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砂漠での戦闘~モンドゴリアワーム~

 馬車を攻撃したモンスターを視界に入れる。

 その瞬間、ヒラタの全身の鳥肌が立った。




 うん、あれだな。これ。


 そう。つまり、そうさ。うん、異世界は辛いね。


 さぁて、発狂しますか。



「ギイヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」



 キモいキモいキモいヤバい。

 ムリムリムリムリマジで無理!


 描写するのもおぞましい。


 なんなのあれ?

 化け物?小腸の化け物?


 マジで無理生理的に無理。


 あ、これ夢に出るわ。絶対。


 マジでさ。もう無理、マジで無理。


 二十九歳のおっさんでもマジで無理。

 いや、二十九歳はおっさんじゃねぇ!

 いやそれよりアイツどうすんの、マジで無理!







 いや~ヒラタがパニくってるから代わりに私が目の前の怪物について解説しようじゃぁないか!


 やぁ!みんな。十三話でも登場した謎の語り部Xだよ!


 覚えてない?はは、またまた冗談を。


 とにかく、今回はヒラタの代わりに目の前のモンスターの外見を描写するのが私の役目である!



 目の前のモンスターについて!




 ヒラタが目にしたモンスターはチンアナゴのように砂から身体を出している。

 ミミズもしくは小腸のような姿で身体全体がぶよぶよしている。

 そして、ピンク色である。


 五メートルはあろうかという巨体。


 先端には裂けた口がある。

 口から覗く歯は肉食の生き物のそれで、今まで多くの生き物を喰らってきた事が分かるでしょう。


 口内は紅。


 しかし、口内に舌はない。

 必要無いからだろう。


 そしてあるべき場所に目は無く、あるべき場所に鼻も無い。


 極めつけはとても臭い。


 腐った肉にアンモニアを掛けたような臭いで、嗅げば吐き気を催す事間違いなし!まぁ、ヒラタは基本、吐かないのでそこら辺は大丈夫。車酔いはするようだけどね。



 では、そろそろヒラタが正気を取り戻しそうなので、私はここで!


 以上!謎の語り部Xでした!






「ペン!ペン!ヒラタ!起きるペン!」



 はっ!俺は一体、今まで何を!?



「ヒラタ様、大丈夫でしょうか?立ったまま気絶しておりましたが。」



 器用だな。俺。


 それにしても、くそったれ。

 気持ち悪いモンスターが出てきやがった。


 見るのも躊躇うくらいの気持ち悪さだ。



「あいつは............この砂漠で一番厄介なモンスターに見つかったようだよ。」



 この砂漠で一番厄介。

 確かに気持ち悪いけどさ!



「モンドゴリアワームですね。確かに厄介ですな。」



 モンとゴリラワーム?

 ん?なんて?



「モ、モンドゴリアワーム............ペン?全く聞いた事が無いペン。」



 いや、ペン太は知らなくて当然でしょうが。


 しかしおぞましい。

 悪魔の化身みたいな姿だな。


 しかもやけに大人しいのがまた不気味。

 もしかして、こちらを観察しているのか?



「ヒラタ君、下がっていたまえ。あのモンスターはAランク。とても敵う相手じゃない。」



 Aランクモンスター!

 マジかよ。



「私でも少々、力不足でしょうね。しかし、坊っちゃん一人に戦わせる訳にはいきませぬ。助太刀致します。」



 爺やさんでも力不足!?

 そんなに強いのか、あのワーム。



「ペン太、とりあえず下がっとこう。」



 リヴァイアさんの指示に従うしかない。

 俺はあのモンスターを知らない。


 しかし、リヴァイアさんと爺やさんは知っている。


 だったらここは言われた通りにしなくては。



「............確かに、あのモンスターからは強者のオーラを感じるペン。スケルトンほどでは無いペンけど。」



 強者のオーラ?

 なにそれなにそれ?


 そんなの全く感じられないぞ?







「爺や!行くよ!」


「承知!」



 リヴァイアさんの合図と共に、爺やさんが動きだした。


 右手に薙刀を持った爺やさんは飛ぶように走り、ワームの下まで行くと飛び上がった。そして、下から一閃。ワームに二つの斬撃が飛び、切りつけた。



「□□□□□□□□━━!」



 ぐわぁ!なんだこの声!?中年のおっさんが裏声で「ろー」って言ってるみたいな声!気持ち悪い!



 しかし、リヴァイアさんも爺やさんも怯む事なく、次の行動に移っていた。


 リヴァイアさんが右手でフィンガースナップ。

 すると空中に水の塊が現れる。



 俺の炎球(ファイヤボール)は直接空中に出す事は出来ないんだよなぁ。すげぇなぁ。


 なんて思ってると、リヴァイアさんは水の塊に右手を突っ込んだ。



「こい!水のフランベルジェ!」



 そう言って、水の塊から右手を引き抜くと、右手には水で形作られた見事な剣が握られていた。




 す、すげえ!

