第二十一話 レイド
「これでレイドに」
「レイドは不定期開催ですけどね」
「でしたね」
受付から離れテーブルについた。
「おめっとさん。レイドに行けるようになったようだな」
「どうもっす」
先輩冒険者に話しかけられた。
「レイドって妖精がどうのこうのって話でしたよね」
「ほとんど理解してないじゃないか。まあいいけど」
「そうだ。妖精が土地を浄化する際に土地についた邪気を固めて生まれた化け物。それを俺たちが退治する」
「んでそいつを倒すと土地の浄化ってことになるわけですね」
「うむ。だから時期としては邪気がたまったらレイド開催ってことでもある。人間には邪気のたまり具合はわからないけどな」
「そのへんが不定期開催の理由なわけですね」
「それから一応時期が決まっているレイドもある。季節モノってやつだ。まあそれでも一ヶ月くらいずれる場合もあるから不定期みたいなものかな」
季節モノか。ゲームでよくあるクリスマスとかバレンタインとかそういう系統かな。
「妖精さんがレイドを開催したくなるとこちらに要請しに来るんだ。ちっこくて可愛いぞ」
「見たことあります」
人型で小さく、羽が生えている。元気に飛び回っているのを見た。
「基本ドロップはないんでしたっけ」
「稀に落ちる。が、その全てが邪気をまとっている。言わば呪われたアイテムだ」
「妖精さんにお願いすれば浄化できるから問題ないけどな」
「へー、そんなものが」
「出たらオークションが開催される。つまり手に入れるにはお金の力が必要だな」
「世知辛いっすね」
「んでもそのお金が俺たちの懐に入るわけだから出たら儲けにはなる」
「ふむふむ」
「まあ、のんびり待ってな。そのうち開催されるさ」
それから2週間。
「ふぃー、今日は魔獣が大量だったな」
「たしかに」
討伐の依頼を終わらせ街に入りギルドへ向かっている最中。
「ん? ありゃ妖精さんだな」
「ほんとだ」
数体の妖精がゆったりと飛行している。
「お城に向かっているぜ。邪気退治の要請かな」
「レイドかな」
「かなー。レイドは一応国営だからね」
翌日。ギルドの掲示板にレイド募集の文字が。
「なになに、「アウターの森でレイジングファング討伐。期間は一週間。パーティを組んでから申込ください」とな。先にパーティを組んでからか」
知り合いに片っ端から声をかけパーティを組んだ。
「応募するぞー」
「あいー」
リーダーが受付に申し込む。
「レイドですね。少々お待ち下さい」
「はい、皆さん参加できますね。ではこちらの用紙にサインを」
「さらっと」
「レイドは3日後。街の入口付近に集合、10時出発です。初参加の方は出発の2時間前に来てください。簡単な講習があります」
「わかりました」
3日後、街の入口へ。
「おう! レイド初心者共! これから講習を始める!」
2時間後、講習終わり。
「そろそろ出発の時間だ。各自準備を」
パーティのところへ。一緒に馬車に乗る。
「50パーティくらいあるか。すごい数だね」
「今回は少ないくらいさ、多いときは100を超える」
「へー」
馬車の大集団はアウターの森へ出発。
2時間後到着。
「討伐は明日からだっったな」
「そうだ。今のうちにここでの暮らしに慣れておけ」
「国が食と寝る場所を提供してくれるなんてね。なかなか太っ腹だな」
「ってわけでもないらしいぜ」
「ほう?」
「妖精との取引でガッポリ儲けているらしい。例えば妖精油とか」
ファティアならそのくらいやるな。
「まあ、金払いがいいし文句はないけど」
「だな」
数時間経って晩ごはん。200人以上の人達と一緒に食事、なかなか壮観だ。寝る場所はテント。国軍の人達が護衛してくれるからぐっすり眠れる。
翌日、いよいよレイド。皆魔戦機に搭乗。
「はーい、妖精さんはこちらでーす」
1パーティに1体の妖精。妖精さんは邪気を固めてレイジングファングを作り出す。早い話が沸かし役だ。
その妖精さんがズラッと一列で並んでいる。かわいい。
「一体ください」
「はーい、出来るだけ戦闘場所は広めにとってくださいねー」
妖精を連れ森の方へ。
「この辺でやろうかな」
「さんせーい」
「妖精さーん、一番弱いやつ、Cランクで」
コクリと首を前に傾け、森の方へ飛び去っていく妖精さん。かわいい。
ほどなくして黒色に発行する綿菓子のような塊を持ってこちらへ。
「うおっ、禍々しい」
「アレをこねこねするとレイジングファングができるわけさ」
妖精さんが必死にこねこね。少しして姿は真っ黒、大きな角に大きな牙、虎っぽい魔獣が姿をあらわした。
「グロゥーワー!」
雄叫びを上げた。妖精さんはその場から逃げ俺たちの後ろに。
「さて、狩りをするとしよう」




