第十二話 限界突破
今日はファティアと一緒に仕事を。朝食後待ち合わせ場所へ。
「お、来たかー。まだ時間があるからくつろいでて」
(アイ、そろそろ彼女に俺の正体を話そうと思うんだが)
(良い時期かと。協力者がいたほうがこの先楽ができるでしょう。すでに協力者になっている気がしますが)
(だな)
「ファティア、話がある」
「どしたの?」
彼女に今までの経緯を話した。
「ほぉー。いや確かになにか隠しているかなと思っていたけど違う世界から来てたなんて」
「すまなかったな。慎重に行動していたんだ」
「そうだね。私もロイの立場だったら同じことしてたかな」
(後でパーティを組んで魔戦機のほうも説明しましょう)
(パーティを組めるのか?)
(問題なく組めます)
「ファティア、後で魔戦機についてもう少し細かいところを」
「わかった」
しばらくお喋り。そして出発の時間が近づいてきた。
「じゃあ出発する前にパーティを組もう」
「ふふふ、ロイと組むのは初めてだね」
魔法でファティマとパーティを組む。
「それでそれで! その場で呼べるんだよね!」
「そうだ」
サイファーを召喚、搭乗。
「そっか~、そうやってナーラを助けたんだね」
「彼女にもいずれ話す時が来るかもな」
ファティアもカルミヌスに搭乗。
「初めまして、ファティア王女。私はサイファーのナビゲータをしています「アイ」と申す者です。以後お見知りおきを」
「初めまして、ファティアです」
「彼女は一体?」
「わかりやすくいうと妖精さんかな? 機体に関してメッチャクチャ詳しい妖精」
「なんとなくわかった」
「アイとお呼びください」
「アイ、よろしくね」
「よろしくおねがいします、ファティア様。私はこういう語り調なのでお気になさらず」
「それからそれから。これがサイファーのステータスか」
「なにこれ、壊れてるの? レベル99とか」
「ファティアは60だっけ」
「60だよ。最大のハズなんだけど」
「俺がいた世界では最大99だったんだ。確かに60、80で限界突破しないといけないってのはあるけどね」
「限界突破のイベントは、謎の老人と出会うことだったな」
「はい。結局正体不明のままこの世界に飛ばされてしまいましたけど」
「んー、私も突破できる?」
「60になった後で宿に泊まるとその老人に出会う」
「会ったことないなぁ」
「この世界の人間は無理なのかもしれませんね」
「そのへんはおいおい」
「ぶーぶー」
その後魔獣を撃破。
「今日はここまで。おつかれー」
「お疲れ様」
街に帰ってのんびり過ごす。
翌日。
「ロイ様、ファティア様からのお呼び出しが」
「いこう」
街の公園に。
「どうした?」
「それが、昨日の夢に変なおじいさんが出てきてね」
「もしかしてモヒカン、頭の真ん中だけに髪があって、それがそそり立ってた?」
「それそれ」
(そのファンキーな出で立ち)
(間違いなく謎の老人かと)
「謎の老人だね」
「ってことはレベルが上がる?」
「かもしれない」
(どう思う、アイ?)
(サイファーとパーティを組むことでそのイベント発生に何らかの作用を及ぼした、といったところでしょうか)
「んー、今後の経過次第かな」
二日後。
「レベルが上った! 61になったよ!」
「ん、はやいな。ああ、レベル60で経験値がマックス、後1で上がる状態だったのかな」
「そんな感じかな」
「なんにせよまだ強くなれるのは嬉しい!」
「ハハ、おめでとう」
「だけど厄介でもあるかな。私も今後は組む人間を選ばないと」
「そうだな、その話が広がると厄介だな」
「まあ、元々単機行動が多いけど」
ファティアと別れて魔戦機屋へ。
「さーて、銀ボディと脚を買うぞ」
(早かったですね)
「ファティア、ナーラさまさまだな」
「らっしゃい」
「……」
(どうしました? 買わないんですか)
(いやぁ、よく考えたら銀パーツ全部変えるなとおもって)
(全部買うと生活がしばらく苦しくなりますよ?)
(そうだよな)
(……)
(やっぱ買う!)
(ロイ様!?)
「おやっさん、銀パーツ、スタンダード、全部で!」
「あいよ!」
(……ロイ様)
(欲しかったんだ。スミマセン)
(フフ、別にいいですよ。この世界に来てから人間らしいところを見れてむしろ安心しています。前は強くて荒々しいところしか見ませんでしたし)
(ゲーム中は強気だったからな。現実はこんなもんさ)
(まあそれにお金がなくて苦しむのはロイ様だけですし)
(ひど、くはないな。自業自得ですよね)
(はい)
肩を落とし魔戦機屋を後にした。




