再会と憲兵隊
「すごかったんだねぇ~」
イサメはルイぴっぴに頬ずりをする。
ルイぴっぴも満更ではなさそうに、それを受け入れていた。
「おい! 俺の話聞いてたか!? 最初見捨てたんだぞ、こいつ!」
酒呑童子が恨みがましく訴える。
だが、
「いいじゃないか、助かったんだし。ルイぴっぴえらいねぇ~」
イサメは再び頬ずりをした。
むわー。
ルイぴっぴは上機嫌である。
しばらく日向でのんびりしていると、少し離れたところから、
「ご主人様ーーーーーー!!」
泣き声にも似た叫び声が響いた。
続いて、ドドドドッと駆けてくる音。
そして。
ぜぇぜぇと肩で息をするレンと、そのレンに引きずられ、気絶している剥面ブラザーズが目の前までやってきた。
「レン君も無事だったかい。よかったよかった。それにしても、よくここがわかったね」
イサメが声をかけた瞬間。
背後からがばりと抱きしめられる。
「心配したんですよぉ~! 工場が爆発して、そのあとすぐに子爵邸も爆発して! 夜じゅうずっと子爵邸の周りを探してたんですよぉ~!」
うわーん、と泣きながらまくし立てるレン君。
イサメは苦笑しながら、自分を抱きしめる腕をぽんぽんとあやすように叩いた。
どうやら、先ほどのルイぴっぴによる大爆発を目印に、こちらへたどり着いたらしい。
(ああ……あの爆発、相当目立っただろうなぁ)
今さらながらそう思う。
変なのまで引き寄せていなければいいけれど――。
その願いは、見事に裏切られた。
「そこを動くな。全員、手を上げろ」
凛とした声が響いた。
空気が一変する。
「抵抗する者は、ここで始末する!」
鋭い殺気。
複数の人間がこちらを取り囲んでいるのが、気配だけでもわかった。
そして、
「憲兵隊第十八部隊、隊長アンビシオンの名のもとに、貴様らを捕縛する」
冷たい宣告が下された。
憲兵隊――検察官が罪状を調べ、処罰を決定した際に、実際の逮捕や執行を担当する部隊である。
一方で、検察官は基本的に王都にしかおらず、その人数も少ない。
さらに地方へ赴くことを嫌がる者も多い。
そのため、立件権や処罰権の一部を委任される形で、憲兵隊が地方へ派遣されることが少なくない。
だが彼らもまた、王都かぶれというか何というか。地方を見下している者が多い。
王都へ一日でも早く帰りたいがために、強引な捜査や拙速な立件、過剰な処罰を行うこともあり、その評判はあまりよろしくない。