 かっけえ!


 俺もあんなのやってみたいな。

 こい!炎のフランベルジェ!みたいな。



 まぁ、リヴァイアさんみたいなイケメンがやるからかっけぇんだろうけどさ。



「はっ!」



 リヴァイアさんが続いてワームに突っ込む。


 爺やさんはワームに上から一閃。

 またもや二つの斬撃がワームを切り刻む。


 ここまでワームは全く動けていない!

 やっぱりすげえや二人とも。


 このまま行けばすぐ倒せちゃうんじゃないか?



 しかし、ここでワームが動いた。


 空を仰ぎ、紫色の球体を作り出したのだ。



「なんだぁ!あれ。」



 紫色の球体はボコボコと泡立っている。


 しかも、ワームはそれをリヴァイアさんの方に投げたのだ。


 リヴァイアさんはその奇妙な球を危なげなく避ける。


 紫色の球体が着弾した場所はじゅぅっという音を立てて紫色の液体が残った。


 俺には全く紫色のそれの正体が分からなかったが、恐らく触れてはいけない物である事は分かった。


 リヴァイアさんはワームの攻撃と思われる球体を避けた後、飛ぶようにワームに接近し、その手に持つ水の剣で切りつけ始めた。



「はあぁ!」



 水でできているとは思えない鋭さでワームの皮膚に傷を付ける。


 その斬撃の数は爺やさんの比ではなく、リヴァイアさんはまさに連撃型の戦闘スタイルだった。


 その間、爺やさんは少し離れた所から斬撃を飛ばしていた。






 うん、なかなか良い連携だなぁ。


 なんて俺達は後ろから傍観中。


 いや~、やっぱり戦闘は眺めるに限りますなぁ。



「ヒヒン!ヒヒヒン!」



 ん?後ろから何やら悲痛な悲鳴が............!



 って馬ぁ!大丈夫かぁ!



 後ろを見ると馬が馬車の転倒に巻き込まれていた。

 当たり前だけど。


 どうやら、色々絡まって身動きが取れないみたいだ。


 馬の方まで駆け寄り、色々とほどいてやる。

 俺は器用だからこの程度ちょちょいのちょいだ!


 馬車を起こせるほどの力は無いが、馬に絡まっていた物は全部ほどいてやった。足とか挫いて無いかな?うん、大丈夫そうだ。


 馬くらいなら起こし上げる事ができる。


 おーよしよし、大丈夫。

 ハウス、ハウス。いやこれは犬か?


 とにかく、馬は起こす事ができたし、馬も落ち着かせる事ができた。



「ヒヒン。ブルブル。」



 立派な馬だなぁ。

 というか、馬なのかこいつは?

 馬っぽい別の何かなんじゃないか?

 あ、前にペン太が言ってたホースってやつなのかもしれない。

 ペン太がなぜ一度も見たことがないはずのホースについて知っているのはか分からないが。



 とりあえず、リヴァイアさん達はどうなってるかな?

 そろそろ、あのワームに勝った頃かな?



 俺がリヴァイアさん達が戦っている方向に向くと、人が飛んできた。


 俺の真横をブン!っと横切り倒れていた馬車にドシャっとぶつかった。

 いや、落ちたのかな?



「ってなになになになに!?」



 急いで駆け寄って見るとそれは爺やさんだった。


 もちろんボロボロである。



「だ、大丈夫ですか?」



 爺やさんはかろうじて意識を保っていた。



「くっ、坊っちゃんの............加勢を頼みます。」



 よくわからんが大変なんだな。了解!



「行くぞペン太!」


「やってやるペン!」



 リヴァイアさんはワームの尻尾の攻撃を避けながら、接近しては切りつけていた。


 ってかワームに尻尾あったのかよ!?


