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第34話 〜過去と邂逅〜

ーーーーーー

ーーーーーーーー

それは一つの魔導具だった。

開封した者の『命令』を訊く。

ただそれだけたった。

影として作られ、諜報や暗殺、特殊能力を駆使して主を守る者だ。


封玉に魔力を籠めると開封され、その魔力の持ち主の下僕となる。

そんな『道具』の『俺』に心を持たせた製作者達は酔狂だと感じた。


何度主が変わっただろうか。

それは12897番目の主だった。


「お前も飯は食えるんだろう?」


そんな事を言われたのは初めてだった。


「は、はぁ…」

ついついトボけた声が出てしまった事が今でも懐かしい。

「私は封玉に戻れば力の補給もできますのでお気遣いには及びません」


一体どこに道具に飯を与える者がいるというのだ。

そんな事を考えたが、それはここに居たのだ。


「まぁ、俺達といる間は一緒に飯食ってくれ!」

豪快に笑う主だった。


「そうだなぁ、名前がないと不便だよなぁ………『カイン』なんてどうだ?」


これまでの主に無かった事をする人物だった。

不思議と嫌ではなく、寧ろ自分の心が穏やかになっていくのを感じた。


それから数年旅を共にした。

出会いには、別れが付き物らしい。

これまでの12896人の主の中には死に別れた者もいたんだ。

そして、その日は訪れた。


突然の襲撃、死霊を操る魔王軍の幹部だった。

なんとか敵を退けたが、主はすでに虫の息だった。

そして最後の『命令』がくだされた。


「カイン……自由に…生きろ!………道具だった事なんて…忘れて……自由に……………お前は俺の大切な仲間だよ…」


こうして、主は息を引き取ったのだ。


ーーーーーー

「おい! カイン大丈夫か!!?」


「俺は……」


「忘却の花園に入った途端、急に倒れたんだよ!」


ーーカインが見つけた入口から一歩踏み込むと、これまでの景色が一変した。


古い神話時代の遺跡。


円の脊柱や石のアーチなど遥か昔に都市があったと感じさせる遺跡にあたり一面が様々な花で覆われていた。


「正に花園だな」


ドサッ!


「!!? カイン!!」


4人の心配そうな顔が目に入る。


レオン、ガイダル、セノン……そして


「だ、誰だ??」


見たことがある。


だが思い出せない。


瞬きをすると、その男は消えていた。


「カイン、本当に大丈夫か?」


レオンに支えられ起き上がる。


「あぁ、大丈夫だ」


答えは分からないが、遥か昔に会ったことがある人物かもしれない。


何処か懐かしいく、悲しくもあるあの男の顔が頭から離れなかった。


「とりあえず、エリシアを探しましょう。必ず、見つけるわよ」


「ああ!」


セノンの言葉に全員が頷く。


「しかし、ココは色んな気配があるぞい」


辺りを見渡しながらその気配を探る。


「死した魂が集う場所だからな。目には見えないけど色んな奴がいるのかもな」


「古文書によれば、本当に願った人だけがその魂と出会えるみたいね」


様々な気配を感じるが目に見えないのは願っていないから。


さっき見えた男は……カインは自分が何を望んでいるのかわからなかった。


暗く重い空気がレオンたちを襲った。


「な!?何だ!?」


背中に冷たい物が走る。


なんとも言葉にし難い、ドス黒く、冷たいオーラ。


「ワタシの実験場に来たのはダレだ?」


脳内に響くような声。


その大きい気配がする方を見ると、丘の上に骸骨がいた。


「アンデットか!?」


剣を構える。


全員が戦闘態勢を取った。


「……聖剣……ふはははは!!まさか勇者の方から来るとはな!!」


「魔王の配下か!」


レオンが誰何する。


「ワタシは魔王軍四天王が一人……深淵の支配者ルイン………アンデットキングのルインだ!!」


その言葉とともに地面から幾つものゾンビが現れる。


「四天王だと!!?」


「クソッ!やるぞ!!」


レオンの号令にガイダル、カインも動き出す。


無数のゾンビを切り捨てていく。


「ほほう。やるではないか……少しばかり甘く見ていたか…これではどうかな」


ゾンビたちの腐蝕した身体がみるみるうちに生きた身体に変わっていく。


動きが、俊敏になり、1個体ごとの攻撃力も上がっていく。


「ちぃ!如何なってやがるんだぁ!?」


攻撃を捌きながら、起きた現象に困惑する。


「!!!?」


間合いに入った敵を切ろうとした時、カインの手が止まる。


ドゴッ!!


「ガハッ!」


人間とは思えない力の聖剣を受け、吹き飛ぶカイン。


「カイン!!」


レオンたちの叫ぶ声が響く。


「クククッ……どうした?……知ってる顔でもいたか??」


骸骨であるはずが、下衆いた笑いが見えるルイン。


「ワタシは生と死を司るものだ!この忘却の花園にある魂全てがワタシの奴隷だ!!」


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