第十一話 暗殺
翌日、ナーラに呼び出され彼女の家に行くことに。
「大きなお屋敷だ」
(かなりお金持ちのようですね)
門番に話しかける。
「ロイ様ですね。こちらになります」
「はい」
門番の後をついていく。
「それにしてもお大きなお家ですね」
「ははは、これでも別荘なんですよ」
「これで別荘!?」
(フフフ、ウィズライズ最強の戦士もお金の力の前には)
(やめて、悲しくなるから)
途中魔戦機をいくつか見かける。
「あれは医療用でしたっけ」
「そ、そうです。ナーラ様はそちらの方にも出資しておいでで」
「へー」
「こちらの部屋でお待ち下さい」
ほどなくしてナーラが部屋に。
「お待たせ。よく来てくれたわね、ロイ」
「昨日ぶり」
「今日呼んだのは特に用事ってわけじゃないけど、ビジネスパートナーとして仲良くなろうというか、まあ、有り体に言えば接待ね」
「そうか。ここまでしてもらえるなんて、ありがたいことだ」
「本当ならもっとサービスしたかったんだけど本業が忙しくてね。今ここにいるのは私と極少数の部下だけなの」
「あなたに早く会いたくて急いできたのよ」
「はは、そこまで買ってもらえるとは」
「当然でしょ。ファティアを倒したんだから」
その後しばらく談笑。
「なかなかお料理が来ないわね」
「ガシャン、ガシャン」
(アイ)
(はい、この部屋の外に魔戦機が数体居るかと)
(彼女が罠を仕掛けたか?)
(それにしては素な気はします)
(だな、直接言ってみるか)
(ナーラ、この部屋が魔戦機に囲まれているようだが)
(医療用魔戦機ならたまに通る……、もしかして)
「ドゴーン」
「ナーラ! 死ね!……、いない? その家具の後ろか」
「調べた通り、こっちからでは扉が頑丈で侵入できそうにないな。くっく、まったく無駄なことを」
隠し通路を走って逃げる俺とナーラ。
「商売敵、あるいは私を嫌っている者達かしら」
「こーいう商売をしていると敵が勝手に増えてね」
「大変だな」
「逆恨みも多くてね」
聞いている感じでは彼女はアコギな商売をしているわけではない。むしろアコギな商売をしたいやつが彼女をうっとおしがっているのだろう。
「ガシャン、ガシャン」
進行方向から魔戦機が歩く音が聞こえてきた。
「だめか。前からも。こうなったら」
少し戻ってナーラは通路のレンガブロックを一つ抜き出した。すると隠し部屋が。
「ここに隠れて」
「ふたりとも隠れるとしらみつぶしに探されてみつかる可能性があるから私は行くわ」
「いや、俺が行こう」
「それはダメ。今回は私の責任でもあるから、アナタを巻き込むわけには」
なかなか頑固だ。真面目な子だな。ここは少し強引に。
「な、ちょっと!」
彼女を持ち上げ部屋の中へ。
「今は言えないが、とにかく大丈夫だ。俺を信じてくれ」
「は、はい」
隠し部屋の扉をしめる。
(アイ、地下でもサイファーを呼べるよな?)
(もちろんです)
(頼む)
(了解しました)
(猛り荒ぶる魔戦機の王よ。我が主の前にその姿を見せよ)
(出でよ サイファー)
「くっくっく、あの女もいよいよ最後か。俺達をなめた罰を受ける時が来たな!」
「シュワン」
「ん?」
「なんだ? お前、両腕はどうした」
「どうしたって、あれ?」
「シュリュン」
四体の頭、腕、脚を破壊。
「なんだ!? どうなってんだ!?」
「ぬおー、狭い!」
「さすがです。こんな狭いところを高速で動き回るなんて」
「かなり怖いけどな」
「ズワン」
地下の入口から外へ出た。
「どうだった? って、なんだ、この黒い機体は!」
「ズバン」
入り口にいた二体を撃破。
「部屋を囲っていた奴らも片付けるか」
部屋を取り囲んでいた魔戦機を見つけ出し片付けた。
「一体何が!?」
「これで片付いたかな」
「逃げられないようどこかに閉じ込めましょう」
「そうだな」
それでも何人かは逃してしまった。しかし「全裸のおっさんが街を走っている」という通報が守衛に入り違う意味で逮捕。テンパっていたんだろうな。
「大丈夫だった? ナーラ」
心配そうにナーラに話しかけるファティア。
「ええ、ロイが助けてくれたわ」
「そのロイがナーラを殺したってことにしようとしてたみたいだね。ロイも殺して相打ちにしようとしてたとか。全部ロイにかぶせるつもりだったようだよ」
「わっるいやつらだな」
「しばらくは私のところで」
「そうする」
「部下たちは「ファティア王女から仰せつかった者達です。今回は私達が協力しますので皆さんはごゆっくりしていてください」って言われて交代してたみたいね」
「なんにせよ一件落着か」
「ところでロイ、私の専属ボディガードにならない?」
「ん~、色々あって自由がほしいんだ。悪いが」
「フフ、冗談よ」
「? そうか」




