お別れ
それからというもの忍術界は慌ただしかった。
地下人の忍術学校への入学を許した事による忍術界の杜撰さ、流出した忍術への対応などで授業どころではなかった。
時が過ぎ去るのはとても早かった。
いつの間にか1年生最終日になっていた。
「ずっとバタバタしていてすまなかった。今日で1年は終わりだ。色々あったが憂斗、泊、また2年もよろしく頼む」
憂斗と泊の目は点になった。
「先生、だいじょーぶ? 疲れてるでしょ華椰葉もいるよ」
「最近は忙しかったからミスがあっても仕方ないか」
2人は先生のミスだと思っている。
でも、それはミスなんかではない。
事実だから。
「いや、華椰葉は今日で忍者は辞める」
「は?」
「ど、どういうこと」
そう、華椰葉は最後の最後まで2人に退学することを伝えていなかった。
ここまでお世話になったのに、あっさりと辞めるなんて伝えるのは苦しくて......
タイミング的にみゆりも退学してしまって、言いにくくなっていて......これはただの言い訳か。
「ごめんね、2人とも。私軍に戻るように言われちゃって。退学なんてなかったことにならないかなーって思ってたんだけど、そんな奇跡は起こらなかったみたい!」
この状況、無理やり笑顔でいないと辛すぎる。
しかしそれが裏目に出たようだ。
「んでだよ、最後まで俺たちを信用できなかったのかよ。そんなの一言でも言ってくれれば、こんなに急に別れることになんてならなかったじゃねぇかよ!」
華椰葉はビクッとする。
その様子を見た泊は、
「憂斗、華椰葉にも事情があるんだよ。そう声を荒げるな」
と制止させた。
「でも、華椰葉も華椰葉だよ。僕たちはその程度の関係ではないってことくらいわかってたよね」
それからのことはショックからか思い出さない。
ただ自分がすることはいつも他人を傷つけるという事実だけが頭の中を回っている。
こうして華椰葉の忍者としての人生と青春は終わった。
これからは忍者でもなく学生でもなく、ただ軍人として生きていく道を選んだのだった。
◆追憶編 完◆
「TRUE WAR」を読んでくださり、ありがとうございます!
ここまでは追憶編でした!
追憶編ということなのでこれからが追憶編の10年後になり、この物語の現在になります! 離れ離れになった同級生の運命はいかに!
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