Ep.4 クロス・オーバー
——ギュゥゥゥゥゥ……
「んしょっと。おぉ、アナタですわよね。私の疑似体を丁重に葬ってくれたのって」
それは先ほどマリルが埋葬した貴族の令嬢に瓜二つの少女であった。
「ん?んん?ん~?って、アナタ……先ほど亡くなられたご令嬢の……ご親族……?」
「えっ、あ、いや、そうじゃなくって。あれは私の疑似体で……こっちが私の本体……って言って信じるかしら?」
「疑似体!?って事は複写の依代……な訳ないわよね。あれは王国のアーティファクトだし……」
「えっ、ちょっとアナタ。なんでアーティファクトの事を知ってんの!?それって人国では200年前に失われたはずでしょ!?」
「げ、しまった……いや、これはその、なんて言いますか……って言うか、何でアナタもアーティファクトの事を知ってんのよ!?」
*****
——らちが明かず、お互いの正体を正直に告白する二人。
「——って訳で、アタシは200年くらい眠りについてて、最近目覚めたマリル・マーリルリウス本人よ」
「ウ、ウソでしょ、マーリルリウス家の人間が生きていたなんて……って事はアナタがあの星降りの姫巫女!?」
「ハハハ、なんかそう呼ばれてるみたいね。ところで、アナタこそ何者よ!?それにさっきの時空の渦だって、あれ時空魔法よね?」
「私は魔族の姫、カルラ・スタンピード。アナタが埋葬してくれたのは私の疑似体。こっちの次元には役目を果たすために来てたのよ」
「ま、魔族!?魔族って言ったら、神なる存在の従者って聞いたことがあるけど……まさか実在してたなんて……」
「そして200年前、あの凶星を割ったのも私よ」
「えっ、凶星を割った!?割ったの!?どうやって……って、だ~から国が滅んでなかったのね。それに、私が姫巫女とか呼ばれてんのって、それが原因よね」
——凶星が割れた後の歴史をカルラから聞くマリル。
四つに割れた凶星。その落ちた先。その後に起きたエルフたちによる侵略戦争……。
「——あの後に神からお告げがあったのよ。そおそも凶星は落下直後に神のチカラで跳ね返すことが出来んだって。それを私が魔法の練習中に……魔力が暴走しちゃって、抑えきれなくなった魔力を別次元に飛ばしたら、たまたま凶星に当たっちゃって……」
凶星を割った張本人がカルラとお付きの魔導士たちであること。そして付いた二つ名が“星割りの姫魔女”であることをマリルに打ち明ける。
「だから私は、何度も何度もエルフたちに贖罪のために……」
「で、毎度襲われてぶっ殺……お亡くなりになっていたと……はぁ~、アンタさ。バカじゃないの!?」
「バ、バカとはなによ!私だって必死に誤って……」
「で、それを200年も続けて、でどうなったのよ?な~んも変わんないんでしょ?」
「うぐ、そ、それはそうなんだけど……」
「ほ~んとバカね、カルラ。良いじゃないそんなの、結果よ結果。別に半壊させたくてやったんじゃないんでしょ?だったらもう良いじゃない」
「そんな簡単に……」
い
「良いじゃない、もう好きに生きたら。私だって気にしてませんもの。お父様が国民を裏切ったとかさ。私は私、カルラはカルラ。アナタのだって、昔の話なんでしょ?」
「はぁ~、もう。マリルと話していると、なんかもう、全部バカみたいじゃないのよ……ありがとうね、マリル。スッとしたわ」
目に涙を浮かべながらお礼を言うカルラ。
「べっつに~、わたくしは何も。で、カルラはこれからどうすんの?わたくしはとりあえず……四つに割れた大陸を見てまわりたいわね」
「私も一緒に……一緒に行って良いかな?」
ここから二人の旅が始まります。
四つに割れたエヴァンス大陸。
人族が住むここは東エヴァンス、ドワーフたちが住む北エヴァンス、獣人たちが住む南エヴァンス、そして凶星のかけらが直撃し、半壊したエルフたちの住む西エヴァンス。
「まずは先立つものを調達しないと。カルラ、ちょっと街まで付き合いなさいな。宝石を売っぱら……ゴホン、お売りさせていただくわね」
「もう良いよマリル、普通に喋って良いから」
——to be Next Story——




