われているんですね。」
カイン「・・・・・・」
蜥蜴人の事がを聞いたアル達30人は少なからず皆ショックを受けていた。
そして・・・
アル達も蜥蜴人たちの最後の戦いを真正面から受け止める。
蜥蜴人「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおお」」」」」」」
その戦いは、今迄の蜥蜴人の戦いではなかった。アル達と仕留めるために蜥蜴人が真正面から斬りかかる、その蜥蜴人は防御もしないままに迫っていく。その為に騎士は蜥蜴人を真正面から斬り捨てるが、蜥蜴人は死ななかった。いやもうすでに死人となっている事で動く事が出来たのだろう。肩から胸まで斬られているが全く問題ないようであった。斬られた蜥蜴人はそのまま騎士に体当たりしていくそして抱き着く。その後ろから別の蜥蜴人が騎士を斬り付ける。騎士は一瞬隙が出来てしまうそして蜥蜴人の剣が騎士に届く。
騎士「うっ。」
蜥蜴人は、騎士を殺す事だけを考えている。仲間が生きようが死のうが全く気にすることは無く。しがみ付いている蜥蜴人の事を全く気にしていなかった。動きが制限されてしまっている騎士に対し容赦なく攻撃を加えていく。一人の騎士に10人の蜥蜴人が群がっている。
そして騎士は蜥蜴人一人の犠牲を対価に自分の命が刈り取られてしまった。
蜥蜴人は喜ぶこともなしに次の獲物を求めて動き出していた。
無傷の蜥蜴人は一人もいない騎士は動きを制限されてしまったが、蜥蜴人を何度も斬っていた。だが今の蜥蜴人たちに痛みも恐怖も感情すらなくなっていた。
アル「カイン兄、拙いぞ。」
カイン「蜥蜴どもホントの死兵になってやがる。」
アル達30人は、蜥蜴人の本気をこの場で初めて体感している。分かっていた事であったが死兵と化した蜥蜴人は思っている以上に強敵となっていた。
アルは、ギアを一段上げた。
アル「行くぞー蜥蜴ども」
アルは、縮地を使い蜥蜴人たちを翻弄していく。蜥蜴人たちはアルの動きについて行けずに切り捨てられる。だが蜥蜴人たちは死んでいない。即死級の一撃を喰らった蜥蜴人でさえ、死ぬ事が無かった。死んでも動きをインプットしているようで、必死にしがみ付こうとしている。
そんな蜥蜴人たちは、アルとカインは別として戦果を挙げていた。
最初に殺された騎士の他にもう何人者騎士や戦士が蜥蜴人たちに殺されてしまっていた。
その光景をアルは己の失敗と認識している。もっと戦力を出していいればと戦いながら後悔していた。
カイン「アル、今は余計なことは考えるな。戦えー。」
アル「分かっていますよ。弔いの為にも必ず勝つ。」
アルとカインの表情が更に変わっていく。