 もちろん尻尾は砂の中から出ているため、ワームの実際の大きさは分からない。



「あ、そうだ。馬、ポーチを頼む。」


「ブルルルルルル。」



 馬の首にポーチを掛ける。

 魔石が割れたら困るからな。


 馬にポーチを預けたら、ペン太と一緒にリヴァイアさんの所まで走っていく。



「手伝います!リヴァイアさん。」


 リヴァイアさんは人差し指を上にクイッと上げて、水の竜巻を発生させた。あれも魔法だろうか?いや、魔法だろうな。


 リヴァイアさんは竜巻をワームにぶつけながら、言葉を発した。



「失礼を承知で言わせてもらうが、今の君達では敵わない。危険なだけだ。」



 フッ、リヴァイアさん、俺達を舐めてもらっちゃあ困るぜ。



「俺達の力を見せてやる!」



 ワームにある程度近づいたら、木刀を構えて腰を深く落とす。



「喰らいやがれ。居合!」



 詠唱と共にヒラタの姿は消えた。

 音速とも言えるスピードでワームに向かって飛んでいく。


 ワームに肉薄したヒラタは右手の木刀を振り抜く。



 音速の剣は見事にワームの皮膚を切り裂く。





 という事にはならなかった。



 ワームの皮膚に弾かれたのだ。


 ワームの皮膚はぶよぶよしていて、弾性がある。

 そのため、ヒラタの斬撃は弾かれたのだ。


 いかにヒラタに力があろうと、まだAランクモンスターの皮膚を切り裂くには至らなかったのだ。



「なっ!?」



 ヒラタは驚いた。

 斬れない事は予想していなかったのだ。



 ヒラタは驚きにより、空中で硬直してしまった。

 


 モンドゴリアワームはこの隙を見逃さなかった。


 その頭部を振り回し、ヒラタに攻撃してきたのだ。

 人間で言えばヘッドバット的な感じで。


 空中で避ける術を持たぬヒラタにモンドゴリアワームの頭部が襲いかかる。


 そしてもちろん直撃。


「ゴッ!」


 腹にきれいに入ったヒラタはモンドゴリアワームの馬鹿力によって、先ほどの爺やさんのように吹っ飛ばされる。


 リヴァイアさんの上を飛び、ペン太の上も飛び、馬車を飛び越え彼方向こうに落ちた。


「ペン!?大丈夫ペンかヒラタ!」


「ヒラタ君!くっ、君!確か......名前は何だったか......とにかく、ヒラタ君を!」



 リヴァイアさんはペン太をヒラタの救護に向かわせる。

 ペン太は迷わず、全速力でヒラタの方に向かう。



「□━□━□━□□!」



 モンドゴリアワームは咆哮する。



「くっ!なかなかしぶとい!」



 リヴァイアさんはまたもや水の竜巻を発生させて、モンドゴリアワームにぶつける。モンドゴリアワームの皮膚には微かに傷が付くが、せいぜいこれでは足止めにしかならないだろう。



「坊っちゃん!」



 ここで爺やさんが復帰し、再びモンドゴリアワームに斬撃を飛ばす。






 さて、一方ヒラタの方は。



「ごはぁ。」



 いっって!

 くそ、ヤバいな。


 痛みに耐えながら目を開くと、口から血が出ていた。

 血の味が口いっぱいに広がり不快感が生じる。



「ペン!?吐血してるポサ!大丈夫ペンか!」



 ペン太の声が聞こえる。



「いってえけど、動ける。かろうじて。」



 VRゲームでも痛覚のリミッターを外せばこのくらいの痛みは出る。

 ぶっちゃけ痛みには強い。


 口を拭いながら立ち上がる。

 手に血が付くが気にしてはいけない。



「意外と血は出てないようで少し安心したポサ。」



 そうだな。いや、待てよ?


 服を捲って腹を確認してみると、大部分が青紫色になっていた。



「うへぇ、内出血してやがる。」



 まぁ、大丈夫かな?大丈夫だろ。



「ペン!?ど、どうするペン!?とりあえず冷やすペン?フリーズンいくポサ?」


「いや、大丈夫大丈夫。動けるし。」



 とりあえず、リヴァイアさんの加勢に行かなければ。

 走ると体は痛むが、行かなければ。



「ヒラタ、ヒラタ。あのモンドゴリアワームには攻撃は効いてなかったペンよ?加勢はしても意味はあるポサ?」



 ふっふっふ。

 ペン太よ。甘い。甘いぞ。

 苺のように甘い考えだ。



「ふっ、俺にはまだ炎球(ファイヤボール)というスキルがある。攻撃の方法はあるのだよ!」



 そう言ってリヴァイアさんの方に走り出す。




「リヴァイアさん!」


 リヴァイアさんは振り向く事無く、ワームと戦いながら、


「ヒラタ君!大丈夫だったのかい!?」


 と言った。


 リヴァイアさんの竜巻がワームを襲うが、ワームも負けじと尻尾と身体を振り回し、紫色の球を放ってくる。


「大丈夫でした!とりあえず加勢します。」


 すると少し離れた所で斬撃を飛ばしていた爺やさんがこう言った。


「っ!危険ですヒラタ様。ヒラタ様の攻撃は通じなかったと聞いております。ここは私と坊っちゃんにお任せ下さい。」



 そういう訳にもいかないぜ。

 俺にはまだスキルがある。



「俺の力を見せてやる。喰らえ!炎球(ファイヤボール)!」



 右手から発射された炎の球はモンドゴリアワームに直撃。


 しかし、特に傷や焦げ目が付くことは無かった。



「な、効いてないだと!あ!このミミズ野郎、今笑っただろ!ニッって!ニイッって!舐めやがって!」


 まさかの炎球(ファイヤボール)も効かないなんて。



「もしかしてあのぶよぶよした皮膚、耐火性を持ってるポサ!?」


「ヒラタ様!モンドゴリアワームには火は効きませぬ。」



 なんだって!

