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見た目は子供の学園長

本日の投稿です。


あ、それと実は少し前から〝なろう異世界ファンタジーフェス〟に参加してみたので、面白ければいいね等をして頂ければ幸いです。


どう言う選考基準なのかは分からないんですが、何もしないよりは良いでしょうしね。

「えっ、はっ!?…学園長ーッ!?!?!?」


私の眼の前に佇む、赤い髪に真紅の瞳を持った女の子が告げたその正体に、私は思わずそう叫ぶ…だってそうだろう、眼の前に居る彼女は何処をどう見ても10歳其処らの幼い女の子の様にしか見えないのだから。


「うぅっ…ちょっと声が大きいわね…」


彼女が目を回しながらそう言う…その言葉に私はハッと己のしでかした行動に気付き、慌てて謝罪する。


「す、すみません!…でも、本当に学園長なんですか?」


謝罪と共に、思わずそう問うと…そんな私の疑問に答えたのは、耳を塞ぎ私の驚愕の叫びから逃れていたレインさんだった。


「――ハハハッ、疑う気持ちもわかるが本当だよマナリア助手…この幼い童女の風体をしたちんちくりんは、間違いなくこの魔術都市の学園長だとも…こら、私の顔を引っ張るな」


そう説明を聞きながらも、頬を膨らませレインの顔を引っ張る彼女の様子は、やはり年相応の子供の様な印象を受けた。


「――油断するなよマナリア君、彼女はこの身なりだが齢100を超える狸BB「―其処から先は言葉を慎む事ね」…永年変わらぬ美しさを持つ〝大賢者〟だからね」

「は…はぁ…」


彼の言葉の断片から、知っては行けない情報を知った様な気がして、私は言葉を濁す…此処でその事に言及するのは幾らお気楽な私でも不味いと理解したからだ…主に学園長の鋭い視線で。


「――まぁそれに、〝見た目を誤魔化す〟だとか、〝寿命を引き延ばす〟なんてのは、割と珍しく無い魔術だよ…難易度やら制限等々は別としてね」

「へぇぇ……なら、レインさんももしかしてとっても長い時間を生きたお爺ちゃんだったり?」

「フッフッフッ!――バレてしまったか…!」

「まだ成人して1年の若造が何言ってんのよ…いや、貴方は若造と言うには色々と可笑しいけれども…」


そんなふうに、レインさんと談笑し、私達の掛け合いに学園長がツッコミをするそんな空間が少しの間続くと…ロザリア学園長が席を立って解散を促す様に部屋を出ていく。


「まぁ、事情は把握したからもう仕事に戻るわ、〝教師補佐〟の件は貴方から説明しなさいね…それと、あまり派手に動かないでよ?」

「極めて前向きに善処する事を検討しよう」

((絶対何かやらかす気だな…))


溜め息を吐いて研究室から出ていく学園長を見送り扉を占めると…コホンと、レインさんが私に向けて咳払いして話を始める。


「さて、朝イチの私からの仕事を熟してくれて有難う…軽く朝食を摂って、今日の予定を説明しようか」

「御飯!――はい、分かりました!」


レインさんの言葉に、今日の激しい運動によって鳴り響く腹の唸り声に、私は今朝から何も食べていない事を思い出すと…いつの間にやら部屋に満ちていた食欲を唆る香りにそう言い、アリエルさんが運ぶ料理に目を輝かせるのだった…。



○●○●○●



「――クソッ、クソッ!…クソぉッ!!!……何故私がこんな目にッ!!!」


――ガシャァァンッ!!!――


怒りに任せ、癇癪を起こし己の私室にある調度品を壊しながら、彼…アルベルト・バルバインは目を血走らせて己が受けた屈辱に呪詛を吐き連ねる。


「〝色無し〟のゴミが崇高なる智慧の聖域を侵さんとしているのだぞ…ソレを未然に防いだ功労者だろう私はッ!」


自身の紡ぐその言葉がそのまま彼の地位を追いやる原因となったと言うのに、彼はこの期に及んでまでその事実を認める事無く、己を追い出した学園長への怒りに燃えていた。


――ハァッ…ハァッ…ハァッ…――


怒り狂った彼の、獣の様な荒い呼吸音が響く…その時、不意に彼の部屋に何者かの声が響く。


「――〝同志〟よ、随分と荒れているじゃないか」

「ッ!?――誰だ!?」


その声に、アルベルトがギラリと睨みつけたその先には…真っ黒な外套を羽織った…如何にも怪し気な人物が、荒れ果て硝子の礫が散乱する部屋の椅子に腰掛けていた。


「――〝吾輩〟が何者かはどうでも良い事だよ…〝我〟は単なる〝通達者(メッセンジャー)〟で、〝依頼人〟から〝君へ〟の取引を仲介しているだけだからね…聞いたよ〝アルベルト・バルバイン〟君…君は〝教師〟の任を解かれたんだって?」

