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第47話 ~父の思い~

グラストヘイム


ガイダルは一人、セノンに頼んでグラストヘイムに連れてきてもらっていた。


「叔父貴!!」


入り口の前で鉱石を運んでいたゴイスにガイダルが声をかけた。


「おぉ!!ガイダルじゃねえか!!」


熱い抱擁をする2人。


正直オッサンの抱擁は見たくない。


「今日は如何したんでぇ」


「…墓参りに来たんじゃい」


ガイダルの母ゾフィーの遺骨はこのグラストヘイムに埋葬されていた。


「最後かもしれんからの」


そう言いながら墓地へと向かった。


「……親父……」


「…おぉ」


墓の前にはゴメスがいた。


花を添え、手を合わせていた。


「……ここに来るのは日課でな…」


「……………」


「…ガイダル……オメェいい顔になったじゃねぇか」


そう言ってガイダルの肩に拳を当てた。


「後で家に寄ってけ」


そうして先に戻ったのだった。


「……遅くなったの…」


ゾフィーの墓を見つめるガイダル。


「……母上、ワシは決めたぞい……この命尽きるまで、奴らを”護る”んじゃ……」


墓の前でその決意を口にしたのだった。


「アヤツの…レオンの覚悟をワシも背負うと決めたんじゃ…」


どれくらい経っただろうか、その後は無言の時が流れ、日が沈む頃に家に向かった。


ドン!


「まぁ飲めや」


酒が注がれたジョッキをゴメスが置いた。


「オメェと酒を飲むなんて何年ぶりだろうな……」


「………」


ゴクゴクゴク!


ゴメスは1杯目を一気に飲み干す。


「……オメェはいっちょ前の戦士になった、守るモンができた奴は強え」


照れ隠しなのか、酒を注ぎながら話している。


「…親父」


ゴクゴクゴク!


ゴメスは再度、ジョッキの酒を一気に飲み干した。


「いいか、オメェは巨人族戦士長ゾフィーと世界一の鍛冶師ゴメスの息子なんだ!……やると決めたんなら……とことんやれや……そんだけだ」


「!!……おう!!」


父はちゃんと自分を見てくれていたのだ。


ガイダルの思いも感じ取っていた。


何より嬉しかった。


ゴクゴクゴク!!


ガイダルも酒を一気に飲み干した。


その晩、親子二人で酒を飲み交わした。


大きな酒樽がいくつも空になった。


ーーーーーー


忘却の花園


カインは一人、忘却の花園に残っていた。


死した魂が集う場所。


かつてカインの主であったジュールもここに眠っている。


『俺に話しをしにきたのか?』


カインの後ろから声がかかる。


「俺の時間が動き出したのは、アンタたちと一緒にいた時からだからなぁ…」


そう言って頭を掻く。


「なぁジュール、……なんで俺に名前をくれたんだぁ?」


『……昔な、俺にも息子がいてな、よく笑う、ヤンチャな奴だったよ…』


遠い目をしながら思い出に更けていく。


『だが流行り病で亡くなっちまった。……デカくなってりゃお前くらいだった』


カインは黙って聞いていた。


『なぁんか、アイツの面影と重なっちまってなぁ……お前と過ごした時間は楽しかったよ……息子と一緒にいるみたいだった……』


「……俺ぁ、アンタに名前貰った時、道具から人になった。アンタは俺に人生をくれた……」


「——俺にとっても、あんたは親父だよ…」


『…カイン……』


ジュールは大きく鼻を啜った。


『嬉しい事言ってくれるじゃねぇか!!』


そう言ってカインの肩に腕を回す。


『…親父からのアドバイスだ……光が強けりゃ影は濃くなる。逆に言やぁ、影が濃くなりゃ光はドンドン強くなる!……オメェは影だ……仲間を支えてやりな!!』


「あぁ……」


『…もう一つ……絶対…死ぬんじゃねぇぞ………こっちに来るにゃぁ早すぎるぜ!』


「!!………分かったぜぇ、親父………」


そうしてジュールは姿を消したのだった。



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