 俺の天敵じゃないか。


 剣もスキルも効かないなんて............無力!



「そうだ!ペン太!フリーズンだ!」



 耐火性があるなら、冷たいのは弱いはずだ!



「了解ペン!フリーズン!」



 ペン太がモンドゴリアワームの頭の方まで飛んでいって吹雪を放つ。


 普通であれば、凍りつくのだが、モンドゴリアワームの皮膚は吹雪を受けても凍らなかった。



「ペン!?効いてないペン!」



 マジかよ。

 あのぶよぶよした皮膚は寒さにも強いのかよ。



「モンドゴリアワームの皮膚は昼は暑く、夜は寒い砂漠の環境に適応しております。お二人では相性が悪いです!」



 爺やさんの言葉に納得する。


 確かに俺達では相性が悪い。



「くそっ、大人しく下がっとくしかないのか。」



 これ以上は何をしても無駄だと思った俺は、大人しく馬車の方に戻ろうとする。

 しかしワームはそれを許さなかった。


 ワームの方を見ると、見たことのある動きで紫色の球を作り出していた。


 あれ、口の中から出している訳じゃ無くて、魔法か何かで作り出してるんだな。


 モンドゴリアワームはヒラタに紫色の球を投げつけてきた。



「ヒラタ君!」



 くそっ、俺狙いかよ。

 仕方ない。迎撃だ。



「ペン太、紫のやつにフリーズン!」



 ペン太に指示を出すと、ペン太は俺に飛んでくる紫色の球に向かって吹雪を放った。そして紫色の球は凍っていく。



「フン!」



 両手で木刀を持ち、飛んできた凍った紫色の球を斬った。


 これなら飛び散る心配も無い。



「よし、ペン太!」



 ペン太に合図を出し馬車まで走り出す。








 リヴァイアさんの隣を走った時、地面の砂に違和感を感じて立ち止まった。


 いや、立ち止まっている場合じゃない。

 これ以上二人に迷惑は掛けられない。

 馬車まで戻らなくては。


 そのままリヴァイアさんの横を通り過ぎようとした時、リヴァイアさんの後ろから何かが飛び出してきた。


 それがワームの尻尾だと理解するのに一秒も要らなかった。


 硬直する俺の前で尻尾の先端が割れて、触手のようなものが出てきた。しかもそれは、出てくるなり放電し始めたのだ。



「リヴァイアさん!」



 俺の言葉にリヴァイアさんは咄嗟に振り向いた。


 しかし時既に遅し。


 電気を纏った触手はリヴァイアさんの背中に突き刺さった。

 触手を通じて電気がリヴァイアさんに襲い掛かる。





「ぐあああああああああああああ!!」






 まずいまずいまずいまずいとにかく触手を......あれをなんとかしないとまずいヤバいどうする?どうする?そうだ!



「ペン太、触手に向かってフリーズン!」



 ペン太の嘴から放たれた吹雪が電気を纏う触手を一部凍らせる。


 俺は触手の凍った部分を抱え、おもいっきり引っこ抜いた。


 ドサリとリヴァイアさんがその場に崩れ落ちた。



「坊っちゃん!」



 爺やさんは慌ててリヴァイアさんに駆け寄る。


 俺は触手を逃がさないように押さえつけていたが、触手の方が力が強かったようで、俺の腕を抜けて、砂の中に消えていった。



「爺やさん、リヴァイアさんをお願いします。俺達がなんとかしてワームを足止めします。」



 俺達の攻撃はワームには効かない。

 しかし、今はリヴァイアさんの命を優先しなくては。


 それが伝わったのか、爺やさんは「分かりました。」と言い残して馬車の方にリヴァイアさんを抱えて戻っていった。


 一方、ワームの方はこちらが二人離脱したのを見て、口角を上げていた。


 こいつ、地味に感情豊かなのがムカつくんだよな。

 つうか、目無いだろ。あのワーム。



「それにしても、足止めってどうするペン?」



 ふっ。ペン太よ。

 教えてやろう。



「ニートという生き物はな!頭の回転が早いのだよ!(個人的な意見です)」


「つまりどうするポサ!もう近づいて来てるペンよ!」



 焦るな焦るな。


 ってホントに近づいて来てるじゃないか!

