第三十二話 竜が住まう場所
1週間後。ファティアの部下から話が。
「明後日出発します。迎えに行くので待っていてください」
「了解しました」
2日後。
部下の人と一緒にドラゴン達がいる広場、ではなく城の地下へ。
「あれ? 出発じゃないんですか。ドラゴン達は広場にいるようですけど」
「王族、ファティア様が乗りますからね。こっそりと」
「そっか。最近物騒ですからね」
1つが車ぐらいの大きさがある樽の前に。
「さ、この中です」
「え? ああー、そういう」
樽の中は改造されて何人か入れるようになっていた。
「だーっはっは、どうだ! 樽の中に人がいるとは思うまい!」
ファティアがすでに中に。
「案外広いしいいね」
「ドラゴン達のところへ運んでー!」
俺とファティアと数人の部下乗り、樽はドラゴン達がいる広場へ。
『では出発する』
「ズオオォッ」
「おぉ、浮き上がったかな」
「シュッパーツ!」
「残念なのは景色が見れないことか」
「ふっふっふ、天井の侵入口を開けて見れるよ」
「顔を出しながら出発だと乗っていることがバレてしまいますからもう少し後で」
「はーい」
しばらく談笑。
「なんか寒くなってきましたね」
「どうぞ、防寒具です」
「どうも」
「竜の国も寒いの?」
「いや、暖かいところだよ。ここはかなり上空だから寒いんだ」
「なるほど」
「そろそろいいかなー。カパっと」
天井に小さい穴が空き、そこから顔を出すファティア。
「いい景色だ! ロイも一緒にどう?」
「どうぞロイ様」
「どれどれ」
樽から顔を出す。
「お~、絶景だな。サイファーだとここまで上空に上がらないからな」
「でしょ!」
しばらく景色を堪能した後、中に戻り食事。
「3日位だっけ?」
「そのくらいだね」
3日後。
「そろそろかな」
「見てみようか」
大きな山々がある中、少しだけひらけている場所があった。
「あそこか」
「そそ。空からしか行けないドラゴンの国」
「いっぱい飛んでるな」
「あれ全部ドラゴン」
「ふへー」
2時間後、ドラゴンの国に到着。
『着いたぞ、ファティア王女』
「ほいー、お疲れ様!」
「いるいる、たくさんいるなー、ドラゴン」
平原で寝ているドラゴン、洞窟へ入っていくドラゴン、森の中でくつろいでいるドラゴン。いろんなドラゴンがいた。
『王がお待ちだ。王座の間へ』
ドラゴンの後をついていく。森の中へ。奥には普通のドラゴンより更に二周二周りは大きいドラゴンが、苔むした岩の上に鎮座していた。
『よく来たな、ファティア王女』
「お久しぶりです、ジルコ王」
『さて、仕事の話を』
『例の金属作成の件、許可を出そう』
「ありがとうございます」
『そして報酬は金銀宝石で』
「了解しました」
『話は以上だ。長旅で疲れたろう、ゆっくりしていくといい』
「はい」
王座の間から出る。
「金銀宝石でいいのか」
『人間界で流通しているものが欲しくなったとき、これを売ってその金で買ったりしているんだ』
「ほほぉ」
『大昔、そちらの流通通貨を使って取引していた時期もあったらしいが、国が滅んでもらっていた通貨が使えず大損したことがあったていう話だ。それ以来宝石等にしたとか』
「なるほど~」
「戦争が長く続いた時があったんだよね。その時かなぁ」
『向こうに晩御飯を用意してある。いこうか』
テーブルの上にはフルーツがどっさり。
『好きなだけ食べてくれ』
「おー!」
『食べ物関係は問題になるかもしれないな。技師だけでなく料理人が必要かも』
「確かにそうだね。コレ滅茶苦茶美味しいけど料理が食べたくなるときもあるだろうし」
『肉なんかも我々は生でガブっといくからな』
「ワイルドだ!」
『ん、あいつは』
上を見上げるドラゴン。上空では高速で飛び回るドラゴンが。少ししてこちらに。
『レフトレスってのはいる?』
「ああ、連れてきてないよ」
『国家機密って話だったな』
『そうだよなぁ、残念』
「どしたの?」
『おれっち、戦闘能力は大したことないんだけど速さ勝負では誰にも負けたことないんだ。んでそのレフトレスってのは早いって聞いたんだけど』
「ウズウズ」
(ハ! ロイ様!?)
「!?」
「お、音より早いって聞いたよ!」
『音より!? すげえ! 俺より早いな!!』
『よっしゃー! 鍛えるか! じゃあな!』
ドラゴンは飛び去った。
(ふぅ、さすがファティア様、気がついてくれましたか)
(ダメですよ、ロイ様。人間がコレしかいないんだから誰がレフトレスかすぐばれちゃいますよ)
(はい)




