第二十話 敵対
「興奮しているし話しかけても無理かもしれんな。となると他の判別法で」
「やつの前方に行く必要があるな」
「はい」
フルバーストでドラゴンの前へ。
「喉元に逆鱗があった。フィアスドラゴンだ」
逆鱗。全鱗のうち、一つだけ逆さに生えている鱗。基本的に喉元に生えている。ウィズライズの世界では逆鱗を持っている方はフィアスドラゴンとされる。
「ズヴァーーーン」
「おっと」
炎のブレスをかわす。
「倒しても問題なさそうだ」
「そうですね。放置しておくと被害が広がりますし」
あたりを見渡す。木々が焼け火事になっている。
「だな」
「グォーーン」
前爪の攻撃をかわし、ドラゴンの首元へ。
「悪いな」
「シュワン」
一閃。ドラゴンの頭と胴体が離れ離れに。
「お見事です」
「ふぅ、お終い。手はず通り、待機している部隊のところへ」
「はい」
俺はそこから飛び去った。
(あれがレフトレスか。噂通りの化け物機体だ。奴対策をしっかりやらないとな)
(ドラゴンを回収したいが近づくのは危険だな。アレは、まあバレてもいいか。さて、帰るとしよう)
「フヒュン」
3日後。ファティアに呼ばれお城の地下へ。
「ドラゴン退治、ご苦労さまー」
「ほむ」
「それから1つ、問題が起きてね」
「逆鱗を確認したしフィアスドラゴンだったと思うけど」
激昂したワイズドラゴンは話し合いができないこともある。彼らも結構短気。そのためこの手のトラブルは昔からよく起きていた、と聞いている。
「そっちじゃなくて」
「ドラゴンの頭部に巨大な針が刺さっていてね」
「そんなものが」
「調べたところ呪術的なアイテムのようだった」
「操られていた可能性が高いかな。そしてその技術を持っている思われるある組織」
「ある組織?」
「秘密結社「ゼラーン」。魔核を使うのは不浄、生身こそ至上とし、昔ながらの魔法や技術でこの世界を生きている集団」
「そんな人達がいるのか」
「最近はおとなしかったんだけどねぇ」
「説明通り魔核を嫌っているから魔戦機に乗っている人とは敵対関係。厄介なのは一般人と区別がつかないところ」
「これまた面倒な相手だな」
「そーなんだよねー。もう少し調べてみるけど、核心にはたどり着けないだろうなーってのはある」
「ふむ」
「とりあえず気をつけて。今のところゼラーンに襲われたって報告はないけど」
「了解」
心配を他所に、それから何事もなく平和に時が過ぎていく。
半年後。
「今日でいよいよオール金!」
「おめでとうございます、ロイ様」
銀のときと同じようにボディと脚はすでに金に。
「ゴー!」
魔戦機屋へ。
「頭、腕を金ベースに。スタンダートタイプね」
「お、オール金か。おめっとさん」
「アリシャス」
(後冒険者ランク5にすればレイドを受けられますね)
(そいやそうだね、後どのくらいで5になれるかギルドの方で確認してみよう)
ギルドの受付へ。
「はい、ロイ様ですね」
「そうですね、後討伐パーティ狩を20回ほどで」
「了解しました」
それから一ヶ月後。
「おーし! ランク5になれるぞ!」
ギルドの受付へ。
「ランク5になるには試験を受けて合格する必要があります」
「おー、試験があるのか」
「ランク5試験はいつでも受けられます。どうします?」
「どんなことをやるんです?」
「単純に腕を見るだけですね、魔戦機の」
「それならすぐにでも」
筆記試験がなくてよかった!
「では少々お待ち下さい」
程なくして受付の人が帰ってきた。
「お待たせしました」
「おう、試験管のゴモリだ。よろしくな」
「よろしくおねがいします」
「じゃあ魔戦機に乗って訓練場の方へ行こう」
「はい」
訓練場へ。
「お、今日は空いてるな」
ゴモリさんの乗る機体はアダマンタイト。強さ順だと金、ミスリル、アダマン、オリハルコン。ミスリルの1個上。俺の金からは2つ上。かなり格上だ。まあ試験だから勝つ必要はないだろうけど。
「ルールはコロシアムと一緒だ」
「いつでもいいぜ」
装備は剣に盾。俺は相変わらず剣の二刀流。
「いきます」
走って近づく。
「ガシャシャン」
「ほう、早いな」
ゴモリさんにフェイントの突きを放ち、盾を持っていない側へ。
「双天下」
ゴモリさんの腕に向かってに2剣を振りおろす。
「ぬおっ」
ヒョイッとかわされた。
「まじかー、同ランクなら今ので負けだな」
「あれをかわされちゃうかー。よーし、次!」
「あ、合格で」
「へ?」
「合格」
「あ、はい」
受付へ。
「お疲れさまでした。ランク5に昇格です」