 出し惜しみは良くないね!


 右手から炎球(ファイヤボール)を出す。


 俺のスキルは全て詠唱要らないから便利だよなぁ。



「ペン太よ。この炎球(ファイヤボール)にフリーズンだ!」



 ふっふっふ。ここまで指示すれば分かるだろう。

 俺が何をしようとしているか!



「フリーズン!ポサ。」



 ペン太のフリーズンが炎球(ファイヤボール)に当たる瞬間、炎球(ファイヤボール)の熱を抑える。


 これで氷を溶かさないで済む。



「ペン太。もう一回り......いや二回り大きくしてくれ。」


「ペン!?もうモンドゴリアワームが迫ってるペンよ。フリーズン!ポサ。」



 文句を言いつつも、しっかりもう一度フリーズンを掛けてくれた。


 うん、これなら良い鈍器になるだろう。



「これをどうするつもり............ハッ!まさか!ペン。」



 そのまさかだよ。

 俺は炎球(ファイヤボール)を操れるのだよ。


 つまり凍って鈍器のようになった炎球(ファイヤボール)も操れるという事だ!



「炎が対して効かぬなら、鈍器で殴ればいいじゃない。」



 凍った炎球(ファイヤボール)をワームに向かってぶつける。


 警戒していなかったワームの脳天に直撃する。

 ドゴッっという鈍い音が響く。



「............□............□□□□□......□━━━━━━━!!!」



 ワームが怒り狂ったように頭と尻尾を振り回す。



「はっはっは。効いてる効いてる。」



 しっかりワームの攻撃を避けながら凍った炎球(ファイヤボール)をぶつける。ワームの様子から攻撃は効いているようだ。つまり、攻撃の手段を得たという事だ。



「攻撃が効くなら足止めもできる。喰らえ喰らえ喰らえ。」



 ワームの体にぶつける。

 ぶつけてぶつけて、ひたすらぶつける。


 後はこのままリヴァイアさんの回復まで待つだけだ。


 しかしモンドゴリアワームはそれを許さない。


 またあの紫色の球を作り出したのだ。

 しかも三つ。



 マジかよ。

 俺の炎球(ファイヤボール)は二つ以上同時に出せない。つまりスキルを扱う技術で負けているという事か。あのミミズ野郎に!



 モンドゴリアワームは泡立つ紫色の球をヒラタに投げつけてきた。


 一つはヒラタの右側に。

 一つはヒラタの左側に。

 最後の一つはヒラタに向かって。



「ミミズ野郎!キサマの考えなんかお見通しなんだよ!」



 紫色の球が飛んでくる方向に、姿勢を低くして突っ込む。


 ヒラタの真上を紫色の球が通っていく。



「そして後ろ!」



 ヒラタが後ろを向いた瞬間、ワームの尻尾が後ろの砂の中から飛び出してくる。


 尻尾は割れて電気を纏う触手が出てくる。


 触手はヒラタの命を奪おうとヒラタに向かって伸びてくるが、先ほどヒラタが前に移動したためヒラタに到達するまでに時間がかかる。


 ヒラタは今、操っている炎球(ファイヤボール)の操作を放棄して消滅させる。


 そして瞬時に右手に魔力を流し炎球(ファイヤボール)を展開する。


 こちらに伸びてくる触手に向かって炎球(ファイヤボール)を盾のように構える。もう少し大きくできれば良かったんだが。


 しかし、モンドゴリアワームは触手をあまり上手く扱えないのか、そのまま触手はヒラタの炎球(ファイヤボール)に突っ込んだ。



「□━━━━━━━!!!!!」



 焦げるような匂いがする。

 ワームの咆哮が聞こえる。


 触手はすぐに炎球(ファイヤボール)から抜けて砂の中に消えていった。



 こいつ、もしかして弱くないか?


