閑話休題 お手洗い事情と生命の神秘‼①
※少し下品なお話となります。苦手な方はご注意ください。
素晴らしい冒険譚や物語を読んでいるとき、ふと気になったことはないだろうか?
物語の主人公たちは、飲んで、食べて、寝て、時には恋をし、家族を作ることさえある。
だが――
“アレ”をしている場面だけは、妙に存在しない。
この人たちは、いつアレをしているのだろう?と。
生物にとって、とても大切な生理現象。
しかし、汚いものとして避けられがちな存在。
そう――お手洗い事情である。
今回は、この世界におけるお手洗い事情について語ろう。
結論から言えば、この世界の人々は、ほとんど排泄をしない。
まったくしない者もいれば、しても一、二か月に一回程度。
小も大も、驚くほど少ないのである。
「そんな馬鹿な」
と思われるかもしれない。
だが、これにはきちんとした理由がある。
――“魔力”だ。
この世界において、魔力とは膨大なエネルギーを消費する。
そもそも排泄とは、食物を分解し、栄養を吸収し終えた残骸を排出する行為である。
だが、魔力生成に必要なエネルギー量は常識外れだ。
当然、生物たちは考える。
いや、正確には――進化する。
どうすれば、より多くのエネルギーを確保できるのか、と。
その結果、この世界の生物たちは、
「食べたものを極限まで分解し、可能な限り余すことなくエネルギーへ変換する」
という方向へ進化していった。
つまり。
食べたものを“ほぼ完全利用”するのである。
このため、高魔力の生物ほど排泄の必要がなくなる。
逆に、魔力効率の低い個体は多少の残滓が発生するため、排泄が必要となる。
とはいえ、それでも頻度はかなり少ない。
この話を聞いたイサメは、たいそう感動したという。
なにせ前の世界で、
“出すぎる苦しみ”も、
“出なさすぎる苦しみ”も、
嫌というほど知っていたからだ。
そして彼は、後にこう語っている。
「ルイぴっぴと再会した次くらいには感動した」
――と。




