Ep.7 テイク・オーバー
——ここは冒険者ギルド。
「はい、これが冒険者カードになります。あっ、それと二人はまだEランクまでの依頼しか受けられないから気をつけて下さいね。でもまぁ、もし依頼以外で魔物を倒したとしても討伐実績にはなるわ。もちろん、その場合も報酬は出るから、そこは心配しないで」
登録も終わり、冒険者カードを受け取った2人は、さっそく仕事を物色する。
しかし、Eランクの依頼内容を見たマリルが不満を漏らす。
「ちょっと、Eランクの仕事って……たった銀貨10枚!?それっぽっちじゃ、ご飯食べて宿に泊まったら終わりじゃない!」
「仕方ないでしょ、まだ駆け出しなんだから。そんなに嫌ならランクを上げるしか無いわよ」
「ムギィィィィ……分かったわよ」
そういって受付に詰め寄るマリル。
「で、どうすればランクってのは上がりますの?ホレ、早く言って下さいまし!」
「そんな簡単に上げる方法なんて……上位の討伐依頼を達成するとか……例えば魔物被害で困ってる村を助けるとかして、周りからの評価を上げるとか……」
「あ~はいはい、要は激強な魔物を倒して来いって言いたい訳ね」
受付を後にする2人が向かったのはギルドのクエストボード。
「……ってことはさ、ここに出てる討伐依頼の魔物を、たまたま討伐しちゃえば良いってことよね。た・ま・た・ま♪」
「そうね、たまたまじゃ仕方ないものね」
「となると……コイツなんてどうかしら?」
「う~ん、洞窟か~。あっ、コッチはどうかしら」
「どれどれ……って鳥?面倒じゃない?」
「だから良いのよ。取り合いにならないんじゃない?鳥だけに♪」
「アナタも言うわね~」
*****
——バウゥゥゥゥゥゥン!
「キャッ!ちょっ……待ってよマリル!まだ運転が……」
「カルラが言い出したんでしょ~、猟獣に乗ってみたいってさ~。ホラ、しっかり駆動舵を握って!」
「グググ、この……グヌーッ!」
「そ~んなリキんだらダメよ~。もっと流れに身を任せて……うりゃ!」
——ガウゥゥゥゥゥゥン!
「チカラを抜いて……流れに逆らわないように……身を委ねて……よっと、ほいっと……」
「そうそう、イイじゃんイイじゃん。カルラ、筋が良いわね~」
——バウゥゥゥゥゥゥン!
その時、2人を大きな影が覆う。
「ちょっとマリル、上!アイツじゃない!?」
「デカッ!ちょっと何あの大きさ、20メード……はあるわね」
それは、田畑を荒らし回り、近隣の村々から討伐依頼が出ている、ターゲットの鳥の魔物だった。
「幸先いいわね、マリル。準備は出来てるかしら?」
そう言うとカルラの左手にポンっと杖が現れた。
「えっ、カルラもアイテムボックスを持ってんの!?ちょっと、先に言ってよね」
「違うわよ、この杖が特別製なだけよ。それよりマリルも準備して」
「了解了解……と言っても相手は鳥だし……となるとアレを出しましょうか……」
マリルの左手がアイテムボックスを漁ると、クロスボウ型のアーティファクトを取り出した。
《魔真連弩》——装着した魔牙刃により、様々な魔弾を連続発射する魔法のクロスボウ。
「フッフッフ……行くわよ鳥ちゃん……ヒャッハーーー!」
突然マリルが、猟獣に立ち乗りする。
そして右足で器用に駆動舵を操作しながら、魔真連弩を構える。
——ダラララララララッ!
魔真連弩のマズルが魔光を放つ。
猛烈な勢いで発射される魔弾が鳥の魔獣を襲う。
「ギギャッ……グエェェェェェェッ!!」
その攻撃を受けた鳥の魔獣が、マリルに向かって一直線に襲いかかってくる。
「ギャー、アイツ突っ込んできたーーー!」
猟獣に座り直し、真っ直ぐ引き返してくるマリル。
「ま~ったく、考えなしに突っ込むからよ。それじゃあ……私の出番ね~♪」
カルラは猟獣から降りると、クルリと杖を一回転させる。
そして魔獣に向けて構えを取り詠唱を始める。
——to be Next Story——