 いや、それは違うか。

 ワームの癖に賢いし、同じ手は通用しないだろう。




「まずい!」



 次に驚いたのは俺だった。

 真上にワームの口が見えたからだ。


 突っ込んで来やがった。

 丸呑みにするつもりか。


 近くにいたペン太を捕まえ、即座に木刀を手に取る。



「居合!」



 馬車に狙いをつけ、居合を使う。

 一秒と掛からずに馬車まで移動する。


 ズザザッっと足を使ってブレーキを掛ける。


 後ろで凄まじい音が聞こえる。


 馬車は先ほどまで倒れていたのだが、起こされていた。そして先ほどまでいた馬が居なかった。


 馬車の後ろに回るとそこには倒れているリヴァイアさんとそれを介抱する爺やさん、その横で大人しくしているさっきの馬がいた。



「ペン!?どうしてさっきの尻尾の攻撃が分かったポサ!?」



 フッ、簡単な事だ。



「やつはあの攻撃でリヴァイアさんを倒している。同じ攻撃で決めにくると思ったんだ。」



 しかし、悲しきかな。

 見たところリヴァイアさんの意識はまだ戻っていないようだ。


 つまり足止めはまだ充分ではないという事だ。



「爺やさん、リヴァイアさんはどうですか?」


「できる事は行ったのですが、まだ意識が。」



 やっぱりか。


 なら今、こっちにやって来ているあのワームをどうにかしなくちゃな。


 ワームは砂に潜り、顔を出してはこちらに近づいてきた。



「□━!」



 威嚇のつもりか?早く出てこいってか?

 やなこった。


 しかし。



「もう万策尽きた。」



 もう一度、炎球(ファイヤボール)を凍らせるのもいいが、あれはワームが無警戒だったから効いた攻撃だ。


 そして俺達の攻撃は効果を成さない。



「丸呑みにされんのか?やなこった。」



 抵抗してやるさ。


 しかし............しかし。




 ワームの口が見える。


 嗤っているようだ。


 肉食の歯が恐ろしく見える。


 紅の口が俺を迎え入れるように近づいて来る。









 ん?



 紅の口?




 頭の中に先ほどの言葉が流れてくる。




「もしかしてあのぶよぶよした皮膚、耐火性を持ってるポサ!?」




 あれ、口から出している訳じゃ無くて、魔法か何かで作り出してるんだな。




 二つの言葉が交錯する。







 


 自分でも分かる。

 俺は今、残忍な笑みを浮かべている。



 でも仕方無い事だ。



 勝機が見えたんだからな!



「つーわけで、ちょっとあのミミズしばいてくるわ。」


「ペン!?どういう事だペン!?ペンにも分かるように言って欲しいポサ!」



 今に分かるさ。


 馬車の陰からワームがしっかりと見える場所に出る。

 もちろんワームも俺がしっかりと見える。



「□━□━□━!」



 やっと出てきたかって意味か?


 出てきてやったぜ。お前を倒す為にな!




 木刀を構え、目標をワームの歯に設定する。


 俺はワームの口に突っ込むぜ。



「居合!」



 体が弾丸のようにワームの口に飛んでいく。


 ワームがおいでと言わんばかりに口を開けたので、余裕で入る事ができた。


 ワームの口内は臭いが我慢できる。

 湿度も高いが我慢できる。


 ワームが口を閉じようとするので、木刀を立てる。

 これで口は閉じれまい。


 木刀にワームの力が加わるが、まったく折れる気配が無い。

 良い事だ。本当にただの木刀か?


 まぁいい。


 俺はやるべき事をやるだけだ。


 腰を落とし木刀をしっかり握りしめ、改めて口内を確認する。


 紅で舌は無い。


 それからワームの口の中の表面をなぞる。



 やはり。予想通りだったか。


 確信を得た俺にはもう何の不安も無かった。



「おい、ミミズ野郎。外はぶよぶよしてんのに、中は結構硬いんだな。」



 笑いながら口にするがワームは理解出来ないだろう。



「てことはよぉ、中には無いんだろ?耐火性。」



 炎球(ファイヤボール)を右手出し、残酷に笑う。


 中が粘液で覆われている訳でもない。

 舌も無ければ口から何かを出せる訳でもない。


 炎球(ファイヤボール)をワームの口の奥に投げる。


 少しして着弾すると同時に



「□□━━━━━━━━━!!!」



 ぐわぉ!うるさい!


 しかしこれは効いてるな。

 それ、もう一発。



「□□□━!!」



 今度は咆哮だけでなく、頭をブンブン振り回し、遠心力で俺を外に出そうとしてきた。しかし木刀に掴まっている俺はなんとか耐える。


 このまま、このまま行けば倒せる。ワームは口内への攻撃の方法を持っていない。つまり、俺の炎球(ファイヤボール)を邪魔されずに撃てるって事だ。炎球(ファイヤボール)!なかなか強いやつだったが、完璧では無かったようだな。炎球(ファイヤボール)。こいつには腹を一発殴られている。痛みには強いがやっぱり痛い物は痛い。死ななかっただけマシだが、さっきから動く度に痛む。くそったれ、モンスターめ。炎球(ファイヤボール)!あれ?そう考えるとこいつってスケルトンみたいに恩を売れる訳じゃないし、デモンナイトのように物をくれる訳でも無いし、グッさんやもぐゾンさんみたいに優しい訳じゃ無いし、魔石も不味そうだし............なんか考えてみたら腹立ってきたな。くそったれが!炎球(ファイヤボール)炎球(ファイヤボール)炎球(ファイヤボール)



