第十八話 暮らしと魔戦機
「やー、強いとは聞いていたがここまでとは。まるで歯が立たなかった」
「あの機体はどこで?」
「すまないがそのあたりは秘密にしているんだ、ルル」
「ふむ、そうか」
「ロイは複雑な事情を抱えてるんだ。もしかしたらいつか話せる時が来るかも」
「訳あり、だな」
「ところでルルの装備ってどこで作ってるんだ」
「アレは街の魔戦機開発をしているところで作っている」
「ほほう」
(やはりこの世界オリジナルのようですね)
(だな)
「んで私のカルミヌスとその装備は国の開発機関で作られているんだ」
「そっちは他国には秘密にしているわけか」
「完全に秘密ってわけでもないけどね。ある程度強さをアピールしておくことも大切だし」
「牽制になるな」
「そゆこと」
(オリジナル魔戦機か、欲しいな)
(まだまだ先になりそうですが)
(確かに)
「おう、ロイ!」
「これはこれは、ブルックス王子」
「まさか完全敗北するとは思ってもみなかった。上には上がいるものだ」
「兄さんも強いんだけどね」
「ルルよりちょっと弱いくらいだからな。この国じゃ近接No.2だと思うが」
「これではNo.3に格下げだ」
「ハハハ、ただ私は訳ありですから」
「わかっている。そのあたりはファティアに任せる」
「はい、兄さん」
(ただ最近ファティアが強くなってきた気がするんだけどなにか知ってる?)
(ああ、そこもちょっと……)
「はっはっは、まあいい」
「酒宴、楽しんでいってくれ」
「はい」
その後は夜遅くまで料理とお酒を楽しんだ。
次の日。
「今日は観光を」
(そうですね。ここ一ヶ月仕事ばかりでしたから。前の街でも仕事ばかりでしたが)
「元々好きでウィズライズをやっていたからな。仕事と言っても楽しいのよ」
「命がかかっているっていう緊張感は当然あるけどそれがまたいいスパイスになるというか」
「天職なんだろうな」
「まあ、それでもたまには違うこともってね。話のネタになるだろうし」
「さて、どこへ行こうかな。行ったことがない場所となると鉱山区かな」
馬車に乗り鉱山区へ。
「入口付近は魔戦機屋が多いな。他人間用の簡単な鍛冶屋か」
(奥には鉱山があるようですね)
「どうせなら鉱山から行ってみるか」
馬車で鉱山へ向かう。
「うはー、魔戦機多いな」
魔戦機が鉱石を山の中から運び出している。
(力仕事では魔戦機が使われることが多いようですね)
「見学の方ですかな?」
先ほど馬車で一緒だったおじいさんに話しかけられた。
「はい、そんなところです」
「私はこの鉱山を管理している者です」
(うは、大物だな)
(ですね)
「これはこれは」
「昔はこれを人力でやっていたんですよ。今考えると信じられないですよね」
「鉱石の掘り出しも魔戦機ですか?」
「もちろんです。むしろそちらがメインといいますか」
「様々な危険が潜んでいるんですよ、鉱山はね。人間なら即死する毒ガスなんかも魔戦機ならまったく問題ない。ホント良いものを先人は作ってくださった」
「まったくですね」
「それに――」
鉱山、魔戦機のことを色々教えてくれるおじいさん。
「おっとこれはこれは。話が長くなってしまいましたな」
「いえいえ」
「そちらの「鉱山記念館」で歴史、現在やっていることなどを知ることができます。是非寄っていってください」
「はい」
「それでは」
ちらっと鉱山記念館に寄り次の場所へ。
「次は農業、畜産区へ。何でもあるな、この街は」
「へー、牛はあーやって使うのか」
馬車から牛が土地を耕しているのを見かけた。
「農業、牧畜だとあんま魔戦機は使わないんだ」
馬車に相席していたおじさんが教えてくれた。
「力仕事は牛がしてくれるからね」
「なるほど」
馬車から降り、お土産物屋のようなところへ入る。
「チーズに肉にお酒に野菜に。ここで暮らしたいな」
「らっしゃい! お肉安いよー!」
ちらっと眺める。豚肉、鶏肉、羊肉、ヤギ肉。おや、これだけあって牛がないな。
「牛は無いんですね」
「牛は労働力だからな~、後乳」
ああそうか。中世だと肉用じゃないんだっけ。どこかで聞いたことがあるな。
「そうでしたね」
お酒とお肉を買う。
「後は果樹園か。まあまた今度にしておこうかな」
宿屋へ。
「女将さん、このお肉適当に料理して」
「あいよ。お、良い肉ね。まってて、腕をふるってあげる」
食堂で買ってきたお酒を飲む。
「うまいな」
さらに買ってきたチーズ。
「うまい!」
「おまち!」
「うまーい!」
こうして俺の休日は過ぎていった。




