↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
52/57

第52話 ~ノクス邪神ダノス~

——吾は、ダノス


——あらゆる負の感情が集まった、闇そのもの。


——光は天に登り、闇は地へ沈む。


——恨み、妬み、嫉み、恐怖、憎悪


——その全てが吾を作った。


——幾千の国、幾億の世界を巡った。


——人の感情を煽り、壊し、落とす。


——絶望は甘美


——憎悪は芳醇


——恐怖とは…なんと美味なことか……


——まだ足りぬ


——器がいる。


——新しい世界ができる。


——吾の種を蒔こう。


——輪廻を持って、吾を受け入れる器を作れば良い。


——クっクックッ……世界は苦しみ、絶望に沈む。


——その絶望に立ち向かう者こそ器となる。


——希望から絶望へ落ちる感情とはなんと美味であることか


ーーーーーー


『カーッカッカッカ!!美味!実に美味である!』


黒い瘴気を吸い込みながら高らかと笑うダノス。


『吾はダノス!!この世界を統べる邪神にして終焉!!すべての命は恐怖と憎悪の中で絶望に沈むがいい!!』


両腕を高らかに広げ”世界”を作り変えていく。


——世界が軋んだ。


プレートは歪み、死火山が咆哮する様に猛る。


海底は裂け、荒れ狂う大津波が大地を飲み込む。


空は暗雲に閉ざされ、雷光が地を焼き裂く。


暴風はすべてを引き裂き、形ある物を塵へと変えた。


「……そ、そんな………レオン……?」


レオンの変わり果てた姿に、膝から崩れ落ちるエリシア。


「なにがどうなっとるんじゃ!!」


「アンタ!レオンに何をしたのよ!?」


ガイダルとセノンが吠える。


ダノスはただ視線だけを向け、ニヤァと粘りつくような笑いを見せた。


『……お前たちには、感謝している……この偽りの勇者をここまで連れて来てくれたことにな……』


「偽りの勇者?……なんのことだぁ?」


『カッカッカッカ!!本物の勇者が落ちる姿は滑稽だったぞ!!!……なぁエリシアよ……』


「!!!?」


『吾を顕現させたせめてもの褒美だ……苦しまず葬ってやろう!!!』


右手を掲げるダノス。


——空が炎を纏って落ちてくる


「……や……め………」


『……ほぅ?まだ抵抗するのか…』


ダノスの中で意識だけとなったレオンは薄れいく中で藻掻いていた。


ゆっくりと世界が燃えていく。


『ククク、貴様も憎悪に沈め………——メテオ』


上空に作り上げられた火球が隕石と代わり、エリシアたちを飲み込んだ。


「!!!!……………」


言葉にならなかった。


これまで共にいた、大切な仲間たち。


愛した二人。


守り続けたいと思っていた物が目の前で壊された。


「うわああぁぁぁああ!!!」


心に黒い感情が芽生えた。


紅く染まった瞳は黒く、闇へと落ちていった。


『ククク……カカッ……カーッカッカッカッ!!』


『いいぞ!その感情!!その憎悪!!!』


『それこそが、吾が望むものよ!!』


天空コロシアムにダノスの嗤いだけが響いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。