「□□□□□□!!!」



 ワームが突然空を仰ぐ。

 ワームの口から外の様子が見えて驚愕する。


 ワームは紫色の球を作り出していた。


 まさか、被るつもりか?それ。

 なんとなく分かってたけど毒だろそれ。

 冗談じゃ無いぞ。



 ワームの口を登り、木刀片手に馬車を目標に居合で離脱を試みる。

 多少体勢が悪いが、なんとかなるでしょう。



「居合!」



 ワームが毒を真上に放った瞬間、俺は居合でその場から離脱。


 足でブレーキをかけて、馬車近くで停止する。

 後ろを振り返えるとワームが自分で作り出した毒を顔に被っていた。

 ジュウジュウとワームの皮膚が溶ける音が夜の砂漠に響く。



「顔がちったぁマシになったか?いや前よりひどくなってんな。」



 ワームはそのまましばらく動かなかった。

 いや実際はどのくらいか分からなかったが。



 ワームはおもむろにこちら側に顔を向け



「━━━━━━━━!!!!!」



 もはや咆哮では無かった。音だ。

 ワームの口からは形容し難き音が発せられた。


 そしてその音が合図だったかのようにこちらに突進してきた。


 その行動には先ほどのような賢さは見受けられなかった。


 ただの突進。特攻。死に物狂いの足掻き。


 時間稼ぎが目的のヒラタにはまさに死刑宣告。

 ヒラタは時間稼ぎに失敗し、倒す事も出来なかった。

 ヒラタの中途半端な攻撃が招いた最悪の結果だった。





 先ほどまでなら。



「後は頼んだ、爺やさん。」


「お任せ下さい、ヒラタ様。」



 ヒラタは馬車まで撤退した際、見ていた。

 リヴァイアさんは爺やさんの治療により、かろうじ意識を取り戻していた。

 ヒールみたいな俗にいう回復魔法的な物を使ったのか、ポーション的な物を使ったのか、それは分からないがリヴァイアさんの回復は爺やさんの前線復帰を指す。


 俺の攻撃である程度は削った筈だ。

 今なら爺やさん一人で倒せる。

 実は俺も結構疲れてしまったし、爺やさんに任せよう。



「助かりました、ヒラタ様。少し、お下がり下さい。これならば私の全力を出せましょう。」




 爺やさんの全力?



 突進してくるワームに薙刀を持って歩み寄る爺やさん。

 ワームは爺やさんを呑み込もうと殺意を持って砂を飛ばしてやってくる。


 距離は縮む。そして爺やさんとワームの距離が五十メートルくらいまで縮んだ。


 そして爺やさんが動いた。






 薙刀を天に掲げ、ワームに向かって振り下ろす。




「秘剣、千枚下ろし。」







 斬れた。



 斬れた。




 斬れて、斬れて、斬れた。


 斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れて、斬れた。




 俺の目の前で、ワームは切り刻まれていた。


 幾重もの斬撃が、ワームの皮膚を切り刻み、鮮血が舞った。




 『千枚下ろし』



 その名の通り千の斬撃を飛ばす技だろう。



 ワームは抵抗する事も出来ずただただ斬られている。

 しかし、なぜはじめからこれを使わなかったのか。


 それは爺やさんの様子を見れば明らかだろう。


 爺やさんは膝をついて咳き込んでいる。

 びっしょりと汗をかき、疲労しているのが良く分かる。


 恐らく、これは爺やさんにとっての最終手段。

 本来、このワームごときには使わないくらいのリスクを持った技なのだろう。


 ドサッっという音が聞こえた。

 ワームが力尽き倒れたようだ。

 ワームの体には数えるのも面倒くさくなるようなほどの傷が付いている。


 千の斬撃を飛ばす技か。




 おっといけね。爺やさんを助けとかなきゃ。



「爺やさん、大丈夫ですか?」



 咳き込む爺やさんに近寄り、声をかける。



「大丈夫............です。ヒラタ様。」



 苦しそうに立ち上がる爺やさん。

 とても大丈夫そうには見えないが。



「それより............助かりました、ヒラタ様。ヒラタ様のおかげでモンドゴリアワームを倒す事が出来ました。感謝いたします。」



 ん?俺のおかげ?


