第三十話 魔獣の襲撃
それから1ヶ月。
「今日でオールミスリルだ!」
魔戦機屋へ。
「おう、ミスリル、いつものやつだな!」
「おねがいしまーす」
「オールミスリルか。ギルドで受けられる仕事が増えるな」
「はい。馬車の護衛とか出来るようになるんでしたね」
「他色々あるからギルドで確認してみるといい」
早速ギルドへ。依頼掲示板を眺める。
「なになに、〇〇村防衛の仕事、△△さんの護衛」
「ふむ、護衛、防衛等の仕事が選べるようになったか。得られる金額は結構いいね」
「しかしお金には余裕が、さらに防衛、護衛だと経験値が入らないから正直微妙かぁ」
(では、いつも通りパーティ討伐を?)
「いや、今回は一応一通りやっておこうかなと思う。人と組む仕事は覚えておいて損はないしね。後々役に立つかもしれないし」
(なるほど)
まずは護衛のお仕事を。今回は貴族達の護衛。
「ではよろしくおねがいします」
バカンスを終え家に帰るとのこと。
「俺が指揮をとる」
この仕事に慣れてそうな魔戦機乗りが次々と指示を出す。
「では出発」
仕事は順調、特に問題もなく貴族の人達を送り届けた。
次は村の防衛。溶岩に埋まってしまった街ラタルは復興が難しいため、その近くに新しく作られている村の防衛だ。
「……」
「はっはっは、暇そうだな」
「いえいえ、魔獣が来ないってのはいいことですよ」
「わかるぞ、若い頃はバチバチいきたいよな」
数人の衛兵と依頼を受けた冒険者が交代で村を守る。現在は11時。
「街の進捗率は30%ってところだな」
「まだまだかかりそうですね」
1週間後、お仕事終わり。
今度は馬車の護衛。魔戦機乗り用の馬車に乗り込み出発。
(基本的に暇、というか平和な仕事が多いですね)
(まあ、防衛してるからぞ! って見せれば基本的には襲ってこないよな。抑制になっているというか)
「グワーーン」
「ん?」
狼のような魔獣達がこちらに向かって走ってきている。
「げ! 「クリスタルタスク」じゃねえか! 厄介なやつが来やがった」
「アダマン以上は足止め、ミスリル以下はそのまま一緒に逃げろ」
(ロイ様)
(ああ、あの戦力じゃ負けるな。だが魔戦機なら食われないしなんとかなると思う)
(ただ、どちらにせよ片付けたほうがいいだろうからスキを見て馬車を出て救援に向かう)
(はい)
(と言ってもこの魔戦機用の馬車に乗っているのは俺だけだがな)
次々と馬車から降りていく魔戦機。
「行くぞ、野郎ども!」
そのまま魔獣の群れへ突っっこんでいった。
その場から逃げて少々時間が過ぎたところでこっそり出撃。
「いくぞ、アイ」
「はい」
ひとっ飛び、魔獣たちと戦っている戦場が見えてきた。
「ぐぅ!」
「バキャーン!」
アダマン魔戦機の腕がクリスタルタスクに食いちぎられた。他の魔戦機も各部位に傷を負っている。劣勢、ほぼ負けペースか。
「あれは!? レフトレス!?」
「グギャン!」
高速で通り抜けながらクリスタルタスクを5体倒した。
「何者かわからんがうちの守護神だって話だ」
「しっかし、とんでもなく強え」
その後もクリスタルタスクを倒し、最後の一匹に。
「他のやつより少し大きい。この群れのボスかな」
近づこうとしたとき。クリスタルタスクは大きく息を吸い込んだ。
「ギュワーーーン!」
「さっきの咆哮か! 一時的に映像が乱れて周りが見えなくなった攻撃だ!」
「これではレフトレスも、ってあれ」
「問題なく動いてるな」
「なんでだ?」
「考えられるとしたら咆哮より早く動いてかわしたとか」
「んなこと出来るわけ……」
「やはり、音波系の攻撃でしたね」
「ああ。だが残念だがサイファーは音速より早い」
「このまま片付けるぞ」
クリスタルタスクに向かって突進。
「グワン!」
ヤツの攻撃をかわしながら横にまわりこみ、回転しながら飛んで胴体に連続の突きを放つ。
「針連突」
着地後、剣を上に振り抜く。
「ズパーン」
クリスタルタスクは半分に分かれた。
「おし、馬車へ」
先程の馬車にこっそり戻る。
「ふぅ、うまくいったかな」
2日後、城の地下へ。
「クリスタルタスク討伐の報酬ね。受け取って」
「いいのに」
「どちらにせよロイに頼んでいた可能性があるから。気にせず」
「それよりも見たこともない金属が見つかってね」
「ほう?」
「前にラタルの街を襲った溶岩、その溶岩があった下に金属が。あの化け物が溶岩を吸い上げたおかげで発見できたようだね」