「ッ――!」


ケタケタと嘲るようにそう身体を震わせるソレの言葉に、男は怒りに任せて炎を飛ばす。


――ゴウッ!――


「――短絡だなぁ…短気は損だぜアルベルト坊や…とは言え…良いね、〝私〟が見込んだ通り、君はやはり才能が有る!」

「ッ!?」


しかし、その炎の中からヌッと這い出て何事もないようにアルベルトの眼前に顔を近づける男に、アルベルトは驚きに顔を顰める。


「――だがまぁ、〝俺〟の話を聞けよ…お前にとってもこの〝依頼〟は悪く無いぜ?…なんてったって、この仕事は〝フロイド卿〟からの直々の指名だからね♪」

「ッ…何だと!?」


その言葉にアルベルトは絶句し、男を凝視する…その反応に男はクスクスと笑うが…どう言う心境の変化か、男へあれだけの苛立ちを抱いていたアルベルトは、豹変ともいえる精神の変化を見せ、男へ媚びへつらうような態度で接し始める。


「まさか貴殿が〝大公フロイド卿〟の使いだったとは…そう言って下されば、私も然るべき饗しを致したと言うのに……いや、先ずは先程の非礼を詫びなければですなッ」

「――あぁいや、別に気にしてないから良いよ、ヘーキさブラザー♪…それはそうと、〝僕〟の話を聞く気になったかい?」

「えぇ、えぇ勿論です!…フロイド卿が私に何か依頼を出されたとか!」


先程とは打って変わって、従順に話を伺うアルベルトへ、男はコクリと頷き、真っ黒な闇で隔てられたローブから一つの男の顔の描かれた手配書然とした紙切れを取り出し男へ渡す。


「やっこさんの依頼は至極単純…〝この男〟を殺してほしいらしい」


その言葉に紙に描かれた人物像を見たアルベルトは、自身のよく知る男の姿を見て、思わず疑問を浮かばせその名を紡ぐ


「此奴は…〝レイン・マナルガ〟?」

「まぁ、彼がどう言う人物かは知らないが…フロイド卿にとっては目障りなんだろうね…何せ依頼報酬に〝金貨1000枚〟…加えて、彼の纏める魔術研究室の副所長の地位を確約したんだからね♪」


その言葉に男は淡々とそう説明しながら、隔たれた暗闇越しからも分かるほどニヤついた声色と視線でアルベルトを見詰めると…その説明を耳にしたアルベルトは目の色を変えて男に食いつく。


「ッな!?…それは本当か!?」

「――丁度地位を追われた君には喉から手が出るほど手に入れたい富と権威だろう?…どうする、受けるかね?」


そして差し出された手をアルベルトは一瞥すると…1片の躊躇も無くその手を握り返す。


「――勿論だッ!」


――ジュッ!――


その瞬間2人を繋ぐ、黒い影の様な痣が両の腕を侵食し…そして、その内に消える…ソレを見届けると男は御機嫌な様子で立ち上がり、快活に言う。


「〝EXCELLENT(素晴らしい)〟!――コレで〝契約完了〟だ!…さて、仕事の詳細を説明しよう、期限は一月以内、やり方は任せる…以上!――あぁ、それと、フロイド卿から〝次期副所長〟殿へ選別の品を預かっている…〝黒鋼の指輪〟…フロイド卿に支援を求めるのならその指輪に魔力を通し、求める物を紡ぐと良い…度を超えない範囲でなら彼も叶えてくれるだろう」


そして、男は懐から取り出した結晶に包まれた真っ黒な宝石の指輪をアルベルトへ手渡すと、去り際にアルベルトへ告げる。


「――ソレは一種の〝魔術触媒〟だ、行使する魔術を何倍にも増幅する〝優れもの〟だが…〝ソレに頼り切り〟は危険だゼ?」


――パチッ!――


「ッ――消えた…?」


そう言うと、アルベルトが瞬きした瞬間…男はその場から影も形もなく消え去り…アルベルトの手には手渡された黒い指輪が怪しく輝いていた。

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悪欲の災い的なそれになりそうというかなんというか…
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