従者と助手の害虫駆除②
ドーモ皆様、クソッタレなAI文書作成ツールの誤起動によって本話の7割を消し飛ばした作者の泥陀羅没地です…クソが。
初めてここまでAIツールを恨んだかも知れない…バックアップも出来てなかったから手動で書き直す羽目に…本気で許せねぇ。
恨み骨髄ではありますが、それはさておき本編へ、どうぞ。
――シャンッ!――
重さは無く、軽やかに…それでいて鋭く致命的。
「すっご…何この武器…!?」
振るわれたこの得物は、今まで見てきたどの〝武器〟よりも…ただ、〝斬ること〟に忠実だった。
「〝切断〟の魔術式を基礎に組み込まれた武器です…物理的攻撃の効果は基準値以上、流石は我が主」
――ザザンッ、ザザザンッ!――
畑から此方へと蠢きせまる、黒い芋虫の様な〝魔蟲〟を切り裂いていく私に、同じく舞う様に蟲を切り刻むアリエルさんはそう言い、私に助言する。
「〝物理攻撃〟の威力検証は十分…では第二に、〝任意起動術式〟の起動をお願いします…マナリア女史、コレを」
「〝魔力弾〟ッ!――…はいッ!…〝魔石〟?」
離れから、〝精霊郷〟の中心へ進んで行く魔蟲を魔術で打ち砕きながら、アリエルさんから投げ渡された、赤く輝く宝石の様な〝魔石〟を手にする。
「〝魔術石〟です…魔石を加工した〝属性増幅器〟です…ソレを柄の挿入口に嵌め込み、魔力を流して下さい」
「あぇッ――いや、でも私〝色無し〟で…〝属性の魔術〟は使えな――」
「問題有りません、起動して下さい」
アリエルさんの言葉に私がそう口籠るが…私へ再度告げられるその言葉に、私はおずおずと柄の窪みに魔石を挿入する…そして。
――コォッ――
自身の魔力を、その剣に注ぎ込んだその瞬間…。
――パチッ、パチパチッ!――
「ッ!?……嘘っ…!」
私の手には…轟々と赤く揺らめく炎を纏った…短剣の姿が有った。
○●○●○●
「〝特別〟…?」
「そう…〝特別〟だ…彼女は確かに〝色無し〟と揶揄される存在だ、〝属性への適性が皆無〟と言う〝色無し〟の性質を有している……と、言うのが彼女への周囲の評価だろう」
学園長の問い掛けに、僕はそう言い…しかし、その評価に否と指を立てる。
「――〝違う〟…それは浅はかな〝先入観〟による固定観念だ、彼女は世間一般が言う〝色無し〟とはまるで懸け離れた〝特異点〟だ…何せ彼女の魔力は――」
「〝100%全ての属性と極めて親和性の高い魔力〟を有した…〝混沌の黒〟であるのだから…〝全てを並べて無に帰する〟ならば、彼女自身に属性の枝が伸びないのも道理だろうさ」
僕はそう言い…その説明に耳を傾けていた学園長の、愕然とした表情を見て、ニヤリと…笑みを浮かべ…紅茶を傾けた。
●○●○●○
「コレ、魔術ッ…属性の…!?」
私は、揺らめく炎を目に…叫ぶように驚きと興奮を紡ぐ。
「〝火の魔術石〟を通じた〝火の魔力の増幅〟です…起動は成功ですね」
そんな私へアリエルさんはそう言い…2つのサーベルに風を纏わせて私へ言う。
「――では、最後の検証です…害虫及び瘴気溜まりの完全焼却を行います…手短に片付けましょう」
「――ッはい!」
私の手から、借り物の力とは言え属性の力が生み出された…その感動に未だ震えながらも、私は気を切り替えて戦闘に戻る。
――タッ!――
「――マナリア女史、〝風で魔蟲を巻き上げます〟」
「ッ――〝分かりました〟」
魔蟲達を切り裂き、瘴気溜まりを目指して直進する…その最中、アリエルさんが告げたその言葉に私はその意図を理解し、彼女の動きに合わせようと、その時を待つ。
――ギュオッ!――
「――フッ!」
アリエルさんの魔力が高まり…サーベルから吹き荒れる風が、その一閃と共に旋風を生み出し…畑の中を蠢く魔蟲達を空へ巻き上げる。
「ッ――!」
その瞬間を狙い、私は自身の剣に魔力を込めて…炎を猛らせる…そして。
――ゴウッ!――
一閃…炎を纏った赤い斬撃が、そのまま空を駆け上がり…空を漂う魔蟲達の身体をボロボロの消し炭に変える。
――ザッ!――
「――さて、コレで〝駆除完了〟……ですね」
そして、その隙に脈打ち蠢く瘴気の塊へ接近していたアリエルさんがサーベルの一振りで〝瘴気溜まり〟を切り裂くと、サーベルを納め…戦闘の終了を告げた。
●○●○●○
