第十七話 血気盛んな魔戦機乗り
「ロイです。よろしくおねがいします」
「ファティア王女からそんなに歳は変わらないと聞いている。普通に会話してくれて構わない」
「わかった」
「しかし、ホント聖女様なんだね」
「ん? ああコレか。ただのファッションでもう聖女は辞めたよ」
「そーなのか」
「王女がな何か売りが欲しいって言っててな、それで昔聖女だったからってことで」
「なるほど」
「元聖女なのね」
「そうだ」
「昔、魔獣に襲われてね。祈っていても相手を倒せないしで仲間達がどんどん魔獣の餌に。祈りをやめて走って逃げたらその魔獣を追っていた魔戦機達に会ってね。なんとか助かった」
「それから神様に仕えるのをやめちまったってわけさ」
「そうか。悪かった、つらい過去を思い出させてしまって」
「いや、いいんだ。そもそも辛ければ戦う聖女なんて二つ名はつけないだろ」
「それはそうだが」
「気にしないでくれ。それよりもこの後の戦闘、楽しみにしてるよ」
「どこでやるんだ? とりあえず王城へ向かっているようだが」
「はっはっは、それは着いてのお楽しみだ」
「?」
馬車は城の敷地へ。
「到着しました」
「私めについて来てください」
言われた通り後をついていく。階段を降りていく。
「地下か。そこで会うのかな、慎重にってとこか」
「ちょっと違うな」
しばらく階段を降りる。どうだろう、地下十階くらいまで降りただろうか。
「ここです」
大きな扉から光が漏れている。一体なんだろう。
扉を開ける。
「ようこそ、王城地下コロシアムへ」
扉の奥には広い空間が。
「ふえぇー、コロシアムになっているのか」
「地上にあるやつと比べたらさすがに小さめだけどな。それでも思う存分戦える広さはあるだろ」
「ああ、充分だ」
「ん、すでに魔戦機が?」
競技場に一体の魔戦機が。
「よく来たなレフトレス! 俺はリンデ国王子ブルックスだ! いつでも来い!」
「はは、ブルックス王子は血気盛んな性格でして」
「バトル好きなんだよねー」
この声は、ファティアか。
「久しぶり! 元気だった!?」
「ああ。ファティアは、聞くまでも無さそうだな」
そして隣には大柄な男と女性が。
「リンデ王のエクスだ」
「その妻サラよ。よろしくね」
「これはこれは」
片膝をつく。
「初めまして。ロイです」
「楽にしてくれ」
「はい」
「話は娘から聞かせてもらっている。強いんだってな」
「それほどでも」
「ブルックスが我慢できずに挨拶もせず魔戦機に乗ってしまっている非礼、お詫びしよう」
「いえいえ、お気になさらず」
「まったく、誰に似たんだか」
「あなたでしょ?」
「え?」
「え?」
「とにかくだ。申し訳ないがそのままバトルのほう、お願いする」
「承知いたしました」
「では控室の方へ」
控室で準備を。サイファーに乗り競技場へ向かう。
「おまたせしました、ブルックス王子」
「ロイです。よろしくおねがいします」
「ははは、それでは早速!」
言うが早いか、こちらに向かって突進してくる王子。迷いが無くなかなかはやい。
「シュバッ」
「ズワン」
一旦引いて剣撃をかわす。
「フルバーストで」
「了解しました」
今度はこちらが突進。
「な!」
王子の手前で回転しながら飛び上がる。その回転に乗じて剣を振り回し右腕、頭、左腕と順々に破壊。振り返りながら着地、同時に剣を振り抜き両脚を破壊。
「ガコン」
「うそだろ、強すぎる」
「前より強くなってない? ロイ」
御名答、レベルが上っているからな。プラス99だから。
「はっはっは、今度は私の番だな」
ルルがディアボルスに乗り競技場に。
「じゃあ始めるか!」
コロシアムの時と同じように罠をばらまくルル。
だが。
「んな! 飛んできた!」
飛べる俺には微妙な罠。当然厄介ではあるけど。間合いを詰めルルに斬りかかった。
「ズバン」
「そんな、この私が……」
王子と同じ様に脚、頭、腕を破壊。
「とんでもなく強くなってますね」
「ああ、これでまだ発展途上なんだよな。自分が怖いぜ」
「その割には満面の笑みですけど」
「お見事、ロイ!」
「ありがたきお言葉」
「さあ、この後は歓迎会だ。本来なら大々的に行いたいところだが他所の国に正体がバレたりするのはまずいからな」
「ここで歓迎会を」
「魔戦機から降りてくると良い」
控室に行きサイファーを返す。そしてまた競技場へ。
「おー、うまそう」
競技場では宴の準備が。テーブルが並べられそこに料理が多数。
「立食形式だ。好きなように食べて、飲んでくれ」
「はい」
「ふふ、ロイ。またよろしくね」
「よろしく、ファティア」




