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第十六話 鉄喰い

「勝者ロイ選手!」


「いいぞー!」


 今日はコロシアムで試合に参加。


(勝てましたね)


(結構苦しかったけどな。このぶんだとすぐに負けそうだ)


「お疲れさまです、ロイ様」


「えー、午後にもう一試合入ってますね。まだまだ先ですからお時間までご自由に」


「そーしよう。お昼にしようかな」


 ちょっと良いお店にしようかな。お金に余裕ができてきたから最近はいろいろなお店を試している。


「どこか良い店知らない?」


 受付さんに聞いてみた。


「うーん、おすすめと言いますか、景色がいいところなら。それと気軽な格好でも大丈夫なところですよ」


「教えて!」


 早速そのお店へ。


「いらっしゃいませ」


「2階でランチって出来る?」


「はい、ただ今空いております」


「じゃあそっちで」


 店の二階へ。


「こちらでございます。お好きなところへどうぞ」


「どうも」


「コイツはいい眺めだ」


 2階には屋根がない。ビアガーデンのような場所かな。今回はお酒を飲めないけど。


「おまたせしました」


 料理が来る。


「ふむ、美味しい。いやー、受付さんいいとこ教えてくれたなぁ」


「次回はお酒を飲みに来よう」


 景色を眺めながら食事をしていると街の入口の方で少々騒ぎになっているのに気がつく。


「んー、なんだ?」


「ありゃ、全裸の男女が多数」


 全裸で街の中に逃げ込む。


「なにかあったかな」


 食後街の入口へ。俺以外にも多数の野次馬が。


「鉄喰いが現れたんだとよ」


「まじかよ」


「鉄喰い」。金属を食べる魔獣達のことを言う。魔戦機からしたら天敵で、金属の身体を食べられてしまう。とは言え、金属を食べる魔獣に人間の体を食べる者はほぼいないため最悪魔戦機から抜け出して全裸で逃げれば大丈夫。勿論、他の魔獣に襲われる可能性はあるけど。


「こりゃあこちらにお仕事が来るかな」


(来そうですね)


 鉄喰い非常に危険。その魔獣の強弱に関わらず基本的に国の仕事になる。


「あー、今王族との付き合いはナシっていってたっけ。となるとどうなるかわからないな」


 試合の時間が近づいてきたためコロシアムへ。


「ロイ選手の勝利です!」


「ふー、勝った勝った」


「ロイ様、お仕事のお話が」


 試合後、ナーラに呼び出された。


「鉄喰いを始末してもらいたいの」


 ナーラから依頼が来たか。


「いいとも。で、情報は?」


「魔獣「ゴールドウルフ」。金を食べる魔獣ね。それが多数いたとか。場所はここ」


 地図を広げ指を指した。


「了解」


「今回わざわざ呼んだのは危険な任務だからってことで」


「気をつけるよ」


「うん」


 早速現地へ。


「人っ子一人いないな」


「魔戦機の天敵ですからね。慎重になりますよ」


「ゴールドウルフは確か……」


「ゴールドウルフ。金だけを食べる魔獣。ポイントは金だけを食べるってところですね」


「街に逃げてきた人達は金ベースの人達かな?」


「多分そうでしょうね。金ベースでは倒すのはきついんですよね」


「だったな」


「みつけた」


 黄金が平原を悠々と歩いていた。


「さて、片付けるか」


 ゴールドウルフのところに舞い降り即撃破。念の為周囲を探索、もういないかな。


「帰るか」


 街に戻りナーラに報告。


「お疲れ様、これは報酬よ」


「ありがとう」


「金ベースの人達は災難だったわね」


「国が保証してくれるんだっけ?」


「ええ、金属食いにやられた場合は国からお金が出るわね」


「全裸見られたってところがね」


「そこはつらいな」


 翌日、ギルドへ。

 そいや、ここのギルドで仕事するのは初めてか。そしてその仕事とは!?

 いつもパーティ討伐を。


「あーい、それじゃ狩りにいこー」


「はーい」


 レベル上げはこれが一番だからね。


「初めて見る顔だな」


「ええ、ここでは今日がデビュー戦ですよ」


「はっはっは、そうか。無理しないようにな」


 難なく狩りは終了。


「良い腕だ。また頼むよ」


「はい」


 褒められると嬉しいものだ。

 それから一ヶ月。


「お久しぶりです」


「ああ、ファティア王女の。一ヶ月経ちましたか」


「はい。ということで王と王子、ルル様に会っていただこうかと」


「いいですよ」


「ただ、戦闘ありですがよろしいですか?」


「おおう?」


「王子とルル様が是非にと」


「わかりました」


 二日後、指定された場所へ。


「お待ちしておりました」


「申し訳ありませんが積み荷と一緒に王城へ入っていただきます」


「慎重ですね」


「それからすでにルル様が乗っておいでです」


 乗る場所へ。ちゃんと座る場所がある、積み荷はカモフラージュのためだな。

 そして聖女のような服装をしている女性が乗っていた。


「ん? 君が例の」


「私はルル。よろしくな」

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