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第27話 ~白銀の左腕~

大地が軋み。


大気が震える。


精霊たちが歓喜する。


「剛神の盾!!」


大きく、その存在感を放つ。


真っ赤な盾は凄まじいオーラを放ちながらハッキリとその姿を表した。


「面白い!!いくぞ!!雷撃衝!」


ドゴゴゴォォーーン


ライオスの蹴りは見事に盾で受け止められていた。


「素晴らしい!良い戦いができそうだ!!」


ライオスは歓喜の声を上げる。


「ここは、ワシに任せてくれい!!」


ガイダルは覚悟を決める。


「金剛力!!極!!」


金剛力。


巨人族が扱う身体強化術。


体表面を固くし、筋力も数倍になる。


純粋で爆発的な攻撃力を付与する。


「ぬおおぉぉおおーー!!」


思いっきりのパンチをライオスに放つ。


ライオスは馬鹿正直に正面から受ける。


「いいぞ!!だがまただ!!」


体中に紫電が走る。


「轟雷!!」


これまでとは違う。


スピードではなく、パワーに重点を置いた攻撃。


純粋な破壊の暴力がガイダルを襲う。


ドガガァァァン!!!


「ワシの剛神の盾は壊れん!!」


土煙を払うようにライオスに向かって踏み込む。


お互いに組み合い、力比べが始まる。


「ぐぬぬぬ!!」


「うおおお!!」


まさに均衡。


力と力の押し合いに足場は抉れ、周囲は隆起する。


次第に変化が起こる。


(体がデカくなっている!?)


その違和感に気付いたのはライオスだった。


ガイダルの巨体が更に大きくなっていった。


押され始めるライオス。


どちらとも言わず、距離を取る二人。


「貴様は素晴らしい戦士だ!!我の最終奥義で引導を渡してくれよう!!」


「ワシの斧に全てをかける!!」


二人の間に激しいスパークが起こる。


「いくぞ!! 奥義!豪雷砲!!」


「負けん!!」


(母上!見ていてくれい!)


「トールハンマー!!!」


凄まじい轟音の後の静寂。


入れ替わった立ち位置。


静寂…二人の間に風が吹く。


「ど、どうなったんだ?」


レオンのつぶやきが世界を動かし始める。


ピシッ!


ガイダルの斧にヒビが入る。


バアァン!!


ズズーン!


弾ける斧に、倒れるガイダル。


「武器が耐えきれぬほどの攻撃……」


ライオスが視線をガイダルに向ける。


「……トールハンマーか……ゾフィー殿と同じ……良い技だ………」


ブシャーーッ!!


額と肩口から溢れる鮮血。


蹌踉めくライオス。


「…巨人族戦士長ゾフィーの子…ガイダルか………其方は素晴らしい戦士だ………我の……負けだ……」


ドサッ


ライオスはそのまま地に伏したのだった。


ーーーーーー


「うぅっ!…ワシは…?」


「ガイダル!!」


気が付いたガイダルにレオンたちが駆け寄る。


「!!?しょ、勝負は!?どうなったんじゃ!!?」


「お前の勝ちだ!」


血溜まりに伏したライオスを指差しレオンが答えた。


「……母上……今度こそ、守ったぞい」


砕けたバトルアックスの柄を握り思いを馳せる。


「その斧は…」


「母上の形見じゃ…親父が送った物らしい…」


エリシアの質問に小さく答えた。


「………ガイダル」


近づいてくる足音に目を向けると、ゴメスが立っていた。


「…親父……」


「見てたぜ……」

「いっちょ前の戦士になったじゃねぇか……てめぇの覚悟に俺も応えてやるぞ!」


そう言ってレオンに向き直るゴメス。


「おい、てめぇレオンと言ったな。アンタに、本物以上の腕を作ってやるよ」


ーーーーーー


ゴメスとレオンが工房に入り5日が経った。

常に鉄を打つような音が聞こえる。


「大丈夫かしら」


セノンのつぶやきが漏れる。


「5日も合わなきゃ、心配にもなるのかぁ?」


「なっなにっ言って!??」


ニヤニヤとしながら言うカインに口を隠しながら真っ赤になる。


「………」


なんとも言えない表情で見つめるエリシア。

未だ自分の気持ちには気づいていないようだ。


工房から音が消えた。


――ガチャ


扉が開き、ゴメスとレオンが出てくる。


二人とも疲労困憊の状況だった。


「できたぜ」


ゴメスが小さく言う。


全員がレオンの左腕に目をやる。


そこには……


肩口から銀色に光る腕が伸びていた。


淡く光を放っている腕に全員が見入ってしまう。


「コイツは特別性だ……魔鉱石とミスリルを併せて作り上げてる。魔力伝導が良いから思ったとおりに動く!アリの眉間だって指で突けるぜ。おまけに精霊力を吸収使用する仕組みも入れておいた。今のパワーだけで無く、レオンがレベルアップしていけばいっしょに強くなってくれる。言わば、成長する義手だ」


「おぉ!すげえ」


「流石は親父じゃい…」


「レオン様、良かったですね!!」


「ぶ、分解したい…」


一人不穏な事を言っているが、全員が義手の出来上がりに感心していた。


「コイツは…おまけだ」


そう言って取り出したのは巨大な戦斧。


左右と上部、3枚の刃があり、中央には赤い宝珠が着いていた。


「おもちゃ見てえな武器だがないよりはマシだろ」


そう言ってガイダルに斧を渡すゴメス。


「ふざけんな!何が「おまけ」だ!これ作んのにこの腕必要だっつって1日で作った後、ずっっっと俺を付き合わせてたじゃねぇか!むしろメインこっちだろが!!親バカ全開じゃねぇか!!」


今まで静かだったレオンが吠えた。

新しい左腕で指差す動きは元々自分の腕だったようだ。


どれほど腕を動かしても機械音や金属の擦れる音すらしない。


金属である筈なのに精霊の力か、暖かみすら感じるのだった。


「…親父……」


感動で目を潤ませるガイダルとズッコける面々。


「…あぁ、まぁ、なんだぁ、その…な……」


頭を掻きながら向き直るゴメス。


「コイツは、精霊の斧「剛神」だ。俺の生涯最高傑作だ。巨人のパワーと精霊力の向上を併せ持った武器だ。世界唯一お前だけの武器だ…持っていけ」


「おう!!感謝するぞい」


「うるせぇ……黙って持ってけ」


こうして勇者一行は新たな力を手に入れたのだった。


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