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退魔の英雄  作者: 明太子
外界之魔陰
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65-2 現地調査

毎日投稿十二日目。


楽しんでください!!

 殺人の跡地としては、余りに日常としていた。

 殺人の真理を探究する者など、居はしない。それどころかそこが殺人の跡地であると知る者さえいなかった。

「見事に後処理が施されてる......血痕も、臭いも全部綺麗に消されてるね」

「流石は第五魔法の恩恵を受けた街。と言う所ですか」

傍観するような二人であるが、この場所を発見できたのは奇跡も奇跡である。

 残穢(ざんえ)が存在するという条件。それが整備された鬼川祐と言う存在がその奇跡を後押しする。

「どういう術式化は不明だけど、この場所で人が殺されたことは間違いないね」

「大陸の魔術師の可能性でしょうか?」

時雨がぼやりと呟いたそれに、祐はいいやと首を振る。

 ある程度の確証が在ったからだ。

「もし仮に、あいつらの仕業として殺す事に意味がない。仮に第三魔法を狙ったうえでの殺人なら、対象になるのは研究者の筈だろ」

祐らしくは無い正論に時雨は口をバツに閉じた。

「無数の切傷、四肢の裂断、臓物の突出。──────如何にも人殺しを好む奴らしい殺し方だね」

祐は前髪を掻き上げ、電灯に紛れた監視カメラを見つめる。

 別に祐は目が良いわけではない。だが感知と言う並外れた、絶対の認識がそれを視認に至らしめた。

「電灯に一つか......どれくらいの範囲で見てるのかは、虎丸に聞かないと分からねぇな」

「監視カメラの確認ですか?」

「うん....けど内容を確認した所で意味が無いんだろうね。もしそれに意味があるなら犯人はとっくに決定してることだろうし」

立ち上がり祐は小さく溜息を吐いた。

 ここは殺人の現場だというのに、余りに陽を浴びすぎている。蜘蛛の巣の様に入り組んだ路地裏でも、草木に囲まれた辺地でも無い。当たり前に人が通り、当たり前に獲物が存在する通り。

 日常の中に組み込まれた異常。それは間違えであり、真にはなれない。

 だと云うのにそれは、まるで擬態するかのように真を塗替えようとする。

「──────随分、真剣に事に取り組むんですね」

時雨からの言葉で祐は、ふと我に返った。同時にどうしてこれ程に、鬼川祐が駆られているのか疑心に感じる。

「どうしてだろうね。何かやらなきゃいけない気がして、体が勝手に動いてる感じだよ」

胡乱とした自分自身を宥めるよう、祐は言葉を紡いだ。



 十三番街の通り。既に日常に溶け込んだ魔力を認識することは、さしての祐を以ても厳しい事である。

「多分ここだと思う......けど確証はないね。十メートルから二十メートルは、ずれてるかも」

顔を顰める祐は、悔しさが紛れていた。

「やはり証拠らしい証拠は、在りませんね。見事に消されていますし。──────それにそれを周りの人間に認知させないとは」

「恐らく街側が、一般人に詮索させないようにしてるんだと思う。怪事件も存在はするけど、その死体は極力見せないようにしてるしね」

祐はまたしても街灯を見つめた。学生街以上に金を掛けている、商店街のそれはやけに絢爛としている。

 比例するよう内蔵されたカメラの魔電気も量を増す。

「こりゃお手上げだね。今の俺達じゃ何に一つとして証拠を掴めないし、時間を無駄に浪費するだけだ..........っという訳で、今から学校に行くよ時雨さん」

くるりと振り返る祐に時雨は首を傾げる。祐の口にした本質に時雨はまだ気が付かない。

 いや言葉足らずな鬼川祐が理解を強いること自体が間違いではある。

「最強のお助けアイテムに会いにね」


 

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初見でしたら第零話から読んでもらえると助かります。

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