「〝全属性への100%の親和性〟って…本当なの?」
「あぁ、嘘じゃない…現状最も精度の高い〝ロゼバラ魔力波形測定方法〟でも、その診断結果が出ている」
「……」
僕の言葉に、沈黙していた学園長が再び口を開き僕へ問う…その問いに僕はそう返しながら、あの時見た〝興奮〟を思い出し、自然と口端がニヤけて緩む。
「――本当に素晴らしい〝逸材〟だよ…彼女に適切な〝触媒〟を用意すれば彼女は間違いなく〝虹〟に到れるだけのポテンシャルを秘めている、僕の研究の尺度も劇的に拡がり、今まで僕が散々分析止まりにして積み上げていた〝魔術式〟の答え合わせだって可能だ…こんな〝お宝〟…みすみす他の魔術師に渡して浪費させるのは損だろう?」
そう言い学園長を見ると、彼女は僕の真意を探るような目で僕を見据え…その視線から一呼吸置いて、僕へ言う。
「成る程……つまり体の良い〝魔力タンク〟って訳ね」
「正しく、彼女は〝魔力タンク〟だ…そして、私は〝触媒〟だとも…恐らくこれ以上に綺麗に噛み合ったパートナーは、この世界の何処にも存在してないんじゃないかな?」
彼女の問いに億面もなくそう肯定すると、彼女は何か物言いたげな様子で僕を見つめ…そして、諦めたように紅茶で口を閉ざす。
「――これ以上はもう話す事は無いね……さて、噂をすれば話題の彼女の凱旋だ」
そんな彼女を一瞥すると、僕はこの部屋の入口から感じる気配に視線を移す…すると程なくして扉は開かれ、其処からは僕の助手とメイドが姿を表し…僕の方にやって来る。
「やぁマナリア助手、アリエル…御苦労様……さてアリエル、〝仕事〟の方はどうだった?」
「問題なく遂行致しました…成熟した畑の薬草類は収穫し、精霊達からは依頼報酬として〝精霊石〟を幾つか頂きましたが…」
「精霊石の半分は君が使え、残りは僕が実験に使う…それで、〝試作品〟の方は?」
アリエルは僕の言葉に、懐から球場の魔道具を取り出し僕へ手渡す…どうやら問題無く遂行した様だ。
――キィィィィンッ――
「フンフンッ…武器としての性能は先ず先ず…武器で有りながら触媒である〝兵装〟と言う試みは悪くは無いが…やはり要素を盛り込み過ぎると出来は悪いね…やるなら武器の強みをより特化させた術式を付け加えるのが…要調整が必要だが、完成品は量産にも向く良い武器になりそうだ…研究資金が潤うねぇ♪」
その球体を解体し、情報を解析し終えると…その合間を見計らう様にマナリア助手が僕へ言う。
「そ、それでレインさん……此処に戻ってから気になってたんですけど…〝この人〟は一体誰なんですか?」
その視線の先にはチョコンと椅子に腰掛ける童女然とした彼女…〝学園長〟へと向けられていた。
「あぁ、彼女は――」
僕がそう言葉を発しようと口を開いた時…彼女が視線で僕を制し…自ら正体を明かす事にしたらしく、マナリア助手へ声を掛ける。
「初めましてね、マナリア・ノーホープ入学生…私は、カミラ・ウル・ロザリア…この学園都市ロザリアの〝学園長〟よ…よろしくね♪」
彼女の口からそう紡がれた言葉は、マナリア助手にとっては驚愕に値したのだろう…その反応から、来る純粋な驚愕の音圧に耐えるべく、両耳の耳を手で閉じた。
【試作武装:執行者シリーズ】
レイン・マナルガが独自開発した〝魔導武装シリーズ〟の一つ、柄と剣身、刃の三つの機構で構成されており、剣身には魔術式、柄には魔石の挿入口が付けられている。
〈任意起動術式〉
柄の挿入口に加工された【魔術石】を嵌め込む事で、所有者の魔力をエネルギーに、【属性付与】を行う術式。
【魔術石】
魔力の結晶である魔石を加工した〝魔術触媒〟の一つ…魔石にはレアリティがあり。
〈屑石(野生の獣達等から入手)〉<〈低質魔石(Gランク〜Eランクの魔物から入手)〉<〈中質魔石(Dランク〜Bランクの魔物から入手)〉<〈高質魔石(Aランク〜Sランクの魔物から入手可能)〉となっている。
しかし例外として、〝精霊〟や〝龍種〟、〝悪魔〟、〝天使〟等の〝高度な知性〟を有した存在が生み出す〝魔石〟には、特別な名が付けられ、その価値は計り知れない。
風の噂では、ある精霊の生み出した魔石の為に、小国の経営状況は取り返しの付かない赤字を叩き出し、破綻した等と言う噂も流れてくる…その真相を知るものは、誰も居ない。




