第46話 ~セイリンの手紙~
魔導国家アルフェン遺跡
レオン、エリシア、セノンの三人はアルフェン遺跡にいた。
「……跡形もないわね……」
そこはかつてアルフェン遺跡があった場所。
ゼノスの攻撃で遺跡自体が消し飛んていた。
「これじゃぁ、研究所も……」
「いいえ、時間加速が起動したままだわ……地下施設は無事みたい」
エリシアは悲しそうな顔をしたが、セノンは魔力の流れを感じ取り、時間加速の魔術式が動いている事に気付いた。
「…行ってみましょう。テレポートで跳ぶわ…集まって」
一行は光に包まれてその場から消えた。
——地下施設は影響が殆どなかった。
入り口となる階段が塞がれてしまっている為、特別な力がないと出入りができない。
「……1年か……中の時間は10年ね…何も変わっていないわね」
そこは、掃除を続け、アルフェン滅亡前に命令されたであろう状態維持をする自動人形だけが動く空間だった。
自分たちが訪れた1年前、この空間では10年前と何も変わらない。
1000年変わらず動き続けているのだ。
今までも、これからも…
「……永遠か……少し寂しいわね…」
「止めていくか?」
レオンがセノンの背後から声をかけた。
「……いいえ……あんた以外にも永遠を生きる存在がいる……覚えておいて」
「………あぁ……」
ーーーーーー
セノンの母、セイリンの研究室
「…母様……」
ふと目に入る一冊の本。
「あれ?こんなのこの前はあったかしら…??」
そっと手に取り開く。
「…日記?」
——ゼノスが魔王になってしまった。
——私が止めると約束したのに……
——守れなかった。
——彼はどれほどの闇を抱えてしまったのか
別のベージ
——彼を救うにはこれしか無い。
——不老不死に対抗するには……
——存在を消滅させるしか……
——私が完成させる。
——アルカナ•インフィニタを…
——シルビアの叡智の杖が合わされば……
「……父様の……杖…」
父に託された叡智の杖を見る。
最後のページ
——バルギアスが攻めてくる。
——ゼノスの命で……
——アルカナ•インフィニタの完成が近い。
——軍事行動の抑圧は建前……私を狙ってきた。
——放棄するしかない……きっと私は長くないだろう。
——施設の守りは堅牢、侵入はほぼ不可能。
——ここに立ち入れた者が、私の言葉を見るか解らない……
——お願い…
——私が守れなかった約束を……
——彼をどうか
——救ってほしい。
「……母様……なんで、一人で……」
日記をゆっくりと閉じ、胸に強く抱いた。
「——大丈夫よ……アタシたちが絶対救ってみせるから……」




