15/59
閑話休題 レン君の不思議①
レン君には、不思議なことがある。
いろいろと不思議なことはあるのだが――
一番不思議なのは、なぜご主人様には、このウサギが何を言っているのかが分かるのか、ということだった。
作戦会議のとき。
最初の意見で、ウサギがその小さな手をこちらに向けていたので、なんとなく僕のことを言っているのかな、と思った。
するとご主人様が、
「レン君、死んじゃうでしょうが」
と却下していた。
どうやら僕に何かをさせようとしていたらしい。
出会ったときから、ご主人様とこのウサギはよくしゃべっている。
もしかしてご主人様には、動物と話す能力があるのかと思った。
けれど――
犬にも、猫にも、馬にも。
ご主人様は話しかけてはいるけれど、会話をしているようには見えなかった。
では、このウサギの能力なのだろうか。
僕とは話したくないから、僕とは会話をしないだけなのだろうか。
今も、目の前で。
ご主人様とウサギが、楽しそうに掛け合いをしている。
やっぱり不思議だ。