 爺やさんは砂を払い、こちらを向く。

 俺の表情から察したのか、詳しく説明してくれた。



「私の千枚下ろしは非常にリスクが高いため、連発は出来ません。そしてこの千枚下ろしは私の前にある()()()()物に向かって斬撃を放つ技なのです。冷静なモンドゴリアワームでは毒球を盾にしては防いでいた事でしょう。」



 なるほど、理解した。


 結果的にとはいえ、俺がワームの顔に毒球を浴びせて冷静さを失わせた事で爺やさんの千枚下ろしが防がれなくなったって事か。



「まぁ、結果オーライですよ。とりあえず、馬車をいつでも出せるようにしましょう。」



 だんだん空が明るくなってきている。

 そろそろ朝だろう。馬車を出さなければ。



「はい。坊っちゃんも意識を取り戻しただけですので、そろそろ戻りましょうか。」



 爺やさんの声を聞きながら、空を見上げた。

 光帯ってやつもどういう原理か、薄くなってきている。

 空を行く光る生物も少なくなってきている。

 あいつらは夜行性なんだろうか?

 いつか分かるといいな。










 偶然だった。





 本当に偶然、馬車の方に振り向いた時、聞こえたのだ。




 ヒラタがおっさんの裏声のようだと直喩したあの声が。




 ヒラタは戦慄した。



 全身の鳥肌が立ち、足が震えた。



 空耳であってくれ。世界はそんなに甘くない。





 地面が割れ、先ほどまで戦っていたモンスターと瓜二つのモンスターが現れる。


 無音で、裂けた地面から、生えるように、現れた。


 たくさん。




 遠く、近く、その間。




 どうやら悪夢は終わったようだ。

 次に来るのは地獄。




 腰が抜けてその場で尻餅をつく。




 勝てない。逃げられない。殺される。



 爺やさんのあの技はもう使えない。


 いや、その前にこの数を捌く事など出来ない。



 ワームが俺の顔を覗き込む。


 そのまま口を開き、頭から俺を............!




「っ!はぁぁ!」



 横から飛んできた斬撃がワームを切り刻み、ワームが仰け反る。



「お逃げ下さいヒラタ様!」



 爺やさんの声が聞こえた。


 逃げなければ。

 でもどこへ?



 這いつくばり、砂の上を滑るように逃げる。

 しかしワームからは逃げ切れない。

 それを理解しながらもリヴァイアさんがいる方に。


 とにかくリヴァイアさんに伝えなければ。



「おや?戻ってきてみると、何故だか増えてないかい?新手かな?」



 リヴァイアさん!


 逃げて下さい!

 その言葉は恐怖からか口からは出なかった。



「仕方ない。多少、無茶をするとしよう。」


 そう言ってリヴァイアさんは両手を前に突き出し、目を閉じた。



 何を............?


 疑問も声にはならなかった。





 ヒラタ、爺や、モンドゴリアワーム達、ついでに後ろのペン太。

 この場の全てがリヴァイアさんに注目した。



 リヴァイアさんは閉じていた目を静かに開き、呟いた。





「水龍。」




 それは、上位の竜種にしか使用出来ない、最上級の攻撃魔法の水属性バージョン。水で作られた龍が対象を蹂躙するという。


 この時のヒラタはそんな事は知らない。

 ただ一つ、分かることがあるとすれば。




 リヴァイアさんの両手から溢れだした水は、次第に龍へと姿を変えた。

 それは見ても分かる、紛う事なき龍そのものだった。

 水であるはずのそれは、殺気を放ちながらぐるりと周りを見てから空へ登り、最後尾のモンドゴリアワームに向かって、口から水流のブレスを放った。


 極太レーザーのようにワームに突き刺さり、そのワームを中心に大爆発が起こった。今のでワームが三匹は消えた。それはまさに『水龍の息吹』。


 次に龍は体を回転させながら、一番近くにいたワームに食らいついた。簡単に噛み千切られる。簡単に、だ。


 次々とワームを喰らっていくその姿は信じられない物だった。


 ワームの抵抗も虚しく喰らわれる姿は実力差を表しており、それがリヴァイアさんから作られた龍である事が信じられなかったのだ。


 一匹、また一匹とワームは着実に数を減らしていく。

 ワームも砂漠から次々と沸いてくるが、それすらも喰らい、処理していく。


 そして............最後のワームが死んだ。


 水龍は役目を終えたかのように、水に戻り、砂漠に染み込んだ。





 ただ一つ、分かることがあるとすれば、ヒラタは助かったという事だ。

 否、もう一つ分かった事がある。リヴァイアさんの実力だ。



「ふう、少し疲れてしまったが、もうそろそろ朝だ。」



 顔だけをこちらに向けて、微笑んだ。



「行くとしようか。王都へ。」



 リヴァイアさんの顔に日の出の光が当たり、やけに神々しく見えた。

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