表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/59

身分証を手に入れた

「ふっふふっふーん」

 レン君が上機嫌に鼻歌を歌っている。

「ピエタの町に行ったら、ズボンを買いに行きましょうね、ご主人様!」

 嬉しそうに言うレン君に、イサメは内心ほっとしていた。

 カイファーの町を出てピエタへ向かう道中、どうやってパンツを履かせるか散々悩んだ末に思いついたのが、「押してダメなら引いてみろ作戦」だった。

 服を着たほうがかっこいいだの、似合うだの、あれこれ言って何とか丸め込んだのである。

 ただ、その弊害として――

「ルイぴっぴも服着るの~~!」

 ルイぴっぴまで服を欲しがるようになってしまった。

「ルイぴっぴはふわふわの毛があるから、服を着るとむしろ抱きしめづらくなっちゃうよ」

 そうなだめてみても、むうむうと文句を言ってくる。

 ちなみに、もらったパンツはすぐ履いてくれたものの、最初はやはり開放感が違うらしく、しっくりこなかったようだ。

 だが、

「レン君は私の所有物なんだから、ほかの人に見えるようにしちゃだめでしょ」

 そう言うと、パンツを履くことへの抵抗はなくなったらしい。

 むしろ妙にハイテンションになっていた。


 後払いで馬車を呼び、何とかピエタの町へ到着する。

 服屋へ行きたがるルイぴっぴとレン君をなだめ、とにかく先にピッツァーのもとへ向かった。

「おおっ! 無事帰ってきてくださって嬉しく思いますぞ! この通り、お約束の身分証もございますし、こちらもどうぞ」

 嬉しそうに迎えたピッツァーから、身分証と少額の礼金を受け取る。

 だが、その額は想像以上に少なかった。

 帰りの馬車代を差し引くと、とてもではないが当面生活できるほどの金額ではない。

 本当のところ、もうピッツァーとは関わりたくなかった。

 だが、服と食事をねだられ、致し方なく再びピッツァーのもとを訪れることになる。

 まるで分かっていたかのように迎えられると、

「いやー、戻ってきてくださると思っていましたよ」

「あー、その……仕事を紹介してもらえないかな~っと思いまして」

「ええ、もちろんです。実は、こちらとしても依頼がございましてね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